授業前の時間に事務仕事をやっつけようと一人で頑張っていると、 様々な売り込みがやってきます。 直接来る人もいれば、電話でくる人も。自販機を置きませんかとか、新聞を取ってくれませんかとか、看板を塗り替えませんかとか、 新しい塾のシステムを導入しませんかとか。 時には「私は優秀ですから塾講師に雇ってくれませんか」と言ってくる人もいます。この前は、「当社は全国何百社もの福利厚生をサポートしています。この度、その一環として学習塾さんにその会社に勤める方のお子さんを紹介することになりました。費用を負担してくれれば、その学習塾の中にこちらの塾さんも加えてあげられるんですが」という趣旨の売り込みも。
こうした売り込み、時には少し話を聞くこともありますが、 大抵の場合は丁重にお断りします。仕事のペースを乱されることに 若干の 苛立ちも覚えます。
出勤前に家で事務仕事をやっつけてからにしようかとしていると、家にも来ます。前に何かで読んだことがありますが 、とうとううちにも来たのが 「近所で工事をしてるモンですがね。ちょっと見たらお宅の屋根が少し傷んでますけど見てあげましょうか。安くしてやってもいいですよダンナ」と言ってズカズカと玄関の中に入ってきた何やら怪しげな作業服のオヤジ。 髪は金色、首にもビカビカの金色のネックレス。手首にはこれ見よがしのロレックス。やれやれ、こんなところにも仕事の邪魔をしに来たかとムッとした私は言いました。
「お前本当だな⁉️近所?どこで工事してるんだよ!言ってみろ!住所はどこだ!名前は何だ!うちの屋根がどう傷んで見えるって言うんだ!え?どこがどうなってるって?はっきり言ってみろ!死にたいんか、お前‼️」と、言っているうちに次第に声も大きくなって、言っている自分でも訳のわからない雑言が荒くなってきたのを見て、その腱膜に驚いたか「わわわ、わかりましたよ、すいませ~ん」と言って小走りで退散していきました。