昔、中学の卒業式で、校長先生が卒業して行く私たちに贈る言葉として 「沈黙は金」という言葉を 教えてくれました。
「 中学を卒業して成長する君たちは、もう半分大人に近くなったのだから、 言うことには気をつけなさい。時には 黙っているということも必要です。余計なことは言わないように」というような趣旨であったように覚えています。
損保に勤務するようになったある時、上司からこんなことを言われました。
「 積極的に発言しろ。 黙っていると誤解されることがあるし、それに対して抗弁しなければそれを認めることになる。 もっと自分を全面に出せ。意見を言え。自分をアピールしろ」
今思い出しました。中学校の時には、 こんなこともよく言われました。
ある先生が「誰とでも仲良くしなさい。友達を選ぶことはよくないことだ」と。
また別のある先生がこんなことを言いました。「友達は選びなさい。自分を成長させてくれる友達だけを選びなさい」と。
私たちは 友達同士で「一体どっちが本当なんだよ」などと言い合ったことを覚えています
このように大人は 時に 正反対のことを言います。 今思うと、正反対のように聞こえても そういうことではないと思いますが、 仮に今、子供たちが同じことを言われたとすると、判断力が未熟な子どもたちは、どちらをとったら良いのか迷うことも少なくないのではと思います。
今 思うのは、大人の私が子供達に向かって発する言葉に、一層の責任を持たなくてはいけないということです。多分これまで数え切れないほどの誤解や混乱を与えまくってきたに違いない慚愧の念頭と共に。