太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ルイヴィトンの靴

2022-02-17 21:01:38 | 日記
結婚式によばれた翌日、(「ロイヤルハワイアンホテルで結婚式」の記事はコチラ)二人の同僚に別々に言われた。

同僚1「ねえ、昨日履いてた靴、ルイヴィトンだよね?」

同僚2「シロの靴がルイヴィトンだったって、僕のガールフレンドが言ってた」

もちろん即座に否定した。
ルイヴィトンであるはずがない。
1回こっきり身に着けるだけだからと思い、
あのドレスもバッグも帽子も靴も、みんなひっくるめてアマゾンジャパンで購入したもので、靴だって、たぶん3000円ぐらいの安物だ。

「えー、だって靴の裏がだったよ?」

ルイヴィトンの靴の裏が赤いなんて初めて知った。家に帰って靴の裏を見たら、確かに赤かった。
あの靴はルイヴィトンもどきにデザインされていたのかも。


幸いなことに、私はブランド物に興味がない。
目玉が飛び出るような高価なバッグや靴が欲しいのに買えなかったら、それは悲しいことじゃないか。
欲しいのに買えないものを誰かが持っていたら、ストレスじゃないか。

ブランド名が見えるようについているそれらは、私にとってはPumaとかAdidasとかAsixといったスポーツブランドと同じだ。

高価なものを持っている自分が好き、そういう自分を見せたい

その気持ちはわからんでもない。
二十歳ぐらいの頃、renoma(若い人は知らないだろね)の巾着型バッグが欲しかったもんなぁ。
時はバブル。お金持ちの娘と張り合って、カード破産しかけた同僚のH子。「ちょっと出てきまーす」とか言って2時間後にサンローランやディオールの紙バッグを抱えて戻ってくる、図太い神経のH子は、全身ブランドで固めていた。
当時、月に50万円のお小遣いを父親からもらっていたというお金持ちの娘と、普通の家の娘のH子が張り合えるはずもない。
TVスタジオの隣の控室で、H子のおさがりのブラジャーを3000円で買わされそうになったことがある。
でも、H子のおかげで私はそのあとブランドものに走ることはなかった。


最初の結婚時、家の新築披露に、義理の兄夫婦を招いたことがあった。
義理の兄は地味で堅実な人だが、兄嫁がブランド好きで、車はBMW、家具もイタリアの高価なものを揃えていた。
BMWから颯爽と降りた兄嫁の服装を見て、私は驚いた。
ジャンプスーツというのだろうか、上下一体型のパンツルックで、全身に斜めに

FENDI  FENDI  FENDI  FENDI  FENDI

という、でかい文字がたすき掛けのように、いくつも全身に印字されていた。
まるで包装紙だ。

「昔さ、企業名をプリントした汗止め(テニスプレーヤーがつけているようなの)を毎日身に着けるだけで、年間2000ドルぐらいもらえる、ていうのがあったよ」

というのは今の夫の話。
その真偽のほどはわからないが、あのときの兄嫁はFENDIからお金をもらってもよさそうなものだ。


とにかく、私がブランド好きじゃなくてよかった。
以前、ある女性がひったくりにバッグを盗られて、そのあとで中身だけが抜かれたバッグが発見された。
しかし、そのバッグはエルメスのなんとかという100万単位もするバッグで、
中身なんかどうでもいい、バッグが戻ってよかったと女性が言ったという話がある。
ひったくり犯は、そのバッグの価値などわからない、私のような人だったのだろう。