(冒頭写真は、アンリ・マティス作 「開いた窓、コリウール」。 写真が歪んでいる点、お詫びします。)
今月も、朝日新聞愛読者プレゼント 「アンリ・マティス ー色彩の魔術師ー 第2回」の作品が2枚届きました!
今月は、冒頭写真の「開いた窓、コリウール」と。
「生きる喜び」 です。
これらのうち、冒頭写真の「開いた窓、コリウール」の解説を以下に転載しておきましょう。
新印象主義やセザンヌの手法を取り入れながら、新しい絵画表現を模索していたマティスが、独自の画風を開花させたのは1905年の事である。
同年夏、友人のアンドレ・ドランと訪れた地中海に面した港町コリウールで、明るい色彩による生き生きとした作品を制作した。 この新しい表現は、大胆な色使いと荒々しい筆触から「フォーヴィスム(野獣派)」と呼ばれている。
コリウールのアパートから見た光景を描いた本作は、マティスの実験的な試みをよく表している。 室内は青緑とピンクに塗り分けられ、補色を意識した構成である。 また、植物は短く軽やかに、空や海は伸びやかな筆触で描かれ、モチーフにあわせて描き方が変えられている。 さらに、白や塗り残しを効果的に用いることによって地中海の陽光を見事に表現した。
ルネサンス以降、「開いた窓」というモチーフは絵画の比喩として用いられてきたが、マティスは自由な色彩で遠近法の失われた空間を描くことにより、現実世界の再現ではない新しい絵画の方向性を示した。
(以上、東大大学院 神津有希氏による解説を引用したもの。)
最後に、くだらない私事に入るが。
小学校高学年の図工の授業でのことだが。
美術が専門ではない担任教師より、私が描いた絵に“塗り残し”があった点に関して注意を受けたことがある。
「絵とは画用紙の白い部分を残さず、全面色を塗らなければならない。 これはやり直しだ。 何かの色でこの部分を塗りなさい。」
子供心に何だか合点しかねたものの、そう言われてしまっては…
やむを得ず、無理矢理に何かの色を塗った記憶がある。
その後もその教員の言葉が強い印象で残ってしまい、後々絵を描く時には必ず“塗り残し”が無いように注意したものだ。
絵を描く際の「ルール」というものがあるのかどうか、未だかつてその正解を知らないが。
上記マティスの作品に於いては、以下の解説がある。
「白や塗り残しを効果的に用いることによって地中海の陽光を見事に表現した。」
絵画の巨匠がその技法を使っているということは?
今更ながらだが、あの時の担任教師の発言は誤りだったということになろう。
まあ、昔の小学校教育など、美術に限らず誤りだらけだったのだろうが… (今もか!?!)😱