高野公彦選
コロナ禍のホバリングする毎日は愉快に生きる選手権なり 東京都 夏目そよ
麻生氏の鼻出しマスクをいつまでも糺(ただ)せぬ分科会の限界 近江八幡市 寺下吉則
一首目、ちっとも消えてくれないコロナを「ホバリング」と表現しました。そして、この期間を楽しく暮らす工夫をしようという選手権、前向きです。そうでなくては、うつ病になっちゃいますもんね。二首目、私は「あ」のつく政治家が嫌いだ。麻生太郎、安倍晋三、そして甘利(フルネームは知らない)。ついでに言えば二階もだめ。新閣僚のメンバーを見ても、原発推進するようで、ぞっとします。10年経ってももどらないリスクがある原発なのに、日本って、サイテー。利権がらみなんでしょうね。政治家こそ、老害、パワハラを禁止すべきですよ。なんで議員に定年はないのでしょう?
永田和宏選
まだずっとこのまま此処に居たいとう蟬の鳴き声聞こゆる晩夏 中津市 瀬口美子
10年も住めないままのあの町に収穫の無い秋がまた来る 南相馬市 佐藤隆貴
一首目、いまも蝉の鳴き声が聞こえます。もう10月というのに。せっかくやっとのことで地上に出てきたらあれ?10月?なんて、ちょっと気の毒。ずっとそこに居たいよね。二首目、そうなんですよ、10年経っても元の生活に戻れない、本当にひどい話ですよ。昨夜はBS1で10年経った被曝の森のドキュメンタリーを放送していました。東電はきちんと責任と取ってくれるのでしょうか!
馬場あき子選
黄昏がこんなに寂しい時と知る妻逝き四年島のひとり居 江田島市 和田紀元
お名前から、もしかして戦前の期限二千六百年(昭和15年)ころに生まれた方なのでしょうか?紀元節というのが戦前はありましたから。だとすれば80歳を少し超えたくらいでしょうか。4年前に奥様に先立たれ、島で一人暮らし、それは寂しいことと思います。私も夫が亡くなって9年です。もう忘れましたけどね。きっと奥様も元気に過ごしてほしいと天国で願っているはずです。黄昏を見ればついつい、自分の人生の黄昏を思い浮かべてしまいます。でも、そこは純粋に美しい景色に感動しましょう。新しい朝が来るのですから、がんばって。