原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

発達障害児も成人後は“特質”を個性として自力で生きるべき

2014年06月06日 | 時事論評
 朝日新聞5月30日「教育」ページに、「発達障害、プラスにできる仕事を」と題する記事を発見した。
 
 この記事内容を読んで、原左都子は“マイナスイメージ”である種の不快感を抱かされたのだ。


 とりあえずは、記事内容を以下に要約して紹介しよう。
 今年3月末に、都内で高校生向けのビジネスプランニングコンテストが開かれた。 今年の大賞は3チーム。 その一つが「発達障害者の雇用システム」を提案したチームだった。 
 そのチームリーダーは、自ら発達障害を抱えている慶応大学所属20歳の学生氏だ。
 当該学生氏曰く、「細かい事に注意を払い、じっとするのが苦手で好きなことに熱中してしまう。 反面、注意力が弱くても行動的で好きなことに夢中になれる。 そうプラスに見てくれる環境を作りたい。」 と訴えている。
 (チームリーダー氏は)、幼い頃から考える子供だった。なぜ学校に行くのか、なぜ葉っぱは緑か、など… でも、大人は答えをくれなかった。 その後進学校に進んでも周囲の反応は同じ状態だった。 やがて、学校の外に居場所を求めるようになり、NPOに所属したりベンチャー企業でインターンシップをしたりする中で、「起業は物事を考えないとできない仕事。感覚が近いかも。」 自分が好きなことに挑戦しつつそれを仕事にして、「やりたいことをやりながら、ご飯も食っていきたい」
 (このビジネスコンテストの大賞賞金とは100万円との事だが)、この元手で、来月会社設立の現実に向けて、発達障害者である当該若者は本格的準備に着手するらしい。
 (以上、朝日新聞記事より要約引用。)


 ここで一旦、原左都子の私事に入ろう。

 昨日、郷里にて一人暮らしの我が実母から電話があった。
 その内容とは、米国在住の我が実姉の“我がまま”に困惑しているとの趣旨だ。 我が姉は既に還暦を過ぎた年齢なのだが、我がまま放題の人生を貫いた挙句未だに母に電話で醜態を晒している現実のようだ。
 その母からの電話に私応えて曰く、「あなたが平均寿命に達しようとしている現在に至って、何で60過ぎた娘の我がままを聞いてやってるの! 『いい加減にしろ!』と一言放てば済む話でしょう!」
 ところが親とはたとえ実子と言えども、相手に得手不得手があるのだ。 
 次女の私に対しては好き勝手言える母が、その後電話で私に言うには、「あんたの娘と電話で話すとちょっとおかしいよ。 あれで大学卒業した後就職できるの??」
 この現象に関して私から説明しよう。 要するに我が母にとって長女である米国在住娘の事を、次女である私から非難されたことが癪に障ったのだろう。 その復讐行為として、(自分にとって孫に当たる)我が娘の欠点を私相手に言い連ねたものと直ぐに分析出来た私だ。

 そんな事に私が動じる訳もない。「あんたの心配には及ばないよ。我が娘は多少の個性は抱えているものの、今後世の中を十分に渡っていける教育を私が日々施しているよ。 それよりも、あなたこそ長女の教育を20歳までにきちんとするべきだったんじゃないの? それが出来てないから、未だに米国から我がまま放題の電話が来るんでしょ!」


 原左都子の娘が出産時のトラブルにより産まれ持って抱えている事情に関する表面的瑕疵現象に関しては、当該エッセイ集に於いて小出しにしてきている。
 (例えば、人とのコミュニケーション能力に関して苦手意識を抱えている事は事実であり、上記の祖母との事例ように、相手と直接相対しない電話での会話などその特質が表出するかもしれない。)

 ただ重ねて言うが、私は娘本人の真なる成長を願いたいがために、娘小学校2年生以降は本人が抱え持つ事情に関して、たとえ学校現場とはいえどもその「医学診断名」を決して表ざたにしていないのはもちろんのこと、本人にも一切告げていない。
 それを表ざたにする事による娘の将来に及ぶ“弊害”こそを回避するべきとの結論に達したからだ。


 さて、冒頭の朝日新聞記事に戻ろう。
 
 今回「ビジネスプランコンテスト」にて大賞をゲットした20歳の青年とは、自分が「発達障害者」である事を自覚しているようだ。 
 と言うことは、おそらく親がその旨本人に伝えたのであろう。 そして私の想像によれば、それを親から世間にも吹聴する事により、(失礼ながら親こそが)障害者社会保障特例に依存する等の手段で楽をしたかったのではなかろうか?
 しかもこの家庭は、発達障害児である子供を慶応大学に入学させる程の経済力や縁故力もありそうだ。 更には、今回「ビジネスコンテストグランプリ」大賞に息子を輝かせた事実も、その後朝日新聞に取り上げさせた実態も、すべて親の“コネ力”ではないかと私は勘ぐっている。


