たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

東京宝塚劇場再開

2020年08月18日 22時43分20秒 | 宝塚
 21日(金)からの公演再開が発表されました。194人検査して陽性判定者は一人、隣は日生劇場、道路を挟んで真向かいは帝国ホテルという大都会の真ん中、周辺は商業施設や飲食店、再開はむしろ歓迎されると思います。きっちり二週間中止して再開は予想通りのお知らせ。友の会で当選した7日のB席チケットは二度目の幻となりましたが生きていればまたいつか観劇できるチャンスはきっとある。自分のことはともかく東京宝塚劇場がまた息を吹き返す、それだけで嬉しいです。

 14日の帝国劇場、コンサート初日、劇場という空間が再び呼吸をしているという感覚に包まれました。キャスト、オーケストラメンバー、そしてわたしたち観客を「おかえり」「よく戻ってきたね、また会えたね」って迎えてくれているように感じました。劇場ってそんな場所、色々な想いを抱えながら集い、舞台という何百年も続いている究極のアナログにひととき集中する場所。不要不急とか、今どうしても必要なのかとか、そういうことではないのですよ。

 9月20日の千穐楽まで一カ月、今までよりもゆっくりペースでの公演、ライブビューイングで見届けたいと思います。無事に続くことを祈るばかり。本拠地が心配、9月5日千穐楽のライブ配信とライブビューイングのチケット販売見合わせを劇団はインフォメーションしていないから5日間だけでもやれるのかな。地域性もあるだろうし、再開できるのか心配。ディナーショーとミュージックサロンの無観客ライブ配信は宝塚にとって初めて。シアタークリエの無観客ライブ配信を経験したかぎりではアクセス数がキャストのみなさんに伝えられていたみたいで、画面の向こうでたくさんの方がみてくださっているんですよね、不思議な感覚ですと。やればやるだけ赤字なのかもしれませんが中止にしたらさらにきびしいし、気持ちが削げる。今の状況下でやれる最大限を劇団は尽くしていると思うので応援したいと思います。個人が特定されないように劇団は必死に生徒を守っているんですね、すごいよ。













日比谷シャンテステージ衣装展は『ロックオペラ-モーツアルト』でした。
ひっとん(舞空瞳ちゃん)の腰の位置の高さよ、娘役になるために生まれてきたよね。










『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』-ProgramA千穐楽(2)

2020年08月18日 14時19分33秒 | ミュージカル・舞台・映画
 2020年8月17日;『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』-ProgramA千穐楽
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/34c1b6785a95381a3edbf6f4099ca952

 記憶のあるうちにProgramA千穐楽ソワレ公演の備忘録の続き。

 トークコーナーで帝国劇場の思い出は?ときかれたいっちゃん(一路真輝さん)、初演『エリザベート』で「井上芳雄さん、いや芳雄くんのデビューをみさせていただいたこと」。芳雄さん「出てましたよね」、いっちゃん「出てましたけどそれよりも芳雄くんのデビューした姿を・・・20年前なのかと・・・20年たってこんなふうになったのかと」、芳雄さん「こんなふうにトークするようなるとは思わなかった、こんなふうになってしまって・・・」、いっちゃん「育て方を間違えたのかしらと思った」、芳雄さん「でもこれは言っていいのかな、初日楽屋に戻るとき、楽屋も近いんですけどエレベーターで一緒になって、エレベーターの中でもあまり喋らないようにって言われているんですけど、ぼそっと母は誇りに思うって言ってくれた」、いっちゃん「だって前の日まで違う舞台やっていて、誰よりも歌い司会もして・・・」、芳雄さん「いやいや今井清隆さんも明日稽古があるって・・・」。言葉はすべてニュアンスですがこんな会話のあとで、『エリザベート』より「私が踊る時」をデュエット。右手からいっちゃんのシルエットが登場したとき花ちゃんではないなとすぐにわかりました。白いドレスに髪を結い上げてキラキラの髪飾りをつけたいっちゃん、シンプルで凛として美しく、歌声、別格。芳雄さんがトートとして階段から登場したときは、この組み合わせで聴くことができるなんて思わなかったので胸がいっぱいでした。「私が踊る時」、初演時にはまだなかった楽曲、いっちゃんがドイツ語と日本語で歌っている映像をみたことはありますが生で聴いたのは過去をたどってみると初めて。「勝ったのね」と勝ち誇るように歌うエリザベートに対して「お前は敵を出し抜いて勝ち誇る」とトート、「自分のためにしたことよ。人形のように踊らされた私が自分の道を見つけた」とエリザベート。自我にめざめたエリザベートがハンガリー市民の心をつかんで独立運動を抑え皇帝を助けたあとに歌われる楽曲ですが、トートに対してツンデレというわけではなく二人が張り合っているというよりもさらにもう一段昇華した世界観、いっちゃんの歌声が、上手なのはいわずもがなですが年輪を重ねてさらに澄んだように美しくてきれいな高音、芳雄さんはトートの表情と歌声だったし、スルーしたあとで知ったら見逃したことをはげしく後悔するところでした。大満足。

