「人生は、老年にいたって、ますます美しく、立派になることができ、またなるべきものである。しかし、より安楽になるわけではない。それどころか、前には生活に楽しさを添えてくれた多くの人びとがいなくなり、さまざまの興味も消えうせてゆく。そしてヨハネによる福音書21の28でイエスがペテロに語った言葉を思い出させるような、多くの事柄がおしよせてくる。たしかにわれわれは連れて行かれるのだ。しかもしばしば、自分が欲しないところへ、であって、決してのんびりした俗人たちのいだく老後の理想のように、仕合わせな子や孫たちに囲まれた心地よい安らかな生活へ、ではない。けれども、おそらく、ますます広い、すぐれた見識へ、と導かれるであろう。かくて「多くの人を怖れさせる死も、つねにわれらを元気づけ、目ざめさす呼び声」であり、慰め手であって、怖るべき姿をして現れるわけではない。」
「人間の生活は、神の恵みによって、また恵みの中にあって、堅固になっていないかぎり、えてして傲慢になりやすく、また意気沮喪しやすいものであって、しばしばこの一方の極端から直ちに他の極端へ移りさえするということは、まぎれもない事実である。だから、つねに祈りにたよって、自分の力を頼まぬことが、すべての地上の道のうちで、最も確実な道である。人間存在の一切の謎を解明し、しかも人生を一つの課題と見なし、それに満足すべき、結局幸福な解決を与えられうるような哲学など、決して発見されないであろう。人生は断じてそういうものではなく、まただれにとってもそれはそうではない。人生のかなりの部分はつねに暗く、かつ困難なものであって、この点について、だれも思いちがいをしてはいけない。そこで神への信仰がこの欠陥を埋めねばならない。ただこの信仰によってのみ、心の平安が生じ、真の幸福感が得られるのである。」
(ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために(第二部)』17-18頁より引用しています。)
まだ漠然としていますが小冊子を作ろうかと思います。
その時はよろしければ協力お願いします。
「人間の生活は、神の恵みによって、また恵みの中にあって、堅固になっていないかぎり、えてして傲慢になりやすく、また意気沮喪しやすいものであって、しばしばこの一方の極端から直ちに他の極端へ移りさえするということは、まぎれもない事実である。だから、つねに祈りにたよって、自分の力を頼まぬことが、すべての地上の道のうちで、最も確実な道である。人間存在の一切の謎を解明し、しかも人生を一つの課題と見なし、それに満足すべき、結局幸福な解決を与えられうるような哲学など、決して発見されないであろう。人生は断じてそういうものではなく、まただれにとってもそれはそうではない。人生のかなりの部分はつねに暗く、かつ困難なものであって、この点について、だれも思いちがいをしてはいけない。そこで神への信仰がこの欠陥を埋めねばならない。ただこの信仰によってのみ、心の平安が生じ、真の幸福感が得られるのである。」
(ヒルティ著、草間平作・大和邦太郎訳『眠られぬ夜のために(第二部)』17-18頁より引用しています。)
まだ漠然としていますが小冊子を作ろうかと思います。
その時はよろしければ協力お願いします。