原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

義母の耳鼻科付添い 補聴器担当者のプロ対応に感動!

2020年09月04日 | 医学・医療・介護
 本エッセイ集2本前公開のエッセイ内で、以下の記述をしている。 一部を引用させていただこう。


 そんな亭主に向かって、私は義母の耳鼻科定期受診に関する私見を述べた。
 「義母の耳鼻科受診だが、もう辞めてもいいように思う。 何年間もずっと私が中心に付き添ったから周知しているが、定期受診で一体何をやっているかと言うと、そのほとんどが“補聴器の点検”だ。 耳鼻科医による聴力検査や耳の垢取りは半年に1度のみだ。 補聴器の点検をしたからといって、既に認知症状が極限まで悪化せんとしている義母の耳はそれに比例して聞こえが悪くなるばかりだ。 その改善は既に見込めないと解釈してよいのではなかろうか? 今後は“聞こえない”ことを前提とした人生を義母が歩み、周囲の我々もそれに付き合うべきではないだろうか?」
 亭主応えて、「母本人が耳鼻科へ行きたい意思があるうちは、たとえその受診が無駄であれども付き添ってやりたい。」 
 私が内心で(実の息子のその思いは分かるが、若くも無い付添人が脚を痛めた状態でまで無理して付添う必要も無いだろうに…. )と思いつつ、「日程を変更してもいいんじゃない? それよりも、義母の体調不良等で本人からドタキャンして来る時もよくあるから、先に義母の体調を問うたらどう?

 (以下略すが、以上、本エッセイ集バックナンバーより引用したもの。)



 台風の影響で時折激しい雨が降る悪天候の中、昨日私は電車とタクシー利用で義母の施設を訪れた。
 コロナ対策により訪問者は施設の入口までしか入れない中、義母が比較的元気そうにその玄関口で待っていた。

 早速タクシー乗車で耳鼻科へ到着すると。
 あっとビックリ!  いつもは混雑している待合室に誰一人として患者がいない。 コロナ院内感染を恐れていた私としては一安心であるものの…
 これじゃあ、病院経営が成り立たないのを実感だ。😳 

 義母の予約時間より10分程早い時間に、補聴器室へ案内される。
 以前の担当だった“ギリシャ彫刻張りイケメン氏”(継続読者の方はご存じだろうが)は既に退職し、その次の可愛い系女子職員もいなくなり…
 昨日の担当者は、初対面の若手男性職員だった。

 まずは義母の要求に沿い手際よく補聴器を修理しつつ、私の質問に応えてくれる。 (参考だが、義母は補聴器無しではほぼ他者同士の会話が聞こえないため、その状態で義母に聞かれること無く普通に会話が可能だ。)
 「義母の耳の聞こえの悪さが悪化の一途で、ついに電話での対話が不能になりました。 既に電話対話は諦めているのですが、とにかく義母とのコミュニケーションに難儀しています、云々… 」
 担当者氏が早速、過去の義母聴力検査データを広げて説明して下さるに。
 「聴力自体が悪化の一途です。 半年毎に医師の指導下で検査を実施していますが、ご覧のように年月の経過と共にどんどん検査結果が悪くなっています。 ただ高齢者の場合は認知症状の低下により検査時の作動を誤る場合が多々あり、正確なデータとならないところもありますが、それにしても確実にデータが悪くなっています。」 
 そのデータを見たところ、担当者氏のおっしゃる通りだ!
 医師による診察も半年に一度行っているのだが、その際には前回データとの比較しかなされず、しかも医師のコメントはいつも「前回とあまり変化ありません。」だった。 医師を責めるつもりは無いし、こちら側も元医学関係者として更なる追求をしなかった責任もあるのだが…。

 今回の補聴器担当者氏の説明で、私としては“目から鱗”だ!
 どおりで、義母の聞こえの悪さが実際に悪化していた事実に重々納得だ。
 
 更に義母の保証人としての今後の対応に関しても相談した。
 (言いにくいことをはっきり言う私だが、そうでもしないと今後ずっと埒があかないため思い切って提案した。)
 「これ、今後耳鼻科受診を続行したところで、何の実りも無いような気もしている。 付添人である我々も高齢域に入ろうとしているし、実際亭主は本日脚を痛めて来れず私が付添人を代行した。 思い切って義母の耳鼻科受診を終了することも考慮しているのだが、それに関してはどう思うか?」
 これに応えて、「補聴器担当者としては、やはり今回のように補聴器の故障等が気になる。 ただそれは定期受診ではなく必要に応じた対応も可能だ。 保証人様が補聴器会社店舗にお持ち頂く事も出来るのでそれを検討頂いても良い。」
 なるほど…、と思いつつ。 よく考えてみたらその方がよほど手間がかかることに気づいた。  要するに、義母から補聴器を預かるために施設を訪れ、その後補聴器会社の店舗へ出向いて修理を施した後、また義母の施設へ舞い戻らねばならない。 (これ、義母を直接耳鼻科へ連れていくよりもずっと大変な作業だ!!)
 そして、私はその旨担当者氏に伝えた。

 しかしまあこの担当者氏の優秀な点は、我が質問の意図を瞬時にして十分に読み取って下さる点だ。
 そして応えて曰く、「一応定期受診にしておいて、義母様ご本人や付添様に不都合がある場合はいつでも日程を変更下さって何ら差し支えございません。 いつでも予約変更に対応致します。」

 更に担当者氏がおっしゃるには、「義母様の聴力は、もう少しで“障害者”領域に達するほどに悪化しています。」
 これに関してもその詳細をデータを見つつ確認した私が質問した。「障害者領域に達したことにより何らかの変化がありますか?」
 担当者応えて、「ご希望ならば自治体に障害者登録申請をすることにより、金銭面での援助等のメリットがあります。」
 (その詳細を伺った上で。)
 私が応えて、「よく分かりました。 おそらくその申請をすることは無いと思いますが、今後共に補聴器に関するご指導をよろしくお願い致します。」


 実際、昨日私が義母の耳鼻科付添いをすることにより、得るものは大きかった!
 とにかく(医学経験の無い)亭主の付添いでは果たせなかった今後の方策を展望出来たのは、大いなるメリットだった。

 いやはや、元医学関係者の身として十分に話し合える補聴器担当者に巡り会えた幸運に感謝だ!😃