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トランプという人間  文科系

2018年06月12日 14時52分24秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 トランプの理不尽が、世界を騒がせている。唯一関心を示している朝鮮対策でさえ、「ノーベル賞狙い」と、僕は観てきたほどだ。そういう彼流のポピュリズム選挙対策ということなのだが、とにかくこれだけは言える。彼の動向が見ていなければ、日本の政治経済の目の前の先行きさえ分からないと。
 アメリカでベストセラーになった最初のトランプ本「炎と怒り」をこの4月にここでないよう紹介した。4月8~16日の間に6回連載で。 その最終回分を、ここに改めて再掲したい。

【 トランプという人間(12)「炎と怒り」の総集編⑥  文科系  2018年04月18日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など

 今回を、この本の内容紹介最終回とする。以下は、この書評第4回目「この本の輪郭」とも重複する部分もあるが、要するに粗筋、概要、結論ということだ。

①大統領としてのトランプは、こんな事をやった。
・地球温暖化対策の枠組みから抜けた。
・エルサレムを首都と認定し、シリアを爆撃し(この4月で2回目である)、サウジの皇太子交代(宮廷革命?)にも関わってきたようだ。
・メキシコとの国境に壁を築き、移民に対して厳しい施策を採るようになった。
・ロシア疑惑によって、コミーFBI長官を解任し、モラー特別検察官とも厳しい関係になっている。
・続々と閣僚、政権幹部が辞めていった。

②これらを推し進めたトランプは、こういう人物である。
・知識、思考力がないことについて、いろんな発言が漏れ出ている。「能なしだ」(ティラーソン国務長官)。「間抜けである」(財務長官と首席補佐官)。「はっきりいって馬鹿」(経済担当補佐官)。「うすのろ」(国家安全保障担当補佐官)。
・その代わりに目立ちたがりで、「他人から愛されたい」ということ第1の人柄である。マスコミの威力を信じ、これが大好き人間でもある。
・対人手法は、お世辞か恫喝。格上とか商売相手には前者で、言うことを聞かない者には後者で対する。大金持ちの父親の事業を継いだ後、そういう手法だけで世を渡って来られたということだろう。
・反エスタブリッシュメントという看板は嘘で、マスコミと高位の軍人、有名会社CEOが大好きである。よって、閣僚にもそういう人々がどんどん入ってきた。

③本人に思考らしい思考も、判断力もないわけだから、政権を支えていたのは次の3者である。スティーブ・バノン他ボストンティーパーティーなど超右翼のネット人間。共和党中央のごく一部。そして娘イヴァンカ夫妻(夫の名前と併せて、ジャーバンカと作者は呼んでいる)である。トランプへの影響力という意味でのこの3者の力関係は、30代と若いジャーバンカにどんどん傾いて行き、前2者の顔、バノンもプリーバス首席補佐官も1年も経たないうちに辞めていった。つまり、トランプ政権とは、「アットホーム」政権、家族第一政権と言える。なお、二人の息子もロシア疑惑に関わる場面があり、アメリカではこれも話題になっている。

④よって、期せずして棚から落ちてきて、何の準備もないままに発足した政権の今までは、言わば支離滅裂。選挙中から「アメリカファースト、外には手を広げない」という右翼ナショナリズムが戦略枠組みだったのだが、エルサレム首都宣言によってアラブの蜂の巣をつつくし、発足3か月でシリア爆撃も敢行した。ロシア疑惑でコミーFBI長官を解任して、大変な顰蹙も買っている。閣僚幹部はどんどん辞めていく。「馬鹿をさせないために側にいる」位置が嫌になるいう書き方である。

⑤こうして、この政権の今後は4年持つまいというもの。ロシア疑惑が大統領弾劾につながるか、「職務能力喪失大統領」として憲法修正25条によって排除されるか、やっとこさ4年任期満了かの3分の1ずつの可能性ありと、バノンは観ている。

