いよいよ山頂というところで、先ほど聞こえてきた声の主と出会いました。
道は狭くすれ違い困難です。
僕は身体を寄せて『ここですれ違いましょう』と言いました。
『ああ、すみません。今日は誰にも会いませんでした。山頂も貸し切りですよ』
『天丸で声が聞こえましたよ(^^)』
『天丸は濡れていたからやめたの』
『ああ、やめて正解ですね』
『天丸の下にストックがぶら下がっていたけど、あなただったのね?』
『そうです。神様からのプレゼントとか言って持っていかないでくださいよー』
『わははははは』
こんな会話を交わして別れました。
ライムグリーンの上着をペアで着ていたおじさんおばさんでした。
11時19分、帳付山の山頂に到着しました。
風が強く顔が冷たくなって、軽く頭痛がします。体感的には相当低く、持ってきた化繊のダウンを着ました。
今回は火を起こすのが面倒になりそうだったので、大きめのポットにお湯を従えて来ました。
カップ麺に注いで準備します。
コーヒー飲みたかったけどそれすら面倒になって白湯のまま2杯飲みました。
少し温まります。
帳付山の山頂は木々に視界を阻まれて良くは見えないですが、それなりに奥秩父や上州の山々が見えました。
寒いので立ち上がり来た道を戻ります。
来た道なのにその通り戻る事すら難しく、どこをどう通るかまた考えちゃいました。
危ない登山道を慎重に行きます。
1ヶ所垂直に近い岩に木がL字型に伸びています。そこをロープに掴まりながらまたぎ、いったんその木に腰掛けるようにして次のロープに移ります。
通過してホッとし、先に進みます。
どんどん行きます。
目の前にまた同じような難所が出てきました。
またぎます。
そして次のロープに掴まったところで・・・
『あ、ここは・・・ループしている』
そうです。
戻ってしまったのです。
GPSで確認すると、確かに楕円を描くように回って来た軌跡が残っていました。
油断しました。1本の尾根とはいえ視界の効かぬ岩場と難所の連続で方向感覚を失ってしまったのです。
落ち着いてまた1からやり直します。
そうさ、今日はのんびり行くと決めたんだ。
面白いじゃないか、どこで間違えたか検証しよう。
なるほど、行きは岩塊を回り込んだけれど帰りは乗り越えた。ここから降りる時に見えたテープに引き込まれたんだな。
今度は無事にそこから脱出出来ました。
そして「馬道のコル」へ着きました。
あとはイージーな一本道です。
高度が下がっていくのと同時に温度が上がっていきます。シャツ1枚になります。
大きな岩のベンチでドーナツを食べながら白湯で休憩します。黄緑色の若葉が風に揺れる様子を見ていました。
空はすっかり青空になりました。
いきなり舗装路が見えてきて、社壇乗越に下山しました。
GPSの位置がデータと異なっていたのですが、方向を見ると左。
ちょっと?を感じましたが、そのまま左手に進みます。
あれ?路面にやたら落石が多いぞ。
これってもしや。
道無き道をGPSの軌跡が 辿っていました。
方角は北。
ヤバい埼玉側に進んでる。
なんと初歩的なミス。
一旦右に出て、そこから左に回り込むように進んでいくのが正解でした。
ま、こんな日もあるさ。
しばらく進むと今日登った大山と天丸山が見えました。
大山はところどころアカヤシオのパッチワークが美しく、天丸山はとても登れそうもない程のそびえ方をしていました。
突然目の前にマイカーが現れ、終わりになりました。
ゆっくり帰り支度をします。
そういえば、夜中は鹿に十数匹会いまして、悲鳴のような鳴き声と漆黒の闇にうごめく森のざわめきで不気味ですが、日中は手のひらを返したように穏やかです。
ささ、温泉温泉。
連休後でどこも休みのだったりして。
一抹の不安はどこへやら、すぐに現われた「ヴィラせせらぎ」という日帰り温泉施設で、やまびこ荘(宿泊施設)を併設しているところにお世話になりました。
食事処はお休みですが、お風呂はOKです。
同じく老夫婦が入浴出来るか確かめていました。
お先に湯船に浸かっていると、おじさんが『ぅりゃーっ、ふぅぅぅ』
『あああ〜』
遠吠えにも似た雄叫びの声が何度も何度も響き渡っていました。
こうして今日の山は終了しました。
そして帰り道、下仁田から高速に乗りましたが、すぐに眠くなってしまいます。
パーキングエリアに吸い込まれて寝ました。
なんと起きたら22時を過ぎていました。
ははは、やっちまったな。
歩行距離 15.1km
所要時間 10h
