冒頭から、朝日新聞025.01.221付「時事小言」 国際政治学者・藤原帰一氏による「トランプ新政権 始動後の世界 頼れぬ米 模索する連携」と題する論評を 以下に要約引用する。
米国のドナルド・トランプ第2期政権は、第一期よりも急進的な政策を短期のうちに進めるだろう。
第一期政権では、トランプを支持する実業家も実務経験者も少なく、政治人事は混乱した。
今度は違う。 まずハイテク・ビジネスが結集した。 ステラを率いるイーロン・マスクはトランプと一心同体のように行動している。 その他、アメリカ経済トップの3人がトランプを支持している。
トランプを批判して来たマスメディアも変わってきている。 議会、裁判所、ビジネス、マスメディアの支持を背景として第2期政権は前回と異なる規模とスピードで政策を進めることが可能となった。
第一の政策は移民の排斥だ。 「不法移民」を米国で生まれた子供と共に国外に送還しようとしている。 就任初日には米国出生による国政取得を認めない大統領令に署名した。
第二の政策は多様性・公平性・包摂性(DEI)の否定である。 人種、性別、民族による差別の排除が白人と男性への逆差別を生み出したという認識を背景とするDEI否定は連邦政府ばかりか各州に及び、学校教育を変え、私企業にまで影響が及ぶであろう。 米国社会における女性とマイノリティーの立場が弱まることは避けられない。
第三が環境・エネルギー政策の変更だ。第二期政権はパリ協定からの再度の離脱を決定した。 脱炭素政策は後退し、エネルギー生産への諸規制も撤廃されるだろう。
外交はどうか。 友好国に対して関税引き上げと防衛費拡大が求められるのはほぼ確実。 米国への譲歩を最も期待できる相手は対立する国では無く、相互依存関係が高いうえに米国より経済的・軍事的に弱い友好国である。 トランプは、自国のために他国を犠牲とする近隣窮乏化と、安全保障の退化の要求等を進め途方もない規模の関税と防衛費拡大を要求するだろう。
では、軍事的に対立する国との関係はどうか。 トランプの泣き所はここにある。
北朝鮮政策に見られるように、最大限の圧力を加えても譲らない相手にはどうすべきか、トランプに答えはない。
中国に対しては、トランプは中国を米国への直接の脅威と考えておらず、米国の安全を脅かしてまで台湾を支援する意思が乏しい。 中国が武力行使に訴えても米国が軍事面で対応しない可能性がある。
ウクライナ戦争では、米国主導の停戦は程遠い。 米国が軍事支援を注視すると脅してもウクライナがロシアに譲歩する可能性は低い。 米国が対ロ経済制裁を拡大し、軍事的に威迫したところでロシアが戦争を断念することは期待できない。
トランプはウクライナの戦争を、ヨーロッパ取り組みべきヨーロッパの戦争だ、戦争が続く責任はヨーロッパ諸国にあると訴えるだろう。 だが、米国がウクライナ支援を取りやめても米国以外のNATO諸国はウクライナ支援を続ける可能性が高い。
ヨーロッパだけではない。 トランプ政権の誕生は世界各国が米国に頼ることのできない状況を作り出した。
では日本は、米国に頼ることができない状況の中で、日米間豪比5か国連携をどう進めるのか。 中国への抑止と外交をどう両立させるのか。 日米関係だけでは答えを得ることが出来ない課題がここにある。
(以上、朝日新聞記事より一部を要約引用したもの。)
原左都子の感想を述べよう。 (あくまでも“感想”であり、それ以上の論評が出来る能力は現在の原左都子にはありません。)
それでも、米国民は今回の大統領選において トランプ大統領を国民の意思で選出した。
記事の冒頭に書かれているように、どうやら米国経済界のトップ人材達は、トランプ大統領を“好き好んで”おられる様子だ。😵 イーロン・マスク氏をはじめとした米国経済トップの3氏がトランプ大統領を支持している。
トランプ大統領がウクライナ(へのロシア侵攻)戦争に関して、「ヨーロッパの戦争」と自身にとっては“他人事”のごとく捉えている部分も多いに気がかりだ。
そうなると、どうしても今まで通りウクライナはNATOの支援を当てにするしか方策が無い事となろう。
まさに上記引用文中に書かれている通り。
「トランプ政権の誕生は、世界各国が米国に頼ることのできない状況をつくりだした」、と端的に表現できよう。
今後の世界秩序が このトランプ政権の状況の下で、如何に保たれ得るのか??
不安感のみが漂ってしまう原左都子だ…
ただ このまま米国が、トランプ大統領政権の下に「我が身息災」な国と成り下がってしまったならば…
今後の世界情勢もそれに伴って 多かれ少なかれ、良しも悪しくも 変貌を遂げることとなるのであろう…