 最後に原左都子の私論で締めくくろう。

 私に言わせてもらうと、「発達障害」とは、今尚医学的にその病態すべてが解明出来ているとは言い難い「障害」分野ではあるまいか? しかもその病態の程が個々により千差万別であるのも、この障害の特徴であろう。

 もしも自分が産んだ子供に多少の不具合があり、それが医学関係者の判断で「発達障害児」に分類されたとて、親自身の能力範囲で育てられる自負があるならば、その子を「障害者」の位置付けから外し“普通の子”として成長を見守ってみては如何だろうか?

 一番危険なのは、自分の子供に対して親自身から「あなたは発達障害児だ」と認識させてしまうことだと私は結論付ける。
 何故ならば、発達障害児とは他者より秀でた高い能力をも有している一面があるからだ。 その能力こそを、外部機関に頼る前に親こそが見抜き大事に育成するべきである。

 “ちょっと変”との世の馬鹿げた信憑性のない批判や中傷など、本人の高い能力部分と親の愛情及びバリア力でかわしつつ方向性を誤りさえしなければ、この世で健全に生き抜いていけるものと私は信じている!

STAP論文すべて撤回で、今後の小保方氏の行く末は?

2014年06月04日 | 時事論評
 去る5月28日時点で、英科学誌「ネイチャー」に掲載されたSTAP論文の一つに対し、主要著者の一人がネイチャー誌に撤回を申し入れ、これに小保方晴子氏も同意したとのニュースが報道された。

 ところがその時点では、小保方氏は理研調査委より不正が認定され撤回を勧告されている主要論文について、未だ撤回には応じていなかった。


 そして、本日(2014.6.4)昼のNHKニュースによると、やっと小保方氏は全てのSTAP論文について撤回に同意したとの報道である。
 そのニュース内容を、ネット情報を引用して以下に紹介しよう。
 STAP細胞の問題が1つの節目を迎えた。 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、STAP細胞の主要論文の撤回に同意した事がわかった。 全ての著者が同意すれば、研究成果は白紙に戻ることになる。
 小保方リーダーが撤回に同意したのは、STAP細胞の作製方法や万能性について記した主要論文で、理研の調査委員会が不正を認定し撤回を勧告していた。 理研広報等によると、小保方リーダーは共著者の山梨大学の若山照彦教授から撤回の申し入れを受け、話し合いを続けていたが、6月3日、小保方リーダーが共著者の丹羽仁史プロジェクトリーダーに書面で同意する意思を伝えたとのことだ。
 「気持ちの上では『最後まで撤回したくない』と。 正常な判断能力のもとで同意したのかどうか(わからない)」と語るのは、小保方リーダーの代理人 三木秀夫弁護士。
 (6月4日 13:38発信のネット情報より引用したもの。)


 昼食中にちょうど上記HNKニュースを見聞していた元医学関係者の私と、元物理学研究者(生物物理が専門で過去に科学誌「ネイチャー」に論文を掲載した経験のある)身内との間で、“STAP細胞及び小保方氏ないし理研の行く末”談義と相成った。

 身内曰く、「今回のSTAP細胞研究に関する外部組織(理研横浜研究所も含め)調査の結果、STAP研究内容に関する捏造の程が半端でないレベルでボロボロ状態だったようだ。」 
 私応えて曰く、「それにしてもその突拍子もない捏造の数々を小保方氏が一人で実行したとすれば、物凄い悪党だよね? そうではなく組織的犯罪じゃないの? むしろ、小保方氏は一下っ端研究者として利用されただけのような気もする。 そもそも、小保方氏とは捏造を企てられるレベルの科学的基礎能力すら欠如していると思うのだけど。 そうした場合、当然ながら“グル”でSTAP細胞を世に発表せんと企んだ陰の大物達も罪に問われるべきだよね。」
 身内曰く、「恐らく小保方一人を理研懲戒免職として理研上部は済ませると思うよ。 後の理研上司達は、せいぜい厳重注意程度で理研を生き残るだろう。 今回のSTAP騒動の場合、理研巨大組織のうちの一機関に過ぎない“理研神戸研究所”が引き起こした事件との解釈も出来るであろうし。」
 私曰く、「それにしても小保方氏はリーダーの立場で研究室を統制していたようだけど、そこに所属していた下位の研究者達がSTAP研究の捏造に気付かなかったのだろうか?? 研究室内には小保方氏同様にSTAP細胞作成に成功した者も存在するとの話もあるが。」
 身内曰く、「それらの下っ端の研究者とはおそらく大学院生等の“素人範疇研究者”だよ。 小保方に指示されるままに、実験操作のみ担当しただけだよ。」
 私曰く、「たとえ研究者の卵と言えども、大学院生レベルで(小保方の下位研究者を甘んじようとの)それ程の専門力の無さで理研に所属したとて、この後の科学者としての人生が繋げるとは思えないね。」
 我が家庭内での議論はまだまだ続行したのだが…… 


