太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

無人販売よりも驚くこと

2022-12-11 08:01:57 | 日記
日本には無人販売がけっこうある、ということに、こっちの人々は等しく驚く。

「お金を入れずに品物を持ってゆく人がいないのか」
「お金を盗む人はいないのか」

まったくそういうことがないわけではないだろうが、私は無人販売よりも、この国のテーブルでの会計システムに驚く。
勘定書をもらって、クレジットカードで払うのならまだしも、現金をテーブルにおいて店を出る場合。

「払わずに逃げちゃう人はいないのか」
「請求額よりも少ないお金を置いて出る人はいないのか」

その金額がたとえ請求額に満たなくても、その客はもういないのだからどうすることもできない。
払ったふりをして、そのまま席を立ったとしてもわからないじゃないか。

今、思い出したんだけど、30年ほど前に(おっそろしく昔だな・・)ニューヨークに行ったときのこと。
私と前夫とで、アイオワに住むクリーバーさんを訪ねて行ったときで、クリーバーさんがニューヨークまで迎えに来てくれていた。
ある大きなオイスターレストランに行って、代金を払って店を出たら、ウェイターが必死の形相で追いかけてきて何か言っている。
クリーバーさんが、「ここは僕が」と言ってくれたので任せていたのだが、どうやらチップが少ないというので怒っているようなのだ。
そうやって追いかけてくる人もいる、ということだ。



無人販売もテーブル会計も、基本的には性善説に基づいている。
しかし、飲食代は無人販売の代金よりもずっと多額だ。
映画の、バーカウンターでお酒を飲んで、ポケットから出したお金をテーブルに置いて席を立つ場面で、ちゃんとチップも含まれているのか、バーテンダーは早く確認しなくていいのか、と思ってしまうのは私だけだろうか。



うちのクリスマスツリーとひな人形

2022-12-08 08:02:43 | 日記
ガレージで保管していたモミの木が、



クリスマスツリーになった。


半日かけて飾りつけ(義両親が)。

屋根裏からクリスマス関連のものを引っ張り出してくるのは、実家でひな人形を出す作業を思い出す。
実家のひな人形は、人形や道具類が収まったいくつもの大きな木箱を階段状に組み立てるもので、毎年それらを出して組み立てて、それをまた片づけるのは結構な労働だったと思う。
「あんたたちがオヨメにいけないと困るから」
両親はそう言って、必ず出して、せっかく出したものを数日で片づけた。
3人の娘が無事にオヨメに行った後も(2番目は2回も行った)、娘のいない家で両親はひな人形を出していた。
最後に両親がひな人形を出して、その前でお雛様のように並んで座っている写真を見たのは、父が80の手前ぐらいだっただろうか。
両親と住んでいた姉には息子が一人。
あのひな人形の大荷物を、姉はどうするのだろう。


義両親はクリスマスツリーを飾ったり、家中をクリスマスにするのが大好き。
彼らが足腰が弱ってきたら、今度は私と夫が彼らのためにそれをするようになるのだろうと思う。



ダイニングにはハワイ風のツリーも出す。


義父が大好きなリトルビレッジ。
クリスマスのプレゼントもようやく準備が整いつつある。



朝、歩くこと

2022-12-05 16:41:59 | 日記
半年以上ぶりに朝のウォーキングを再開して数日がたつ。
夜の間に降った雨に濡れた土や草木が放つ早朝の空気を、思い切り吸いこむ。
なんでさっさと再開しなかったか、と思う。
歩き始めるときはまだ真っ暗で、近所の家のクリスマスの飾りを見るのは楽しい。
タンクトップは肌寒いけど、長袖や上着を着るとすぐに暑くなってしまうので、身体が温まるまで早足で歩く。

誰かの庭先で輝くツリーがきれい!

早起きの家は、もう活動を始めている。
いつも思うのは、ここの人達の無防備さ。
塀のない家も多いし、カーテンやブラインドをつけないのか、あっても使わないのか家の中が丸見えで、外を歩く私のほうが気を遣ってしまう。
洋画の、部屋の中で着替えているのが窓から見えるとか、夜、明るいキッチンの窓にはカーテンもなく、シンクの前に立っているところをスナイパーに狙われるというような場面を、
まさかこんな丸見えのわけがないじゃん、やっぱ映画だよね、と思ってみていたけれど、あれは真実だった。
人目を気にするのは日本の文化なのか。


今日は休みなので、足をのばして40分余り歩いた。
戻ってくる頃にはすっかり明るくなっていて、虹のご褒美。




家に戻ってシャワーを浴びて、コーヒーを淹れた。
郵便局に行き、そのあとカイルアに買い物に行く予定で、9時ちょっと前に着替えていたら職場から電話があり、
3人病欠で人手がないらしく、来れないだろうか、というおたずね。
どうしてもという用事もないので、「じゃ、数時間だけ」ということにして働いてきた。
2時ごろには帰りたかったのに、思いがけず忙しくて結局3時。
困ったときはお互い様、善行を積んだ、ということにしよう。





今さら塩糀

2022-12-04 08:15:32 | 食べ物とか
もう結構前に、日本で塩糀が流行ったらしいことは知っていた。
先日、日本食スーパーに行ったら、味噌の近くに塩糀を発見。
もっと前からあったのかもしれないけど、これがあの塩糀というやつか、と思い、買った。
というのも、YouTubeで、美味しそうだと思って見ていた料理の動画で「ここで塩糀を入れて」といった途端に、「こりゃダメだ」と諦めたことが数回あったのだ。
日本では塩糀は醤油や味噌のような王道の調味料になったのか。