 なお、何度も言うようにこの本の執筆視点は、バノンの視点と言える。全22章の内4つの題名に彼の名がある上に、プロローグとエピローグとがそれぞれ「エイルズとバノン」、「バノンとトランプ」となっているし、そもそも内容的に「バノンの視点」である。ちなみにこのバノンは今、次期の大統領選挙に共和党から出馬しようという意向とも書いてあった。


 以上長い連載を読んで頂いた方、有り難うございました。これで、このトランプシリーズは終わります。なお、外信ニュースによるとコミー元FBI長官がトランプに解任されたいきさつなどを書いた本を最近出したそうです。日本語訳を楽しみに待っている所です。 】
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ニシノジャパン(17)今夜、パラグァイ戦への希望  文科系

2018年06月12日 14時35分35秒 | スポーツ
 今日最後のテストマッチ。弱い日本の思い切った組織的戦いが見えるかどうか、こんな内容を期待するということを書いてみたい。先ず初めに、ここまでの戦いへの選手たちの意見から、僕が注目する選手の、賛成できる意見を挙げてみる。

 まず、先陣を切っていた大迫。
『守備に走らされて、ボールを奪ったときには前に行く力が残っていなかった。あれでは30分で死んでしまう』
 ついで、ドリブルが得意な乾にして、この嘲笑うような表現はどうだ!
『狭いエリアを崩すことに固執しすぎ。フットサルじゃないんだから。サイドからは崩せていた時があった』
『バルセロナのような繋ぐやり方で勝つのは今の日本では無理。攻撃的守備から入るべき

 最後が「ゴール直結性」をこそ常に求めてきた柴崎、彼のこの表現・思考は監督批判のようにさえ見える。
『攻撃面の整理ができていない。サイドからは崩せていた』
 僕が好きな原口が、柴崎とは反対にこう語っているのも面白い。。
『守備さえきちんとしていれば、攻撃は何とかなる』 
そして、キャプテン長谷部は、 
『一言でボールが獲れてない。これが一番の課題。良い位置でボールが獲れなければ、敵陣への3分の1の所が、結局上手く行かないということ』

 こうして、まとめてみると、今夜に向けてはこういう期待内容が浮かんでくる。
① 苦手な押し上げたコンパクト守備を必要な時に敷けることが、大前提。リトリート防御布陣をハリル時代より多くとっても、これができなければまた負けるだろう。上の大迫、乾、原口、長谷部らが語っていることは、まずそういうことである。
② 得点戦略については、ラインを上げたコンパクトプレスを前提として、サイド攻撃や抜け出し狙いということになる。今の日本の実力では敵守備がそろった所への中央突破などは疲れるだけでなくカウンター失点の原因になるのだから、ライン押し上げができなくなる理屈。これがスイス戦の敗戦原因と観て良いほどである。
③ サイド攻撃には、原口、乾、長友、酒井宏樹がそろっているのだから、その成算は十分あると思う。左右どちらかから2~3人で攻めて、逆サイドで仕留める。これは、敵守備陣を左右どちらかへばらけさせるという意味もある。
 抜け出し狙いも、左右前後へ敵をばらけさせてこそ成功率が高くなる。その上でならば、柴崎から香川、岡崎へなどで、これも十分に成算がある。


 選手たちはどう思っているかしれないが、今の日本は一時より随分弱くなっている。何せ世界順位がこの7年ほどで50位も下がったのだから。ところが、この原因が本田などを筆頭にまるで見えていないと思えてならないのである。弱さを自覚した、特に守備に対して謙虚な戦い方を期待する。選手個々人の力は、ドイツ大会はともかく、10、14年両大会よりも世界基準でずっと高くなっているのでから、これにあった世界基準組織ができるか否かだけが問題なのだと愚考した。

 僕としては、原口、岡崎、柴崎に期待し、守備はやはり長谷部、山口に期待したい。この二人には遠くが見えたパスなどは期待しない。前との連携でライン押し上げと「組織的潰しの組織者としての潰し屋」とだけを期待する。 あとは、ショートパスで結構なのだ。ハリルが言うように、世界的に急発展を遂げている組織的かつ攻撃的潰しが遅れたから、この7年で50位も順位を下げたのである。そこが見えていない評論などはお話にならないと観てきた。
コメント (1)
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