 ついでに言うと、小保方晴子理研研究室リーダーより私費にて雇われている 三木秀夫弁護士にも我らの議論は及んだ。
 私曰く、「三木氏との弁護士氏は弁護士界では有能で名高いようだが、どうもこと科学分野に関しては“ド素人”感を露出しているのみの印象だね。 今後もまだまだこの調子で小保方弁護を続行するのだろうかね?」
 身内曰く、「そう思うよ。 小保方理研懲戒免職処分時には、三木弁護士は本来の弁護士能力を発揮して理研相手に小保方氏の地位を確保するべく頑張るだろうね。」
 私曰く、「小保方氏は理研の末端部分“神戸研究所”所属に他ならないにしても、やはり上司の責任を問うべきだし、せいぜい三木弁護士には小保方氏のみならず理研上部の責任も問うてもらってその処罰を厳重にして欲しいものだね。」


 最後に私論でまとめよう。

 小保方STAP論文に関する話題を、私はここ数カ月間に及び数多く「原左都子エッセイ集」にて取り上げ公開してきている。
 その発端を紹介しよう。 STAP論文がメディアに取り上げられ世が大騒ぎしていた当初、私はこの“一過性”とも捉えられる一ネイチャー論文に関して冷淡な反応をしている。
 2014.2.3 公開の「実験好きと理系頭脳とは相関しうるのか?」なるエッセイの一部を以下に紹介する。
 つい先だって、理化学研究所の研究員であられる小保方晴子氏(30歳)が、マウス動物実験に於いて新型万能細胞であるSTAP細胞の作成に成功した事実が世界中で報道された。  現時点では未だマウス動物実験結果に過ぎない段階の「STAP細胞」に関する私見を公開することは差し控え、この実験の成果が一段階進捗した時点で、元医学関係者である原左都子の私論を公開したいと考えている。
 (以上、我がエッセイ集バックナンバーより一部を引用。)

 今年2月当時のニュースに登場した、小保方氏を今尚鮮明に記憶している。 
 小保方氏は満面に笑みを浮かべ、「STAP細胞は簡単に出来ました! 偶然出来ました!」 
 その受け答えに、私は当初より疑義を抱いたのだ。  科学研究には確かに“偶然性”がつきものであることは私も認識している。 それにしても、この女性は何故その偶然性に関して何らの検証もせずして「ネイチャー」に論文を投稿し、はたまたその論文を「ネイチャー」が認めたのか!??


 結局、その結果が数か月後の今になって表出してしまった。
 STAP論文すべて撤回、との日本科学誌に於ける歴代稀なる不祥事として。

 さて、小保方STAP論文にかかわった理研上部や諸研究者の皆さん、この責任を小保方氏のみに転嫁して済む訳がないと心得ていらっしゃるのだろうか??

 と同時に、小保方晴子氏本人も今後どう身を振りましょうかね???

サクセスストーリーとは、今の時代世の反感を煽る

2014年06月02日 | 時事論評
 いや決してそうではなく、「サクセスストーリー」も主人公のサクセスゲットまでの道程を丹念に緻密に描けたならば、世の反感を煽らずに済むのかもしれない。


 今回の「原左都子エッセイ集」では、久々にNHK連続テレビ小説を取り上げる。

 と言うのも第82回「ゲゲゲの女房」以来、(一部を除き)NHKドラマシリーズがテレビ視聴率上位をゲットし続けているためである。
 それまで、このドラマシリーズは視聴率低迷を強いられていた。 私自身の記憶でも、「ゲゲゲ…」以前は一体如何なる題目のドラマを放映していたかをすぐには思い出せない程、人々の記憶から忘れ去られていると言うのが現実であろう…。


 さて、それでは原左都子の観点から「ゲゲゲ…」以降のNHK連続テレビ小説に於いて、主人公のサクセスゲットに関し十分描写し切れたと評価するドラマを以下に列挙しよう。

 まずは、まさに82回「ゲゲゲの女房」である。
 松下奈緒氏主役の、漫画家水木しげるの女房役が実に好演だった。 連続テレビ小説にしては珍しく「主婦」を主人公に取り上げたドラマだったが、松下氏は何らの勘違いもせずして、向井理氏演ずる漫画家の夫を常に目立たずに陰で支えつつ、控え目な主婦役を半年間に渡って演じ切ったとの感想を私は持っている。
 これぞドラマの時代背景も勘案した場合、正当な「サクセスストーリー」であろう。

