ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

エゴドキュメント

2022年08月14日 20時56分18秒 | 日常

 そういう言葉を知りませんでしたが、これは個人の日記や記録のことだそうです。

 先の戦争で日本が敗戦になったとき、軍部は公文書や資料を焼却しました。証拠隠滅です。ただ、個人の日記などにより、多少は解明されています。この、個人の人々の日記や記録が、実は歴史の資料としてとても価値があるのです。

 私が古文書に関心を持ったのは、夫が亡くなってからでした。そのもっと以前に、父の死後、彼の絵の展覧会をしたり、美術館に絵を寄贈したりしていましたが、力及ばす、父の絵を残すことはできませんでした。それに、私が社会人になってから父の絵のサポートをしてきて、自分の人生の半分はそういうことに費やされて、疲れてしまいました。最初に母ががんに罹り、それから父が闘病。その都度、私は会社を辞めて実家で看病。父からはお手当をもらっていたからまあ、働いていたということにはなりますが、この疎外感は本当につらかったです。両親が亡くなってからもずっとそういうことをしてきて、ついに自分の人生を取り戻したいと思い、夫が亡くなってから引越した先には、すべてを置いていきました。残った父の絵は姉に預け、両親の仏壇も姉に託しました。だって、私は二女なんですから。

 引越すときに、父の絵の資料や父の日記も処分してしまいました。狭い家には自分の物だって処分しないと入れないのですもの。でも、どこかで罪悪感がありました。とはいえ、自分の人生は、自分のことで精一杯でしたから、もういい加減にしてほしいという思いがありました。

 人の一生とは、誰かに痕跡を残せるものなのでしょうか。子どもだって、それはある意味、重荷ではあります。昔、父の同僚から、私が父の絵の伝道師だと言われたことがありましたが、それって何?と思いました。人の人生を背負うのは苦痛です。

 いまとなっては、エゴドキュメントとなる父の日記などを処分してしまうなんて、最低なことだったと思います。でも、当時の私では、それを持ち続けるという気力も財力もありませんでした。断捨離が叫ばれている今日で、そういう観点から物を資料として残すことが、本当に出来るのでしょうか。とはいえ、私は父の資料を葬ったことには間違いはありません。残していたらいつか「古文書」のように、貴重な資料になったのかもしれません。あの世に行って、謝るしかないのかもしれませんね。

 日記というものは、他の人に読まれるかもしれないという前提があるのでしょうか。私が思春期の頃、ノートにたくさん書いていましたが、こっぱずかしくて全部処分しましたっけ。父は、5年日記とか、けっこう立派なものを書いていました。今、私はこのブログを日記と思って書いています。確かに、ブログは、人に読まれるのが前提ですよね。そういえば、高野悦子の「二十歳の原点」、青春のバイブル的存在ですが、これは日記です。父の時代は石坂洋次郎の「若い人」が青春のバイブルだと言っていましたが、私のころは、この本ですね。彼女は自殺しました。

