朝鮮日報の記事です。
恋愛や消費に消極的で、夢も希薄な若者を指す「草食系」という言葉は、
日本では否定的な意味を持つ。
この言葉は、現実に安住し、留学も海外勤務も避け、
デモもしない日本の青年たちの特徴を表現する新造語だ。
しかし最近、草食系は「ポスト成長時代に適応した青年モデル」だとする
肯定論が持ち上がっている。
これは、みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストが
最近『「草食系」はバランスシート(貸借対照表)調整の「進化型」』と
いうタイトルの論文のなかで展開したもの。
高度成長期は期待水準が高まり続け、
冒険を楽しむ肉食系が主導する世の中だったと分析。
高度成長期には、インフレの中で負債を活用する
攻撃的な投資(レバレッジ)が盛んに行われた。
日本も、出世や金のためなら困難をいとわない
「エコノミック・アニマル」型サラリーマンが主流だった。
ところが、過去20年続いてきた低成長の中で、
高度成長期の行動様式に従ってきた肉食系は挫折を繰り返し、
最終的に草食系へ進化したという。
社会学者の古市憲寿は最近、著書『絶望の国の幸福な若者たち』を通じ、
日本の若者の70%が現在の生活に満足している など、
過去40年に渡る調査の中で最も幸福度が高いと主張した。
長期不況に適応し、期待水準そのものを低くした草食系の若者が増えたせいだ。
高田は、前掲論文で、米国や欧州の場合、構造的に
低成長経済体制になったにもかかわらず、
政府が肉食系の有権者を満足させるため、
不動産や金融バブルを利用して強引に高度成長を維持することから、
結局はバブル崩壊という破局を迎えていると主張する。
たしかに民主党政権のジレンマのひとつに、
依然として高度成長期の幻想にとらわれている国民の期待に応えるため、
財政赤字の拡大や、減税政策など、ポピュリズム的政策を
展開していかざるを得ないという現象がある。
こうした現象は、ある面で、政治の無能にも原因がありそうである。
何事も表があれば裏。万事塞翁が馬かな・・・
でも、こう考えれば、あまり暗くならずにはすみそう。
少子化でも、光と影があるのでしょうね。