12月8日(水)、京都南座で吉例顔見世興行を観てきました。
お目当ては海老蔵さん。
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」を見て、ちゃらちゃらしただけの人じゃないやんと、その仕事ぶりをぜひ観たい!と思ったからです。
もちろん、チケットを取ったときは、あの事件は起こってないし、何日か休演はあったとしても、私たちが出かける日までには回復しているだろうと思っていました。
海老蔵さんに、イヤな思いをさせられた人の話は「実際そうなんだろうなあ」と納得できることが多かったです。
反対にあれほどの芸(私はあいにく直接は知りません)を見せてくれるのなら、多少のやんちゃはいいじゃないかと、援護する人もいます。
私は、30過ぎて家庭をもった大人としては、やんちゃのレベルが低過ぎると感じましたが・・・。
数年後、今回の事件は「若気の至り」という思い出にされてしまうのでしょうかね。
歌舞伎をよく知る人たちが、あれほどの芸と絶賛する芸を、いつか観てみたいものです。皮肉ではなくね。
海老蔵さん、頭を丸めていることだし、どこかお山にこもって、修行してはいかがでしょう。といっても、今まで何回か山ごもりはなさっているようなので、ちょっと長めにね。
あまり早い仕事復帰には歌舞伎関係だから許されるのかと、幻滅する人もいるでしょう。
同じような事件で引退に至った力士もいるのですから。
さて、海老蔵さんを観られなかった顔見世興行、夜の部です。
昼の部の終演が3時35分、夜の部の開演が4時15分ですから、南座前はごった返していました。
●歌舞伎十八番の内外郎売
愛之助、孝太郎、猿弥、笑三郎、春猿、薪車、寿猿、市蔵、段四郎
海老蔵さんが演じる予定だった曾我五郎役は愛之助さん。
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武具、馬具、武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具。
・・・・・・
いやー、見事に代役を務めました。
が、愛之助さんは愛之助さん。海老蔵さんの外郎売の口上を聞きたかった。
●仮名手本忠臣蔵七段目
吉右衛門、玉三郎、歌昇、種之助、種太郎、仁左衛門
祇園一力茶屋の場です。
写真は、まさに舞台になった祇園花見小路の祇園一力亭。
●心中天網島河庄
藤十郎、扇雀、翫雀、竹三郎、段四郎
●鳥辺山心中
梅玉、芝雀、松江、薪車、寿猿、歌江、歌六、魁春
介護疲れ、生活苦の心中はときとして聞くけれど、色恋沙汰の心中は最近はあまり聞かないですね。心中するより、そのまま続ける時代かな。
●越後獅子
翫雀
幕間のわずか25分で、予約していたお弁当を受け取り、あわててかき込みました。ゆっくり味わいたかった、ちらし寿司です。
そうそう、愛之助さんをオペラグラスで上から下まで眺めていたら、素足の足元まで、白い化粧がほどこされ、両親指を立てていました。
あとでネットで調べたら、
「見得を切るとき足の親指を立てると、全身に力が入って、いい具合に力強く見える」
という口伝があると出ていました。
なるほどねー。
イヤホンガイドを借りるとそんな説明が入っていて、一斉にオペラグラスが足元に向くそう。
でも、そのブログを書いている方は、そんな細かいもん見なくていいです。あくまでも全身を見ていればいのです。・・・と。
すみませんねー、素人で。
たまたま見えてしまったわけで。
この日、夜の部が終わったのは、午後10時40分。
全部、しっかり観ようと思ったら、かなりのエネルギーが必要です。