永田和宏選
安倍さんも「アベのマスク」をもうしないあれはいったいなんだったんだ 鹿沼市 田村和江
五ケ月は施設の母の記憶から私を消すに充分の時 伊万里市 大宅朋子
一首目、本当にその通り!アベノマスクだけじゃなく、さくらの会の件でも、結局自分は知らなかったと、秘書のせいにしちゃって。そういう人間がトップだったし、今だってたいして変わらないのかも、話す言葉が不誠実だということに関しては。言葉は言霊と言ったのは遠い昔のことなのかな?二首目、会えなかった時間が記憶を消してしまうという認知症の恐ろしさ。コロナ禍は、なにもかもを奪ってしまう、本当にひどい災厄です。
馬場あき子選
窯焚きの犬の名前は弟子と言う二夜をともに寝ずに過ごして 安中市 吉田信
以前の朝ドラ「スカーレット」では、登り窯の様子を描いていました。寝ずにずっと付き添わなくてはならないから、体力が必要。弟子と言う名の犬が付き添うとは、面白い!犬は忠誠心があるから、ご主人に寄り添ってくれるんですね。猫はそうはいかない。
佐佐木幸綱選
三人と四人に分かれひそひそと酌む酒寂しコロナが憎し 日進市 山口和雄
5人以上の会食は避けろという国の方針で、この歌のように分かれてテーブルに座り、静かにお酒を飲まなくてはいけない現実。クリスマスや忘年会のシーズンだというのに、そして、総理はじめ国会議員はそれでも会食しているというのに。この国って、おかしいねえ。
高野公彦選
防犯という名のカメラ記録する白杖の人ホームより落ちるを 印西市 小野文香
視覚障碍者のホームからの転落事故がなかなか減らない現実。コロナ禍だからよけいそうなのでしょうか?でも、危ないと思ったら絶対に食い止めてほしい。落ちた様子を見なくてはならないようには、なってほしくないです。白杖の人たちは、昔からそういう危険と背中合わせだった。私たちは今、コロナ禍でそういう恐ろしさを実感しているけど。見えない恐怖というものでは、同じはず。助けられるのなら、助けなくては。せmて、無人駅以外ではこういう事故はなくなってほしいいです。