私め原左都子は元医学関係者であることが第一の理由だが。
高齢域に入ろうとしている現在尚、普段より予防医学を徹底して基本的に “病院へ行かない主義” “薬剤に頼らない主義”を貫いている。
その身にして、現在大阪府の吉村知事が世間を騒がせている“イソジン騒動”には首をかしげるばかりだ。
吉村知事に関しては“コロナ禍”以降は、大阪府知事としてのその理性や行動力の程を高く評価してきた立場だ。
そんな理性派の吉村知事が、医学素人にして“イソジン騒動”を巻き起こすとは一体何を血迷ったのか??
と思いつつ、本日午後に民放に生出演してこの件に関する自己の見解を述べる吉村知事を垣間見ることが叶った。
とりあえず、この“イソジン騒動”に関するネット情報の一部を引用しよう。
大阪府の吉村洋文知事(45)らが4日、「イソジンなどのポビドンヨードという成分が入ったうがい薬を使うことでコロナの重症化を抑制する効果がある」との研究結果を発表し、全国のドラッグストアなどでイソジンが売り切れる大騒動になった。 うがい薬を手掛けるメーカーの株価は急騰。 だが、イソジンを日常的に使用する風俗嬢からは意外な声が上がった。 騒動の発端となったのは吉村知事、大阪市の松井一郎市長(56)らが4日、大阪府公館で開いた会見だった。 吉村氏は「ウソみたいな本当の話をします。コロナに効くのではないかという研究結果が出ました。イソジンなどのポビドンヨードが入ったうがい薬を使うことで、コロナの重症化を抑制する効果がある」と明言した。 ウソみたいな研究結果とは、大阪府立病院機構「大阪はびきの医療センター」で、5月から府の宿泊療養施設で療養していた新型コロナウイルスの軽症患者41人を対象にした「ポビドンヨード」入りのうがい薬の効果の“実験”。 毎日、唾液検体を採取し、PCR検査を行ったところ、1日4回のうがいをした患者の4日目の陽性率が9・5%だったのに対し、うがいをしなかった患者の4日目の陽性率は40%だった。 今後も臨床研究を進め、重症化予防に効果があるか調べていくという。 吉村氏は「薬事法があるので、これがコロナに効くとは言えないが、こういう結果が出た。 どこまで効果が出るかは分からないが、8月20日までポビドンヨードが入ったうがい薬で、うがいを励行してもらいたい」と府民に呼び掛けた。
これまで新型コロナには明確な有効性を示す治療薬が少ないとされており、吉村氏と松井氏は成果の発表に胸を張ったが、会見の模様は昼のワイドショーで生放送され、市民は即反応。 吉村氏の「買い占めはやめて!!」との訴えもむなしく、うがい薬が市中から消えた。 (中略)
定価1280円が5000円、2つで1万2000円などで転売された。1日4回のうがいをした患者の4日目の陽性率が9・5%だったのに対し、うがいをしなかった患者の4日目の陽性率は40%だった。 (中略)
「イソジンクリアうがい薬」を販売する塩野義製薬の担当者は「実際にコロナに効果があるかどうかは弊社では判断しかねる。メルカリ等でお買い求めいただくのではなく、ドラッグストアなど正規のルートで購入してほしい」と困惑した様子で語った。
(以下略すが、ネット情報より一部を引用したもの。)
私見に入るが。
本日昼間見た民放テレビにての吉村知事発言の一部に関しては理解可能だ。
とにもかくにもコロナ感染をこれ以上激増させたくない、何らかの方策を講じて是が非でも感染拡大を塞き止めたい…
そんな切なる思いから、吉村知事は某医療機関と提携して、この「ポンピヨード入りうがい薬」の実験を自ら買って出たようだ。
その結果が上記の、「1日4回のうがいをした患者の4日目の陽性率が9・5%だったのに対し、うがいをしなかった患者の4日目の陽性率は40%だった。」とのことのようだが。
元医学関係者である我が現役時代の業務とは、要するにこの種の実験を担当しその結果をまとめ世に発表するのが主たる生業であった。
その立場からもの申すと、まず一体如何程の被験者数を対象として実験が行われたのかを問いたい。 あるいは、被験者達の医学的体質等のバックグラウンドも公表するべきだろう。 更には、この種の実験とは一度きりではなく何度も繰り返して実施してから結論を述べるべきとも考える。
上記ネット情報内にも以下の記載がある。
「塩野義製薬の担当者『実際にコロナに効果があるかどうかは弊社では判断しかねる。メルカリ等でお買い求めいただくのではなく、ドラッグストアなど正規のルートで購入してほしい。』と困惑した様子で語った 」とあるが。 医学機関側としては、まさにそれぞ正論であろう。
今回の吉村知事のテレビ出演に関しては、民放テレビ側の時間的な都合もあったのだろうが。 その辺の詳細が一切語られず、単に結果のみ述べるのに始終した印象があった。
ただラッキー(と言ってしまっては吉村知事としては不本意であろうが)なことに、吉村知事の今回の“勇み足”に関して世論は“否定派”が多数の様子だ。
市民の一部がその薬を求めて薬局へ詰めかけ既に品薄状態を作り上げている状況のようだが。 おそらく大方の市民は冷静に対処しているであろう事態に安堵させられてもいる。
大阪府知事の吉村さん。
貴方の“コロナ禍”阻止に対するただならぬ熱意の程を、今後も応援申し上げたいが…
ここは原点に立ち戻って、貴方の得意な専門分野にて今後もコロナ対策に励まれては如何だろうか?
貴方が優秀な人材である事実を私も存じている。
それでも「医学」との分野とは、少しかかわったのみでは習得不能な高度の専門知識や経験力を要する部分もある事実を、お分かりいただきたくもある。