原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

菅首相の学術会議任命拒否問題、やはり政権批判学者の切り落としか

2020年10月04日 | 時事論評
 この“任命拒否問題”到底許しがたく、とことん根に持っている原左都子だ。
 まだまだ続けるぞ、批判エッセイを!


 何故、原左都子が当該問題に関してこれ程までに嫌悪感を抱くのかを自己分析するに。
 何分、人より随分と学業経験時代が長かった私だ。
 最初の医学部にて素晴らしい恩師先生に出会えお世話になったし、また30過ぎて入学した大学・大学院にても、社会科学分野や哲学等々数多くの優秀な(との表現は失礼だが)学者先生にご指導いただいた。

 その恩師の方々すべてがご自身の確固とした学者ポリシーを築かれていて、力強いまでの講義と論文指導を展開して下さった。 (授業の外部公開禁止の先生もおられた。 その種の先生程、学問に対する良き意味での“一貫した主張”があられたことと振り返る。)

 そんな経験を積むと、“この学者の発言が気に入らないから拒否しよう”なる単純思想とは、学問素人の発想としか捉えられなくなるものだ。 
 たとえ政権維持目的であろうが、そんな素人もどきの発想が出た時点で首相生命は終わりであろう。
 そんな輩が、決して国を操ってはならないはずだ。 



 それでは、本日先程見つけたネット情報の一部を引用しよう。

 菅義偉首相が日本学術会議の推薦した委員の任命を拒否したことを受けて、学術界に激震が走った。政府からの独立を維持してきた学術界をも、菅政権は官僚と同様に支配しようと踏み込んできたからだ。いったい何が起こっているのか。元文部科学省事務次官の前川喜平氏が本誌インタビューで問題点を語った。
*  *  *
 今回の問題は菅政権で起こるべくして起こったという感じですが、手を出してはいけないところに手を出してしまいました。
 安倍政権は人事権によって官僚や審議会を支配してきました。その中心にいたのが菅さんです。気に入らない人間は飛ばす、気に入れば重用する。これは彼らの常とう手段なんです。
 私が事務次官だったとき、文化審議会の文化功労者選考分科会の委員の候補者リストを官邸の杉田和博官房副長官のところにもっていきました。
 候補者は文化人や芸術家、学者などで、政治的な意見は関係なしに彼らの実績や専門性に着目して選びます。それにもかかわらず杉田さんは「安倍政権を批判したから」として、二人の候補者を変えろと言ってきました。これは異例の事態でした。
 他にも菅さんの分身とも言われる和泉洋人首相補佐官が文化審議会の委員から西村幸夫さんを外せ、と言ってきたこともありました。
 官僚についても同じようなことを繰り返してきました。本来、内閣から独立している人事院を掌握し、「憲法の番人」と言われた内閣法制局も人事で思い通りにした。成功体験を積み重ねてきた。それで検察の人事にも手を出したが、これは失敗。 そしてその支配の手を学問の自由にも及ぼそうとしている。
 今回も官僚や審議会の人事に手をつっこむような感じでやってやろうと思ったんでしょうね。しかし、致命的なのは、日本学術会議が科学者の独立した機関だという理解がなかった点です。
 憲法では「学問の自由」「思想の自由」が保障されている。国家権力が学問や思想を侵害してはならないとなっている。だから、日本学術会議の独立性は強いんです。
 しかし、今回の任命の問題は、日本学術会議の独立性を脅かすことになる。日本にいる約87万人の科学者を敵に回したといっても過言ではありません。安倍さんも菅さんも法学部出身なのに、憲法を理解していないんでしょうかね。授業中、寝ていたのでしょうか。任命しないというのであれば、その理由をはっきりと説明するべきです。
 日本学術会議法には「会員は(日本学術会議の)推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とあります。「推薦に基づいて、任命する」というのは、原則的に、「推薦通りに任命する」ということを意味します。
 総理大臣の任命についても、憲法に「天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する」とありますが、天皇陛下は拒否することはできません。「推薦に基づいて~」というのは、推薦通りに任命するのが原則なんです。
 100歩譲って、任命しないというのであれば、日本学術会議が推薦した以上の理由をもって、説明しないといけない。彼らは学術的な実績を理由に推薦を受けています。その実績に「論文を盗用していた」などの明らかな問題があれば、拒否する理由になるでしょう。
 日本学術会議は内閣総理大臣の所轄です。菅さんには推薦を拒否する理由を説明する責任がありますが、「自分たちの意に沿わないから」という以上の理由を説明できないでしょうね。
 政権にとって都合の悪い人間を排除していけば、学術会議が御用機関となります。それでは彼らの狙いは何か。それは、軍事研究でしょう。
 防衛省では15年に「安全保障技術研究推進制度」を導入しました。防衛省が提示するテーマに従って研究開発するものに、お金を提供する制度です。導入当初は3億円だった予算規模は、今では100億円にもなっています。
 他方で、日本学術会議では、1950年と67年に「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」と、「軍事目的のための科学研究を行なわない声明」の二つの声明を出している。戦争に協力した反省からです。2017年にはこの二つの声明を継承することを表明しています。
 菅政権にとっては学術会議のこういった人たちが目の上のたんこぶなんですね。最終的には日本の大学で軍事研究を進め、独自の軍事技術を持って、兵器をつくっていきたい、ひいては戦争に強い日本をつくりたいのでしょう。
 学者の方々は官僚のように“大人しい羊の群れ”ではないので、一筋縄ではいかないと思います。
 しかし、今回の任命拒否は非常に怖いものでもある。1930年代に起こった滝川事件や天皇機関説事件といった学問の弾圧を思い起こさせる。大学や学術の世界を国の意向に沿ったものにしようとしている。
 安倍政権では集団的自衛権や検事長の定年延長について、憲法や法の解釈を都合よく変更してきました。定年延長では法を変えようとまでした。今度は日本学術会議法まで変えようとするかもしれません。
 今回の問題は、これまでの人事とは異次元の問題と見るべきだと思います。

 (以上、ネット情報の一部を引用したもの。)



 私見だが。

 この情報によれば、今回の菅首相による6名任命拒否の最終目的は「大学にて軍事研究を進め、兵器を作り、戦争に強い日本にしたいがため」との結論となりそうだ。
 安倍氏も同じ事を企てていた首相だったが… 😰 

 学問好きの人間としては、どうして「学問の府」たる大学を軍事色に染めたいのか、その発想こそが前時代的過ぎてアホらしく話にならないのだが。
 要するに、ご両人共々“学業”にはさほどの興味が無いままに政権を担う立場になってしまったのだろう…

 菅さんも今からでも遅くないから、少しは昔の専門だったらしい「法学」を、今回任命拒否している現役バリバリの法学教授氏より一から学び直してみたらいかが? とアドバイスしたくもなる。
 そうすることによって視野が一段と広がり、一国の首相としてもっと心豊かな人間性を取り戻せると思うのだけど……