ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇12月6日

2020年12月06日 16時55分00秒 | 短歌

馬場あき子選

換気する図書館に入る北風に本の香りのキリリと締まる      村上市 鈴木正芳

ベビーカー出会い頭にそれぞれのベビーがしずかにベビーを睨む  館林市 阿部芳夫

俺らの海さ捨(なげ)ることしか考えねえ福島原発溜る汚染水   所沢市 風谷螢

 一首目、この寒い冬に換気し化ければならないのはつらいけれど、本の香りって、なんかなつかしくて、身が引き締まる感じがしますよねえ。二首目、ベビーのにらみ合いがとっても面白くて。三首目、方言を入れた言い回しが素敵です。

佐佐木幸綱選

「答弁は差しひかえる」と質問に首相は重ぬ民が慣れゆく     松江市 田中勝美

 慣れてしまうのは、本当はいけないことだと思います。こんな日本、いやになりますね。

高野公彦選

51年朝鮮人を名乗りしがまだふみもみず朝鮮半島        神戸市 康哲虎

まだふみもみず天橋立という百人一首を思い浮かべました。いつか故郷を見に行ってください。きっと、何かが変わると思います。

永田和宏選

「最初だが最後ではない」ヒビ入れたガラスの天井カマラ・ハリスは 川越市 吉川清子

戻りたいとみんなが願うコロナ前が良かったなんで本当ですか    東京都 福島隆史

 一首目、バイデンさんが大統領選に勝ったのも、副大統領候補のハリスさんがよかったからかもしれません。前回は大統領選にヒラリーさんが負けました、あのトランプに。ああ、悔しい思いをしましたよね!でも、今度は女性大統領が夢ではなくなったと思います。アメリカでさえそうなのだから、日本は本当に古色蒼然としていまだに政治は男性中心、はらわたが煮えくり返りますよ。くそじじいばかりでさ!二首目、昔、歌のタイトルにありましたね、「結婚するって、本当ですか」。コロナの前がよかったかどうか・・。少なくとも、人と会えない状況よりはよかったとは思うけれど社会がよかったとは全く思えません。働く人は非正規ばかり、引きこもりも社会問題になり、格差も増え、それに見えない貧困がある。日本がいい国なんて、絶対に思えませんでしたから。この先も、明るい未来なんかなさそうですよ。夫が死んでから私の人生はおまけみたいなものです。いつまで生きていていいのか、正直、この社会にはうんざりなんだけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする