これほどまでに専門家予想を覆した日本の勝ち上がり原因は、何人かの個人ではなく、誰でも分かるようにほぼ全員。それも、直近の過去からのこんな激変は、もう論理的に「組織が変わった、改善された」としか言いようがない。
敵陣深く入って敵を間延びさせる役割をも担った大迫は、同時に競り合いにも勝ってボールを落とし、得点も決めた。柴崎は持ち前のゴール直結性(これは、いわゆる「パス回し」ではない。いわゆる「パス回し」など問題外の宝物である。ブラジル大会で遠藤や本田が言っていた「しつこいくらい回す俺らのサッカー」と言うパス回しなど、敵の守備網の時々の弱点を直感できる広い視野を持った柴崎には無用のものなのである)の上に中盤守備にも自身かってないような強さを見せた。前後をつないで攻守組織作りを指揮した長谷部はパスも通したし、上下激走を繰り広げた左右のウイング、サイドバックがまた特に攻守に効いていたもの。サイド崩しは、ザックもハリルも強調してきた、カウンターの危険が少ない最先端の攻撃法である。
それにしてもあれほど強くて速いセネガル相手に負けなかった組織改善とは、いったい何だったのか。セネガルのシセ監督でさえ、こう言っていたのである。
「日本の方が上だった」
① 速さもパワーも凄まじいセネガル相手でさえ、まず何よりもデユエルの数字がほとんど勝勢を示した。なぜこれができたのか。
② ①の原因はこれだ。コンパクトにまとまって、かつコレクティブな陣形を作れたからこそ、相手ボールへの寄せがより速かったこと。よく言われるコレクティブというのは、全員協力的とでも言おうか、陣地全体がコンパクトにまとまってこそ良い距離感で攻守の連携、その速い切り替えができるという意味である。陣地を前後どちらに置こうがそういう組織ができたということだ。
③ このようにブラジル大会の敗因になった間延びが出なかったのは、前後陣に信頼関係が保てたということだ。前は後ろの押し上げを信じて敵の好パスを塞ぎに行く。後ろは前のパス制限を信じて、どんどん押し上げる。そういう、選手間の心の好循環が、コンパクト組織を可能にしたわけである。
④ そうして取ったボールは、こう運ばれていた。敵陣を横に広げている左右ウイングや攻め上がったサイドバックに入れて、あるいはそこに香川、柴崎も加わって、横から崩していく。あるいは、柴崎を通じてゴール直結のスルーパスが前へ、あるいはゴールに近いサイド崩しへと。強力なサイド崩しは、逆方向に得点チャンスを生みだしていくという定石である。なお、コンパクトかつコレクティブなボール奪取を信頼できてこそ、柴崎がゴール目指した大胆なパスも入れられるというもの。攻守の好循環である。
このようにして、組織的なヨーロッパ強豪国相手に好ゲームを演じることたびたびという歴史を持つ代表が、そういう最先端組織を本番で作ることに成功したのだった。それも、苦手な南米勢にはほとんど初めて、および、アフリカ勢としては組織的にも強力なセネガル相手に。
本日ポーランド戦も、この組織戦で勝勢になるのが目に見えるようだ。ここまでレパンドフスキーにボールが回らないポーランドは、この組で最もコンパクト守備組織が弱いことを示しているからである。ただし、ドイツを負かした韓国の恐るべき意地のようなものをポーランドに体現されることだけはないように。今夜も前2ゲームのように前後を緊密につないで、攻守の切り替えの指揮を執って来た長谷部の力量に期待する。彼と柴崎の代わりだけは居ないはずである。
敵陣深く入って敵を間延びさせる役割をも担った大迫は、同時に競り合いにも勝ってボールを落とし、得点も決めた。柴崎は持ち前のゴール直結性(これは、いわゆる「パス回し」ではない。いわゆる「パス回し」など問題外の宝物である。ブラジル大会で遠藤や本田が言っていた「しつこいくらい回す俺らのサッカー」と言うパス回しなど、敵の守備網の時々の弱点を直感できる広い視野を持った柴崎には無用のものなのである)の上に中盤守備にも自身かってないような強さを見せた。前後をつないで攻守組織作りを指揮した長谷部はパスも通したし、上下激走を繰り広げた左右のウイング、サイドバックがまた特に攻守に効いていたもの。サイド崩しは、ザックもハリルも強調してきた、カウンターの危険が少ない最先端の攻撃法である。
それにしてもあれほど強くて速いセネガル相手に負けなかった組織改善とは、いったい何だったのか。セネガルのシセ監督でさえ、こう言っていたのである。
「日本の方が上だった」
① 速さもパワーも凄まじいセネガル相手でさえ、まず何よりもデユエルの数字がほとんど勝勢を示した。なぜこれができたのか。
② ①の原因はこれだ。コンパクトにまとまって、かつコレクティブな陣形を作れたからこそ、相手ボールへの寄せがより速かったこと。よく言われるコレクティブというのは、全員協力的とでも言おうか、陣地全体がコンパクトにまとまってこそ良い距離感で攻守の連携、その速い切り替えができるという意味である。陣地を前後どちらに置こうがそういう組織ができたということだ。
③ このようにブラジル大会の敗因になった間延びが出なかったのは、前後陣に信頼関係が保てたということだ。前は後ろの押し上げを信じて敵の好パスを塞ぎに行く。後ろは前のパス制限を信じて、どんどん押し上げる。そういう、選手間の心の好循環が、コンパクト組織を可能にしたわけである。
④ そうして取ったボールは、こう運ばれていた。敵陣を横に広げている左右ウイングや攻め上がったサイドバックに入れて、あるいはそこに香川、柴崎も加わって、横から崩していく。あるいは、柴崎を通じてゴール直結のスルーパスが前へ、あるいはゴールに近いサイド崩しへと。強力なサイド崩しは、逆方向に得点チャンスを生みだしていくという定石である。なお、コンパクトかつコレクティブなボール奪取を信頼できてこそ、柴崎がゴール目指した大胆なパスも入れられるというもの。攻守の好循環である。
このようにして、組織的なヨーロッパ強豪国相手に好ゲームを演じることたびたびという歴史を持つ代表が、そういう最先端組織を本番で作ることに成功したのだった。それも、苦手な南米勢にはほとんど初めて、および、アフリカ勢としては組織的にも強力なセネガル相手に。
本日ポーランド戦も、この組織戦で勝勢になるのが目に見えるようだ。ここまでレパンドフスキーにボールが回らないポーランドは、この組で最もコンパクト守備組織が弱いことを示しているからである。ただし、ドイツを負かした韓国の恐るべき意地のようなものをポーランドに体現されることだけはないように。今夜も前2ゲームのように前後を緊密につないで、攻守の切り替えの指揮を執って来た長谷部の力量に期待する。彼と柴崎の代わりだけは居ないはずである。