我が「不動産賃貸業」歴は、足掛け30年近くになるだろうか。
30歳時に全額自費にて購入しローン完済の我が単独所有マンション物件を、晩婚後に賃貸運用して20年。
残念ながら20年目に運悪く悪質賃貸人に遭遇してしまい、その後処理に150万円程の損失を計上した挙句、オーナーチェンジ物件として売却との手段を選択した。
ただ、ちょうど年金受取りが開始する直前期でもあり、タイムリーな売却時期だったともいえよう。
20年間の賃貸運用の総決算をするならば、賃貸収入の方が上記の150万円損失も含めた諸費用を上回って、我が自己所有の「不動産賃貸業」は成功だったと総括できよう。
その不動産賃貸業にて得た利益は、現在我が老後資金の一部となっている。
それに前後して義母所有物件の賃貸業を亭主と2人で代行中だが、これも早いものでそろそろ10年目に入る。
こちらは我が物件の失敗を繰り返さないために、すべての管理を管理専門業者に仲介してもらう手段を選択し、直接賃借人に一切関わらずに済むシステムを採用している。 これが大正解で、今まで何らのトラブルもない。
さて、朝日新聞昨日 2021.06.01 付紙面に、不動産投資トラブルに関する記事があった。
「不動産投資トラブル 若者が直面 家賃振込み突然ゼロに」と題する記事の一部を、以下に要約引用しよう。
会社の給与だけでは将来が不安。 そんな心理からか、不動産投資に関心を持つ若者がコロナ禍で増えつつある。 ただ、悪質な業者とのトラブルも相次いでいて、リスクに目を向ける必要がある。
都内に投資用マンション2戸を持つ会社員男性(34)は昨年11月、銀行で記入した通帳を見て異変に気付いた。 不動産会社から払われるはずの家賃が数か月前から全く振り込まれていなかった。 慌てて会社に連絡すると、「お金がなく振り込めない。 解約するなら違約金を払ってもらう」と告げられた。
会社側はコロナ禍による経営不振と説明するが、被害男性は最初から騙す気だったに違いないと考えている。
サブリース契約で空室でも収入があると説明する業者等もあるが、周辺相場より高い価格で賃貸用物件を買わされ、そのローン返済負担が重くのしかかる例もある。
ローン返済以外にも管理費や固定資産税などのコストがかかるうえ、家賃の減額や空室リスクがあることも認識し、即断の契約は避けるべき、と注意を呼び掛けている。
(以上、朝日新聞昨日の記事より一部を要約引用したもの。)
私見でまとめよう。
不動産貸付等の「不労所得」とは、ややもすると“ラクして儲けになる”と、特に若い世代ほど安直に考えてしまう対象になりやすいのではなかろうか?
実際にそれに着手してみるとすぐに分かるが、“ラクして儲けになる”対象物などこの世に存在しないと結論付けられよう。
私自身の物件賃貸歴を振り返っても、(最後に直面した悪質賃貸人以外にも)何だかだと難癖をつけてくる賃借人は常に存在した。 それにうまく対応するのも賃貸人の業務である事実を忘れてはならない。
我が単独所有物件の賃貸運用に関してだが、亭主にも誰にも相談不能と私は当初から心得ていた。 (いや相談すればそれなりに相談に乗ってくれたかもしれないが)それは私のプライドが許さなかった。 何故ならば、当該収入は当然のことながら私一人の自己資産となる。
その立場で不利益もすべて自分で被るのが道理だろう。
自己資金(資産)なくして「不動産投資」になど走る若者に物申したいが。
世の中、昔も今もそれほど甘くはない。
それを心得て、「給与のみでは将来が不安」などと戯言を言っている暇があるのなら、とにかく自分なりに精一杯働いてまずは自己資産(資金)を増額する努力をするべきだ。
加えて、自分なりに現在の経済情勢や金融商品の動向等々の情報収集をなすべきではなかろうか?
私め原左都子はその努力を怠らなかったぞ。
新聞紙上で‘安全にして高利子”の金融商品確認をまめに行い、当時一番高利の安全商品に預貯金を入れ替える作業を主体的に実施した。
その金額がある程度の額になった30歳時に、マンション物件単独購入を実行した。
すべてを綿密に計算し尽くしての我が不動産購入だったものだ。
そんな緻密な計画無くして後の「不動産投資」が成功するはずもないことを、最後にアドバイスしておこう。