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朝日歌壇8月14日

2022年08月14日 19時54分18秒 | 短歌

高野公彦選

ゼレンスキー氏がユニクロのに出るようなそんな日が早く来てほしい 前橋市 西村晃

「民主主義守る国葬」国会の議論も経ずに決定をする        観音寺市 篠原俊則

 一首目、私もそう思いました。戦争が終わって、ウクライナに平和が戻ったら、ゼレンスキー氏のユニクロ姿は本当に世界中に風を起こすでしょう。早く、戦争がウクライナの思うように終わってほしいと思います。彼こそ、ユニクロがとても合う人物だと思います。この歌は永田和宏氏も選んでいます。これからは、多様性が当たり前の世の中になるべきなんですよ。暴力で国を治めるなんてもってのほかです。ロシアの人々が、真実を知って行動する日が来ることを願います。専制国家、独裁国家、それは都合の悪いことを国民に知らせない国家なのです。中国も同じなのではないでしょうか。中国がロシアを正面切って反対しなかったのは、台湾のことがあるからです。でも、暴力で領土を奪う時代はもうすでに終わっているのです。こんなことが許されるわけではありません。何より、そういうことをするロシアと中国が国連の常任理事国というのがありえないのです。別の組織を作るべきでは?とはいえ、アメリカもまたトランプが大統領になったら、それこそ民主主義が後退してしまうのですから、恐ろしい!中絶禁止というのは、女性の人権を否定しています。宗教の原理が政治を動かすのは間違っています。旧統一教会も、キリスト教原理主義も、イスラム教原理主義も・・・。暴力はテロですよ。絶対に許されません。中絶禁止も、ある意味では暴力だということをお忘れなく!二首目、安倍元総理や自民党の国会議員が、旧統一教会との関係があることが白日の下にさらされましたね。そして最近は韓国での旧統一教会のイベントで安倍元総理の追悼が行われたということです。そんな中、日本で安倍元総理の国葬が行われようとしていますが、国民はみんなが賛成しているわけではありません。私は反対しています。そもそも、桜を見る会、森友加計問題など、本人が説明をしないままうやむやになってしまったことが多すぎます。かれこそが、民主主義を壊した張本人ではありませんか。官僚に忖度させて、我が世の春か知らないけれど、税金を使って自分たちの思うようにふるまった。こんなことは許されていい訳がありません。共謀罪という、テロ防止うというけれど戦前の特高の再来かと思えるような気持ち悪い法律を作ったのも彼です。言論の自由が脅かされています。今のメディアも、忖度ばかりしているじゃないですか。これって、戦前の日本と同じようになりかねません。怖ろしいことです。日本の戦争放棄と核兵器反対を絶対に守っていかなくては、先の戦争の反省もなにもあったものじゃないですよ。武力で領土を拡大するという前近代的な手段は絶対に許されないのです。ロシアを許すことはできません。常任理事国は、そういうことをしたら権利を剥奪するという規定を作らなかったのがおかしいですよね。なんのための国連なのでしょうか。

馬場あき子選

明日は抜く奥歯にメロンを味わわせ八十年の労をねぎらう    蓮田市 斎藤哲哉

 64歳で私も奥歯を抜く経験をしましたよ。歯はとっても大事な老後の指標なんですよね。大事にしないといけません。でも、無理して残してもっと悪くすることもある。だからこそ、いい歯科医に巡り合うことが大切なのです。私は経験しました。ネットの口コミがかならずしも頼りにできないことを。歯科医は、それこそ、地域の人たちの評判が大切なんです。ネットは信用できないというのが、私の体験でした。噛む力をなくしてはいけません。噛むことで脳が刺激を受けるのですから。だからこそ、いまある歯を残す工夫をしましょう。亡夫は末期がんで部分入歯がうまくいかなくて食べることを諦めました。これが死期を早めたと思っています。

佐佐木幸綱選

野仏に供える黄菅二本剪り今日の畑の仕事を終う        蓮田市 斎藤哲哉

 あらー、馬場あき子選の歌と同じ作者でした。こちらの歌は、農作業の様子がのどかで素敵です。野仏というのは、道祖神のようなものでしょうか。こういう土着の宗教心が、ほんものなんだなーと思いました。そう、旧統一教会とは全く別物です。

 私は1957年生まれで、一浪して私立大史学科に入りました。新入生にはサークルの新歓が盛んでしたから、こわいほどいろんな勧誘がありました。私の頃でも、例の旧統一教会の関係だという原理研には注意しろという話がありました。でも私はよくわからない東洋思想研究会というのに誘われて、すぐにそこから離れましたが、いま調べてみると、それは創価学会系だったようです。私はもともと宗教は信じていません。早く離れてよかったです。そもそも宗教というのは、死の恐怖から柔らげるために存在するものだと思っています。それが歴史を見れば、宗教戦争は日本でも西洋でもたくさん起こっています。聖戦を許容すること自体、宗教の教義にもとるはずなのに・・。隣人を愛せとかいうくせに、おかしいでしょう。相手を殺すことが、相手にとっての救済だというのはひどいすり替えですよね。人を殺すことは、どんなことがあっても許されることではありません。戦争もしかりです。ブチャの虐殺が、白人ではなく、アジア人の顔をしていたということですが、それは本当でしょうか?人種差別につながるのではないでしょうか。人種がどうあれ、それはあってはならないことです。あの先の戦争で、広島と長崎に原爆が落とされたのは、日本人が黄色人種だったから?

 

 

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