ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇12月20日

2020年12月20日 14時06分26秒 | 短歌

高野公彦選

食事フロ排泄介助しこの人のぬくもり護る我ら介護士     鳥取市 平井幸子

マスクなど誰もしてないコロナ禍の前の映像どこの惑星    高岡市 池田典恵

 一首目、介護従事者の苦労は本当に大変だと思います。医療従事者と同じように、本当に苦労されています。感謝の気持ちで選びました。二首目、マスクが当たり前になってしまった今の社会、していない日々はもう想像もできない世界になってしまいました。だから、私は1月くらいから化粧は全然していないような。今日は生れてはじめてリモートに参加するので、本当に久しぶりに化粧してしまいました!でも、コンタクトレンズだから目の周りはあまり化粧できません、だからあまり化けられないのです、とほほ。

永田和宏選

喪の葉書出して届いて冬が来る胸の奥なる奥に冬来る     福島市 美原凍子

 この時期、本当に喪中はがきがよく届きます。私は数年前からすでに年賀状を出すのはやめているのに、申し訳ないです。60代の私の友人からは親の世代が亡くなったという葉書が来るのですが、昨日は私よりも若い元同僚から、ご主人の喪中はがきが届き、呆然としてしまいました。59歳なんて、死ぬ年齢じゃないのに。慌てて電話をしてしまいました。

馬場あき子選

抽斗を全部開けたら抽斗の奥にはあった出さぬ恋文      埼玉県 水野勝浩

市街地をさ迷ふ子熊の声探し親は撃たれぬ校庭の隅      小松市 沢野唯志

 一首目、もしかして、タンス預金があったらなんて探していたのかしら。すっかり忘れていたラブレターが出てくるなんて、驚きです。でも、昔の思い出に浸れて、楽しいですよ。二首目、今年は熊の出没が多くて、害獣として殺されてしまうのが本当に悲しい。もしかしたら、私は前世が熊だったのかもしれません。ツキノワグマは絶滅危惧種です、どうか殺さないで。かわいそうで、この歌を読んで号泣してしまいました。この歌は佐佐木幸綱さんも選んでいます。

佐佐木幸綱選

われを見て猫が首かしげ不審がる彼女が不法侵入       狭山市 山口幸代

答弁になってはいない答弁を重ねるうちに閉会となる     長野県 山口恒雄

 一首目、猫ってそういうものですよね。面白くてほほえましくて選びました。二首目、本当にそう思います。もう、国のリーダーの言葉が空々しくて、悲しくなります。何も響かない言葉ばかり言っていて、情けないですよ。

 

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