私が買った塩糀を見た夫が、
「あ、それはもしかして初詣のあれ?」
と聞いてきた。
以前、実家の両親と静岡の浅間神社に初詣に行ったとき、父が甘酒を買って夫に渡したことがあった。
何も知らない夫は、一口飲んで、なんともいえない顔になった。
両親の手前、飲んだふりをして全部私によこして、「オイシカッタ」とごまかしていた。
私もどちらかというと、甘酒は得意なほうではない。凍えそうに寒くて、かなり空腹で疲れていたら美味しいと思うかも。
「見た目は似ているけど、甘酒じゃないよ」

さて、買ったはいいが、開封したら日持ちがしなさそうだし、いろいろ作って使い切りたい。
動画で見たのは、鶏肉をレモンと塩糀でマリネするのと、レンコンを炒めるのだけ。
日本で塩糀が王道になっているのなら、彼らに聞けばいいのだと思い、聞いてみた。
「鶏肉や豚肉なんかに合うよ。きゅうりにまぶしてジップロックに入れて次の日に食べると漬物みたいだよ」というのは姉。
が、一人の友人は使ったことがない、というし、もう一人は、「肉を柔らかくするから肉にまぶして焼くといいんじゃないか・・」という。
王道、ってわけでもなさそうだ。

鶏肉に塩糀をすりこんで、レモンの輪切りを入れて一晩おいたのを焼いたら、優しい味で美味しかった。
焼くときにコショウをふるとの、食べるときに新たにレモンを搾るとさらに美味。
意外だったのがレンコン。
きんぴらにするように薄切りにして、オリーブオイルとにんにくで炒めて、塩糀で味付け。

コショウをふって食べる。
味の形容が難しいのだけれど、香ばしくて好きな味。






こんな偶然

2022-12-03 15:32:38 | 日記
私の車がリコールで、塗装し直しに出している。
そのいきさつは過去記事にもしてきた。

かいつまむと、2年前に屋根の塗装が剥がれてきて、大手の塗装会社に塗装に出したのだが、
13万円も払ったのに、塗装時に使ったマスキングテープを剥がした部分の塗装が剥がれたまま、車が返って来た。
苦情を言っても、「どうせそこもそのうち剥がれてくる」と言うだけ。
頭に来て、会う人ごとにその店の悪口を言いまくっている(陰湿~)。

そしてそのマスキングテープを剥がした跡から再び塗装の崩落が始まり、見るたびに気分が落ちるので、別の店を探して車を持ち込んだ。
ぺりぺりと崩落してゆく

すると、その工場のオーナーが、「うちでも塗装するけど、これはトヨタのリコール案件だからトヨタに電話したほうがいい」、と言ってくれたおかげで、タダで全車塗り替えられることになった。
トヨタから代車を出してもらったので、日数がどのぐらいかかろうと平気。

屋根を塗った大手の会社は何も教えてくれなかったのに、正直に教えてくれたその工場には感謝している。
それで今日、でっかいマフィンの詰め合わせを持って、お礼を言いに行った。

道路から工場までのドライブウェイに、これから作業する予定の車が縦に何台もとめてあり、そのうちの1台に見覚えが・・・・・
と思ったら、それはまさに私の車ではないか。
トヨタはいくつかの工場と提携しているのだろうが、よりによってこの工場に私の車が来るとはなんたる偶然。

工場の入り口で、男性が3人立ち話をしていた。
一人はオーナーで、来た訳を説明すると、両手を上げ、肩を叩き、3人ともが大げさに感動してくれた。

「今日び、こんなふうにお礼に来る人なんて滅多にいないよ。いやー、嬉しいなあ!」

しばらくそこで話し込み、帰り際に彼らが

「こうなったら、もう特別にピカピカに塗り替えちゃうよ、楽しみに待ってな」

そう言って笑顔で見送ってくれた。

数時間後、その工場から電話があった。
連絡先が夫の番号になっていたので、電話を受けたのは夫。

「ああ、それはいいよ、その車はもう10年選手だし、使わないし」

と言っている。
電話を切ってから、内容を聞いたら、
屋根についているアンテナが壊れているから、新たに注文して取り付けようか、と聞いてきたという。

「あなた運転中にラジオを聞かないし、いいよねー。あ、マフィンをありがとうだってさ」

な!!!なにを断ってる!私の断りもなしに!!
やってもらえるならやってもらえばいいじゃないかッ!タダなんだし。

とは心の声。
がめつい根性が丸見え。
もし私の携帯にかかってきたなら、絶対にやってもらったのに。
もちろん、申し訳ありませんね、助かります、と言うけど。
時すでに遅し。確かにラジオは聞かないし、アンテナなくたっていいっちゃいいんだが・・・・・




感謝したら、その気持ちを伝えたい。
それは私と夫の共通点だ。
高価なものでなくていい、言葉だけだっていい、感謝しているということを直接伝えたいと思う。
もし私が、感謝はしてもその人たちに伝えなかったら、その工場はただの「良い印象の店」で終わっただろう。
でも、出向いて伝えたことで、人同士の「縁」ができた。
その縁は小さなものだけれど、1日の終わりに思い出すと心がホッとするような、良い縁だ。