ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

故小島芳子さんのフォルテピアノ

2006年10月21日 19時28分13秒 | 音楽
 今日、浜離宮朝日ホールでオーケストラ・リベラ・クラシカの定期演奏会を聴いてきました。今日の演奏は、亡き小島芳子さんの師匠であるスタンリー・ホッホランドさんが彼女の楽器で演奏するのです。その素敵なフォルテピアノ、彼女は自分で弾くことはできたのでしょうか。注文して、間に合わなかったという楽器なのかと思うと、胸がつまります。楽器にはご主人のガンバ奏者福沢宏さんがついて、係りの人と移動させていました。
 この楽器、先日、芸術劇場で放送したアンドレアス・シュタイアーも弾いた楽器ではないでしょうか。小島さんのお母様がそうおっしゃっていたので。
 彼女自身が弾くことはかなわなかったけれど、こうして演奏する機会が増えることを、彼女も願っているのではないでしょうか。本当は、鈴木秀美さんのこのOLCとの共演をどれだけ望んでいたか・・・。
 モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466が始まったとき、身震いするくらいの感動が起きました。モーツァルトのデモーニッシュな響き・・。この曲のピアノの旋律の素晴らしさは、時代がベートーヴェンへと流れていくのを実感しました。ベートーヴェンは確かにこの曲が大好きだったそうです。この曲を、現代のグランドピアノで聴く人は多くても、当時のフォルテピアノで聴く人は少ないはず。でも、頼りない音量でかそけき演奏なんてことなど全くなく、それはそれはピリオド楽器の伴奏もドキドキするくらいの厚みがあり(小編成なのに!)、本当にホッホランド師匠ではなく弟子の小島芳子さんが天国から舞い降りて演奏しているのではないかしらと思ってしまうようなひと時でした。この演奏を直接聴けたことを本当に幸運だと思います。
 彼女の素敵な楽器、また聴くことが出来ますように・・・。
コメント
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