ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇10月17日

2021年10月17日 21時04分37秒 | 短歌

馬場あき子選

幾重にも疊みてホームレスは持つワクチン集団接種のシラシ    観音寺市 篠原俊則

副反応の熱のトンネル抜け出して朝のパン屋へ朝日を浴びて    富山市 松田わこ

 住民票がないからワクチン接種がなかなか受けられない、ホームレスの悲哀。先日の新聞では週末の弁当無量配布に大勢が殺到しているとか。この国は、社会的弱者を自己責任として切り捨てて見殺しにしています。怖ろしいです。今度の選挙で少しでも弱者への対策が進むことを期待します。富める者はさらに富みなんて社会、これでいいのでしょうか?二首目、つらい副反応、私も経験しました。高熱がなかなか下がらなかった。無事に平熱に戻り、やっとパン屋に行かれた喜びは共感します。この歌は高野公彦氏も選んでいます。

佐佐木幸綱選

知事なれど昔担任せしゆゑに「くん」付けで呼ぶ心の内で      堺市 富田美智代

元は皆政治家だった人達が政治屋になり政治家操る         柏市 加藤安博

高野公彦選

こんだてはおたんこなすのしぎ焼きよなんて言わなきゃやってられない 新潟市 太田千鶴子

 わかるなあ、冗談でも言わないとやってあれませんよねえ。

永田和宏選

無人機は百パーセント安全でいつも現地の人だけ殺す        宮城県 田所純一

ダイヤルが戻る時間がもどかしい彼女にかけたアナログ電話     川崎市 小島敦

 一首目、米軍が誤爆で10人の現地人が殺されましたが、先日の新聞で、見舞金を出すという話が載っていました。見舞金だけですませるの??自分たちはいつも安全なところにいて無関係な人を殺すようなアメリカこそ、テロ国家というものじゃなくて?二首目、なつかしいダイヤル電話です。昔、実家が引っ越してその電話番号の末尾4ケタを「9789」としたときに、父に対して母が「なんてダイヤルの戻りが遅い数字を選んだんだ」と怒っていました。すでに実家はないので、この番号もうちのではありませんが。ついつい、この歌で実家の番号を思い出してしまいました。そういえば、テレビのチャンネルも、すでに知っている人は少なくなりましたね。便利になることがいいことなのでしょうか。先日のドコモの通信不具合で、スマホ決済が出来なくなりました。デジタルが全て完璧じゃないのにねえ。そんな完璧じゃないものに、紛争や戦争が起きたら殺されちゃうんですよ、ああ怖い。

 

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