詳細な調査をしたわけでもなく、データを集めて分析したわけでもないので、それを承知で書きますが、極端に勉強が苦手な子の多くは、 日常、家の中での手伝いというのもあまりしていないというのが、 これまでの塾経営の中でわかりました。
先日も、「またか」というものがありました。 ある生徒が 「お母さんが毎日遅くまで家事をしていて大変だ」というので、「そう思うなら君も手伝ってあげなさい。お風呂の掃除をするとか、買い物に行ってあげるとか」と言うと、彼はこう言いました。「お風呂の掃除の仕方を教わったことがないので わかりません。 買い物なんて、どこに行けば何を売ってるのかが分かりません。 だからお母さんもきっと、 わからないだろうから行かなくていいよって言うに決まってます」
何年か前、中学校3年生の男の子が「 先生、喉が渇いたので水をもらっていいですか」というので「いいよ。使ったコップは自分で洗っておいておいてね」と言うと、 彼は言いました。「コップの洗い方を教わったことがないので分かりません。 私が、「君はコップ一つ洗ったことがないのか。 聞かなきゃそんなこともできないのか」と言うと、「だって家ではいつもお母さんが やってくれるし、 ゲームの時間が減るじゃないですか」
目が点になると言うか、口あんぐりと言うか 。
どちらも 極端に勉強が苦手で、 学習塾ですから 精魂込めて教えはしますが、 思うに、苦手であり続ける理由の一端が、人から教わらなければ、自らは何をしようともしない、 自分では殆ど努力もしない、 苦労をしようともしない、そういう 態度が見て取れる辺りにも実は あるのではないか。そう 思ったものでした。 同時に、彼らが哀れに感じてなりませんでした。 こんなことも、巡り巡って 勉強に臨む態度、ひいてはその成果に繋がるんですよね。