累計標高差 1610m
28500歩
道は狭くすれ違い困難です。
僕は身体を寄せて『ここですれ違いましょう』と言いました。
『ああ、すみません。今日は誰にも会いませんでした。山頂も貸し切りですよ』
『天丸で声が聞こえましたよ(^^)』
『天丸は濡れていたからやめたの』
『ああ、やめて正解ですね』
『天丸の下にストックがぶら下がっていたけど、あなただったのね?』
『そうです。神様からのプレゼントとか言って持っていかないでくださいよー』
『わははははは』
こんな会話を交わして別れました。
ライムグリーンの上着をペアで着ていたおじさんおばさんでした。
11時19分、帳付山の山頂に到着しました。
風が強く顔が冷たくなって、軽く頭痛がします。体感的には相当低く、持ってきた化繊のダウンを着ました。
今回は火を起こすのが面倒になりそうだったので、大きめのポットにお湯を従えて来ました。
カップ麺に注いで準備します。
コーヒー飲みたかったけどそれすら面倒になって白湯のまま2杯飲みました。
少し温まります。
帳付山の山頂は木々に視界を阻まれて良くは見えないですが、それなりに奥秩父や上州の山々が見えました。
寒いので立ち上がり来た道を戻ります。
来た道なのにその通り戻る事すら難しく、どこをどう通るかまた考えちゃいました。
危ない登山道を慎重に行きます。
1ヶ所垂直に近い岩に木がL字型に伸びています。そこをロープに掴まりながらまたぎ、いったんその木に腰掛けるようにして次のロープに移ります。
通過してホッとし、先に進みます。
どんどん行きます。
目の前にまた同じような難所が出てきました。
またぎます。
そして次のロープに掴まったところで・・・
『あ、ここは・・・ループしている』
そうです。
戻ってしまったのです。
GPSで確認すると、確かに楕円を描くように回って来た軌跡が残っていました。
油断しました。1本の尾根とはいえ視界の効かぬ岩場と難所の連続で方向感覚を失ってしまったのです。
落ち着いてまた1からやり直します。
そうさ、今日はのんびり行くと決めたんだ。
面白いじゃないか、どこで間違えたか検証しよう。
なるほど、行きは岩塊を回り込んだけれど帰りは乗り越えた。ここから降りる時に見えたテープに引き込まれたんだな。
今度は無事にそこから脱出出来ました。
そして「馬道のコル」へ着きました。
あとはイージーな一本道です。
高度が下がっていくのと同時に温度が上がっていきます。シャツ1枚になります。
大きな岩のベンチでドーナツを食べながら白湯で休憩します。黄緑色の若葉が風に揺れる様子を見ていました。
空はすっかり青空になりました。
いきなり舗装路が見えてきて、社壇乗越に下山しました。
GPSの位置がデータと異なっていたのですが、方向を見ると左。
ちょっと?を感じましたが、そのまま左手に進みます。
あれ?路面にやたら落石が多いぞ。
これってもしや。
道無き道をGPSの軌跡が 辿っていました。
方角は北。
ヤバい埼玉側に進んでる。
なんと初歩的なミス。
一旦右に出て、そこから左に回り込むように進んでいくのが正解でした。
ま、こんな日もあるさ。
しばらく進むと今日登った大山と天丸山が見えました。
大山はところどころアカヤシオのパッチワークが美しく、天丸山はとても登れそうもない程のそびえ方をしていました。
突然目の前にマイカーが現れ、終わりになりました。
ゆっくり帰り支度をします。
そういえば、夜中は鹿に十数匹会いまして、悲鳴のような鳴き声と漆黒の闇にうごめく森のざわめきで不気味ですが、日中は手のひらを返したように穏やかです。
ささ、温泉温泉。
連休後でどこも休みのだったりして。
一抹の不安はどこへやら、すぐに現われた「ヴィラせせらぎ」という日帰り温泉施設で、やまびこ荘(宿泊施設)を併設しているところにお世話になりました。
食事処はお休みですが、お風呂はOKです。
同じく老夫婦が入浴出来るか確かめていました。
お先に湯船に浸かっていると、おじさんが『ぅりゃーっ、ふぅぅぅ』
『あああ〜』
遠吠えにも似た雄叫びの声が何度も何度も響き渡っていました。
こうして今日の山は終了しました。
そして帰り道、下仁田から高速に乗りましたが、すぐに眠くなってしまいます。
パーキングエリアに吸い込まれて寝ました。
なんと起きたら22時を過ぎていました。
ははは、やっちまったな。
歩行距離 15.1km
所要時間 10h
累計標高差 1610m
28500歩