荷物を整理していたら、『レ・ミゼラブル』日本初演時のチラシと再会しました。
中学時代の友人と二人で観にいきました。
滝田栄さんと鹿賀丈史さんのお二人がバルジャンとジャベールの二役、
岩崎宏美さんのファンティーヌ、その頃は物語の奥深さをわかっていなかったですが、島田歌穂さんの歌声に心がふるえたことを今でもおぼえています。マリウスは野口五郎さんでした。
もう一度観てみたいですね。
わかりやすくなってスピード感のある新演出も素晴らしいですが、照明を控えめにして、バリケードが盆の上に乗っかったまま回転するオリジナル演出も余韻を残してやはり忘れがたいです。
「旧演出のレミぜは白黒、アンティーク、暗いと言われたのは、照明も小さな劇場で使うようなシンプルで地味なもの、光をかなり落としていた。演出家のジョン・ケアードのこだわり。シェイクスピアの手法をとりいれている。さすが、ロイヤルシェイクスピアカンパニーの演出家・・・」
2013年9月27日の朝日カルチャーセンターでの、バルジャン役吉原光夫さんのお話でした。
「レ・ミゼラブル」の舞台装置は廻り舞台の「盆」(Revolution Stage)を使用しています。
盆の前方にいたものもステージが半回転すれば闇に包まれ、暗闇にいたものは半回転して光を浴びます。これはちょうど、バルジャンとジャベールが、囚人と看守という関係から、市長と警部という関係に「逆転」することや、コゼットとエポニーヌの関係の変化を表現しています。そして、学生たちは権力者に対して「革命」を起こすために盆の上のバリケードで戦います。
「暗闇の世界にいる者も、光の世界に導き出せる」という、ユゴーが「レ・ミゼラブル」に込めたメッセージを、舞台を回転させることによって演出しているのです。
もう一つの見どころは巨大装置。
第一幕ではパリの貧民街を描き出し、第二幕では、これが横倒しにされ合体、バリケードとして登場します。この巨大装置は鉄骨と木材で作られており、樽や柵、ドアなどが組み合わされています。どこに何があるか探してみるのも面白いかもしれません。このような舞台装置は、もともと帝国劇場にはないものであり、「レ・ミゼラブル」のためだけに舞台が設置されます。」
「「レ・ミゼラブル」は照明にも様々な秘密が盛り込まれています。特徴的なのは、役者に対して客席方向から真正面にあてる照明がないことです。そのかわりに、舞台のサイド6方向から角度が変えられる「フォロースポット」が、陰影をはっきり表現します。このフォロースポットは、7色のプリズムが中に入っており、その角度を変えることで色の表現を多彩にします。
登場人物が死ぬシーンでは、役者の体から白色光が飛び立ち、まるで魂が天国にのぼるような効果をもたらしています。もう一つの仕掛けは舞台上空に設置された「ライト・カーテン」。
小さな証明が列をなし、20色のフィルターにより一つ一つの色彩を変えています。
また、スモークマシーンで煙を焚いており、証明と合わさって刑務所や貧民街、パリの下水道の雰囲気を巧みに演出しています。」
2011年6月に帝国劇場でもらった「レ・ミゼラブルを5分で10倍楽しむガイド」より引用しました。
写真は2011年6月12日の帝国劇場、オリジナル演出千秋楽公演、初演時のキャストの皆さんが帝国劇場100周年を記念して出演された時のもので、げきぴあから転用しています。
鹿賀さんジャベール、
岩崎さんファンティーヌ、
島田さんエポニーヌ、
鳳蘭さんのマダム・テナルディエ
ガブローシュは清史郎君、初舞台で小さかったです。