原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

私は医学関係者だが、緊急の人命救助には何らの役にも立たない…

2023年11月02日 | 医学・医療・介護
 これ、医学関係者の私としては一番“劣等感”を抱かされる場面だ。😷 


 とにかく医学関係者とは言えども 私の場合はそもそも 医学分野の職種(臨床検査技師国家資格を取得しているが)の関係で、実際の業務上「臨床経験」が皆無に近い。
 (大学医学部時代には一通りの臨床実習を通過して来ているが。 私の場合は医学部卒業後の就業先として“病院等々の臨床現場”ではなく 医学関係民間企業及び研究所を選択してきているため、臨床現場にての勤務経験が皆無でもある。)
 加えて、我が医学上の専攻が「医学検査」関連だった故に、学生時代の実習のほとんどがその関連実習であり。 実際に患者さんたちと接する実習は、「心電図」「脳波」しか経験していない。 (これらに関しては学生時代に一度経験したのみで、決して数をこなした訳でもない。)



 2023.10.17付朝日新聞「ひととき」欄の投書は「看護師さんの勇気」と題するものだった。
 以下に、その一部を引用しよう。

 先日、夫と列車で出掛けたときのこと。 混雑した車内で少女が突然倒れ、「どうしたの」と慌てている母親の声がした。
 その時、「私、看護師です。大丈夫ですか」と母子の近くにいた女性が言った。 彼女は2人のそばへ行き、母親を励ましながら少女の意識や外傷を注意深くみて対処していた。
 少女の意識が戻って容態が落ち着くと、彼女は「あめはありませんか」と周囲の人に尋ねた。男性がさっとあめを渡し、席を譲る人もいた。
 少女の声が聞こえた時は安堵した。 母子は下車駅に着くと礼を言って、確かな足取りで降りていった。
 不特定多数の人の中で、若い女性が声をあげるのは勇気がいっただろう。 誰にもできることではない。彼女が戸惑うことなく名乗り出たので、母子も乗客も安心した。 彼女の優しい人柄と冷静でてきぱきとした態度に、人々は協力する気持ちを強くした。
 たった10分間の出来事だったが、彼女の使命感にあふれ、善意に満ちた行動は、乗客の一体感を生んだ。

 (以下略すが、以上朝日新聞「人と記」欄より一部を引用したもの。)


 
 この私も遠い過去に於いて、航空便内で「乗客の皆様の中に医師の方はいらっしゃいませんか?」とのアナウンスを経験している。
 その時はアナウンスが「医師」だったため、すぐさま、(私が出る幕ではない)、との判断の下に事なきを得ている。😂 😖 
 どうやら、ラッキーにも搭乗客内に医師先生がおられた様子だ。 男性の方が名乗り出て緊急対応をされた模様だった。
 お陰を持って、航空便は緊急着陸をするでもなく定刻に目的地着陸が叶い、他の乗客たちには何らの迷惑も生じなかった。



 ただ、私は医学関係者として思う事がある。
 
 確かに医学関係者とは、このような咄嗟の場面で使命を果たせてこその存在であるべきではないかと。

 そうは言えども「臨床検査技師」や「薬剤師」等々は、その職務内容の性質に於いて緊急医療現場での出番は極小ではないだろうか?
 (参考だが、「医学部」と「薬学部」はそもそも“別学部”の対応が我が国では採用されているのだが。 我が職種である「臨床検査技師」は「医学」分野内に分類されている。 この辺の事情に関して、実は私はさほど把握していない。)


 エッセイの結論をまとめにくい様相を呈してきたが… 😫 

 原左都子が医学関係者としての自身の立場を弁護しておくならば。

 医学関係者の中には、「“緊急の人命救助時”に何らの役にも立たない医学人材も存在している」事実を、お判りいただけると助かるなあ。

 それでも、もしもその事態に直面した場面に於いて、何でもいいから少しでも自身の医学専門力を活かして人命救助にかかわりたい! との熱い思いは医学関係者である我が内心に、いつ何時もきちんと存在しますよ!!