「闇が広がる」はしろたん(城田優さん)とゆん(古川雄大さん)、アンドロイドのようなしろたんトートが、繊細で孤独でこわれそうになっているルドルフに忍び寄っていき、絡めとろうとしている手の動きと目を見開いた表情、配信映像なのでくっきりとわかりました。この組み合わせでまた聴くことができるとは思わなかったのでこれまた胸がいっぱいでした。

 初日と同じ、トート経験者4人とルドルフ経験者1人のトークコーナー、帝国劇場の思い出は?ときかれた瀬奈じゅんさん、2020年『エリザベート』、すごく緊張した、棺が開いた時自分がいなかったらどうしようと思った、だったかな。そこからしろたんがちょうど10年前の2010年8月17日の18時にこの3人(田代万里生さん、城田優さん、瀬奈じゅんさん)が『エリザベート』で帝国劇場に立っていたと。しろたん「2010年の時たしかに自分はすごく化粧が下手だった、台本の裏に手順を書いて女性用?のメイク道具とかもそろえて1時間ぐらいかけてやったけど下手だった、だんだん化粧するのをやめていった、2016年の時にはほとんど化粧をしなかった、化粧をしなくても・・・」、芳雄さん「僕トートのメイク、あれ1時間ぐらいかけてやっているんですけど、それでも彫りの深さで負けているという・・・」。しろたん、初日はルドルフのように繊細でこわれてしまいそうな感があり心配でしたが4日間やり終えて緊張と不安から解き放たれたのか、階段おりてくるとき朗らかに笑顔も浮かべていて安心しました。

 万里生さん、足跡を残そうとしているでしょとなんどか芳雄さんにつっこまれながら、よくとおるほんとにいい声で帝国劇場は面白い、楽しいという話。『エリザベート』も『マリー・アントワネット』もロングラン公演だったので気がつけば帝国劇場がいちばん長く立っていると。楽屋が5階から8階にあってマンションのよう(以前どなたかツィーターでマ楽屋の写真みたことありますがたしかにマンションのようでした)、舞台稽古1週間ぐらいと公演中3カ月とかずっとここにいる、ずっと一緒。それまで一人部屋だったのが『マリー~』のときは同じフェルセン役だった古川くんと一緒の楽屋でシャワーもトイレも共有したと話す万里生さんの表情、ほんとに楽しそう。自分の楽屋にいるとき他の部屋の発声練習しているすごくいい声がきこえてくるという話をしたところ、いやいや君だってと芳雄さんがつっこんでいたかな。あちこちの楽屋から発生の声がきこえてくるのは「色々な鳥が啼いているいるみたいですよね」としろたん。

 帝国劇場に立つのは初めてのまあ様(朝夏まなとさん)に、芳雄さんが「これからまだあと十何回帝国劇場の思い出は?ってきかれるけど、ないじゃないですか、妄想してつくっちゃえば」とアドバイス?まあ様「明日の休演日につくってみます」と。まあ様、太陽のような笑顔で踊る場面も多くてダンスに歌にかっこよかった、長い手足をのびのびと存分にのばして生き生きと踊っていました。それまで知らなかった観客の心もつかんだのではないかな。加藤和樹さんと『ガイズ&ドールズ』のデュエットはカッコ可愛い。歌い終わってから和樹さんがエスコートの手をのばしてくれているときにガシガシと階段をのぼっていったのは男役の名残りね。手をつなぎそうでつながたかったのは密の回避かな。アンサンブルキャストのダンスもデュエットもいずれも密をさけるようなフォーメーションになっていました。和樹さんが帝国劇場でこんなふうにきちっとした格好で立つのは初めてと話したり、芳雄さんがすごく姿勢がいい、猫背になってみてとつっこんだりしていた話は長くなってきたので次にします。

 半分ぐらいは自分の観劇史をたどるようなコンサートだったので気持ち溢れすぎ。カーテンコールでいっちゃんと花ちゃんがふわふわドレス着て並んで立っているなんてそれだけでも夢のよう、なんともぜいたくなひとときでした。

 














2016年8月9日;東宝初演『エリザベート』_一路さんインタビュー記事
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/d/20160809


2014年11月11日;東宝チャリティー・コンサート
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/fa7b38c8ad6be18ad92b75629c89999e