ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇12月13日

2020年12月13日 16時35分03秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

原発と石炭火力の我が町の山は針山鉄塔並ぶ            敦賀市 小島順一

自殺者が増え始めているテレビではGoToは得だとはしゃぎ続ける 東京都 野上卓

 一首目、敦賀原発の地元の短歌。悲哀に満ちています。二首目、感染者数が日に日に増えているのに、GoToを止めない政府に、あきれるばかり。高齢者の移動を止めても、若い人たちが移動してうつしているのが現実なのに、なんで経済、それも旅行観光関係のみを大事にするのか、利権がらみ?政治家はコロナにかからないのかなあ、自分が感染しないと痛みはわからないみたいですね。

高野公彦選

ほぼ四つ七十代のバイトあり介護・外食・警備・清掃        名古屋市 今出公志

銀杏の爆ぜる音聞き飲む酒よ砥部より備前に器を替えて       安中市 岡本千恵子

 一首目は馬場あき子さんも選んでいます。本当に、これが現実です。だから、私は働いていません。働けば体壊しそうですから。この仕事はフルタイムか夜中とか時間が昼間じゃないケースがほとんど。私は以前、シフトの仕事をしていて体を壊しました。人間は、太陽とともに起きて陽が沈めば寝るという動物です。ところが文明のせいなのか、夜行性になってきました。よくないことですよ。だから自律神経が壊れる。さて、二首目は、日本酒好きにはたまりませんよね、銀杏。そして砥部焼から備前?私は備前はとても高価で手に入りません。砥部焼で充分。だって、しろくまピースがいる砥部ですよ!

永田和宏選

認めない大統領と答えない首相はどこか似てる気がする        観音寺市 篠原俊則

弔問の列に順待つ我を見てその屋の犬がしきり尾を振る        富士吉田市 萱沼勝由

 一首目、本当に私もそう思います。毒舌は言っていないけれど、無言の毒舌ですよね。二首目、コロナ禍で、葬式の姿も変わってしまいました。きっと、ソーシャルディスタンスで距離を置き、焼香の順番を待っているのだと思います。その家のどなたかが亡くなったのでしょうけれど、飼い犬はまだ知らないのか、尾を振る姿がかえって悲しい。

馬場あき子選

古書店は外食チェーンの店になり定点が消えた駅の西口       綾瀬市 小室安弘

 商店街がシャッター街になり、古書店もなくなって必ず寄っていた店だったのにと、日常が変わっていくのは悲しいことです。どこも同じようなチェーン店が並ぶ町なんて、楽しくもなんともないです。コンビニからはじまり、ファストフード、外食チェーンなど、どこも同じような町になることがいいなんて、誰も思わなかったのに。私は特に本屋が好きですが、今は本当に少なくなって、図書館で本を借りてばかりです。そうそう、こちらの地元では、関心を持つ人が少なかったのか、先週の加藤陽子の本、直ぐに借りられました。楽しみです!あーあ、ここはかなり保守的な土地柄、がっかりですよ。頭の古いおやじの巣窟なのか・・。

コメント (2)
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