 そして、85回「カーネーション」は実に圧巻だった。
 尾野眞千子氏が熱演したコシノ3姉妹の母親役は、今尚皆さんの脳裏にも刻まれている事であろう。 

 三つ飛ばして、前回放送の89回「ごちそうさん」の主役を演じた 杏氏も好演だった。 
 このドラマに関しては、実は私は当初懸念感を抱いていた。 と言うのも、杏氏とは大物役者の娘、しかもドラマ初期設定が洋食屋の呑気な娘役。 一体この天然質娘のサクセスストーリーを如何に描くのか半ば落胆しつつドラマの行方を見守っていた。 ところが、この物語は杏氏演ずる主役をあくまで“天然質”観点から描き通した事で成功を勝ち取ったのではないかと、私は評価している。


 それでは、いよいよ話題を現在放映中の「花子とアン」に移そう。 

 まずは、主役である吉高由里子氏を今回の連ドラ主役に抜擢した理由をNHKに問いたい思いだ。
 申し訳ないが、このドラマを見るまで私はこの女優氏を全く存じていなかった。 確かにお顔は美しく古来の日本美人の範疇と捉えられる事には異論はない。
 ところが今時の女優氏にして身長が低そうだ。 傍役の女優氏と対面する場面でも、低身長故に下から目線でセリフを発しねばならない場面を見せられて、痛々しくもある…。 これがもしも葉山蓮子役の(既にベテラン女優域にある)仲間由紀恵氏ならば、低身長とて許されるであろう。 
 という訳で、主役をゲットした吉高氏にとっては、おそらくスタートラインから“重荷”の現場だったのではなかろうか。

 しかも、子役「はな」とのギャップ差が大き過ぎた。 確かに子役「はな」は貧乏小作農家に生まれたとの役柄にマッチする外見だった。 
 ただしドラマ当初より、主役 はなが「神童」である事実に関してNHK脚本は説明責任に欠けていた。 行商を営む父親が身勝手にはなを給付生として東京の名門女学校に入れると言えども、もっと現在の庶民にも分かり易く、はな が名門女学校で特例を受けられる理由に関してドラマ内で説明するべきだった。

 さらには、時代が吉高氏演ずる大人の はな に移ろいだ後にも、はな の実力の程がさほど描かれていないのだ。 所属した女学校では はな は英語だけは得意だったとのことだが…。
 女学生時代に一時所属した出版社で英訳の仕事を“少しばかり”したとの実績のみで、結局 はな は郷里である甲府に戻り、小学校の教師をしているとの現在のドラマの現状である。


 ここで原左都子の私論に入ろう。

 そりゃそうだろう。
 現時点での主人公 はな に、一体全体如何なる能力があるというのか?
 その回答とは、ド田舎小学校の教師でもする以外、何もないというのが実態だ。
 そんな身分で地元地主の息子の嫁など務まる訳もないであろう。 これは破談になって正解である。

 と言うことは、今後こそ「花子とアン」の主人公である はな に、素晴らしいまでのサクセスストーリーに向けた精進の過程が期待できるということであろうか?
 はな はゆくゆくは「村岡花子」との著者名で「赤毛のアン」を翻訳するらしいが、それまでのサクセスストーリーを、NHKはドラマ内で視聴者が納得できるレベルで丹念・緻密に描いてくれるのであろうか??

 
 最後に原左都子の私論に入ろう。
  
 第90回 NHK連続テレビ小説「花子とアン」は、一応私にとってもある意味で面白い事には間違いない。
 ただその面白さが、今のところは主人公 はな ではなく、脇役の葉山蓮子さまや、お兄ちゃんの吉太郎、はたまた、お隣の朝市に向いていることを伝えておきたい。
 これら登場人物の生き様(及びその熱演)に支えられつつこのドラマが高視聴率をキープしているのだと、私は分析している。 (故に、上記3人が出演しない日は実につまらない…

 今後は、当然ながら主人公である はな のサクセスストーリーの程を、今時の視聴者が納得できる高いレベルで描くべきだ。

 今年9月末まで、後4か月もの長きに渡り続くNHK連続テレビ小説である。
 どうか、吉高由里子氏との(私にとっては今回のドラマで初めて知った)女優氏の将来を繋ぐためにも、NHKは(その採用責任側として)精進するべきであろう。