ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度

2018年09月02日 16時58分42秒 | 読書

 ジョン・クラカワー氏が書いたこの本を読み終えました。真っ赤な色をした本で、とても目立ちます。だから、ずっと家で読みました。でも、内容はすごいものです。女性だけではなく、男性にも読んでもらいたい本です。

 アメリカでもまだまだMeTooと声を上げることが大変なのに、日本では本当に埋もれてしまっている声がたくさんあると思います。それでも、合意のない性行為はレイプと規定しているアメリカに、ものすごく遅れている日本では、あの伊藤詩織さんが訴えたあの事件も、相手の男性を逮捕することができませんでした。おかしいですよ。薬を入れて酔わせて、そういうことをするのは、レイプ以外のなにものでもないのに。相手の男性はのうのうと仕事しています。おなじことをきっとまた平気でするのでしょう、許せないですね。

 レイプ被害者はPTSDになることが多いです。そして、戦争に行った兵士もそうなることが多い。ベトナム戦争のグリーンベレーがそうでした。この本の中に、こうあります。

「レイプと戦争は、どちらもPTSDを引き起こすもっとも一般的な要因であり、性的暴行のサバイバーは戦闘のサバイバーと同じ症状や行動を見せることがよくあるということだった。つまり、フラッシュバック、不眠、悪夢、過度の警戒心、鬱、孤立、自殺念慮、怒りの爆発、絶え間ない不安、世界はコントロール不能だという振り払えない気持ち、である。
 PTSDには「治療法」がない。深刻な精神的トラウマの影響は、原因が戦争であれレイプであれ、何十年も残るのが一般的だ。」

 こういうダメージを、多くのレイプ被害者が受けているのです。レイプは、全く知らない猟奇的な犯人ではなく、身近な知り合いが起こすのが多いのです。信用している相手に裏切られるのです。心の傷はほとんど永遠に消えることはありません。体だって、繊細な女性の体が傷つくのです。

 不浄とはよくいいましたよね。どっちが不浄だ?尿が出る器官が性器にもなる方が、よほど不浄だと思いますけど。女性は、毎月のように赤ちゃんのためのベッドを作り、そしてそれを掃除してまた新しいのを作るんですよ、子宮に。それが月経です。

い女性は、好きだという気持ちが起きなければ潤滑液がでなくて、痛い思いをします。それを強引に暴力でやられたら、それこそ恐怖です。アダルトビデオの世界は、嘘です。あんなことありえません。あれは男性が一人でするためのものでしょ?手荒なことをして喜ぶなんて、ばかじゃない?性暴力は、だから二重の犯罪です。絶対に許せることではありません。

 女性も男性も、望まない性行為は絶対にしてはいけません。相手を愛する気持ち、相手に愛してもらう努力もしないで性行為をするなんて、許せないです。それは犯罪なのですから。面倒だと思うのなら、一人でしなさいよ。生身の女性とする資格はありません。きっとそのうち、AIが代わりになるかな?AIだって、壊れちゃったら大変・・・。

 亜紀書房 ジョン・クラカワー著 菅野楽章訳 「ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度」 2016年10月

 出版された時、書評に載ったのに私は気がつきませんでした。ようやく、今になって読みました。青少年必読書です。

 

 

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