自遊空間、 ぶらぶら歩き。

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美しき挑発~レンピッカ展

2010-07-15 | 展覧会

兵庫県立美術館でレンピッカ展を観てきました。
会期は7月25日(日)まで。

タマラ・ド・レンピッカという名前からして、ただものじゃない^^という雰囲気がありますね。もっとも国によって読みは違うようですけれど・・・。

私が出かけたのはNHKの「日曜美術館」でレンピッカをとりあげたあとだったこともあってか、いつもは人の少ない美術館が平日の午後でもほどよい混み具合でした。

絵をとり巻いて人垣ができるのは困りますが、絵とその絵を見つめる人たちをベンチから眺めるのもなかなか楽しいものです。

「日曜美術館」の美輪明宏さんの立て板に水のコメント、今は海外で活躍しているアートディレクター、石岡瑛子さんの晩年のレンピッカを語るインタビューは、レンピッカ鑑賞をさらにおもしろくしてくれました。


レンピッカの作品は個人コレクターや画廊、美術館など世界中に点在していて、一度に90点を観られる機会は貴重だそうです。

夫や同性の愛人、娘をモデルに、柔らかそうで硬質な、具象と抽象が入り混じったような画風はとても個性的です。
ガラスのようでありながら、リアルな色と光をたたえた瞳はどんな技術を使って描いたのでしょう。

レンピッカ自身がグレタ・ガルボを意識していたそうで、女優のようにポーズをとったポートレートをプロの写真家に撮らせています。

その写真が会場の随所に展示されているのですが、皮肉なことにこの展覧会の最後の最後に展示されているのは顔中に深いしわが刻まれた、晩年のメキシコでのレンピッカの写真です。


レンピッカは1998年(諸説あるそうですが・・・)ワルシャワ生まれ、思春期をロシアとスイスで過ごし、ロシア革命でフィンランドに亡命、その後パリに定住、画家として成功を収めます。

第二次世界大戦の終盤にはニューヨークに移り、終焉の地はメキシコです。

遺灰は故人の遺志で活火山ポポカテペトル山の火口付近に撒かれました。
最後まで熱い^^人です。


レンピッカ研究の第一人者、アラン・ブロンデル氏は、
「展覧会を通じてタマラ・ド・レンピッカの人生を感じてほしい――。」
と語っているそうです。

……感じました。

 

 

コメント
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