たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

雪組『フォルティッシッシモ』『シルクロード』-東京宝塚劇場公演(1)

2021年03月14日 23時11分05秒 | 宝塚
雪組『フォルティッシッシモ』『シルクロード』-宝塚大劇場千穐楽LV(2)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/46c49f7b2eff96b6d10da97cf96da3b1

「ハイリゲンシュタットの遺書

作詞/上田久美子 作曲/甲斐正人

音楽よ 導け
我らを等しく
高い世界へ 登らせろ
人の喜び
人の哀しみ
人間の意味を
歌え!

「俺は死なない・・・命の意味を遂げるまで・・・。
 見ていろナポレオン。お前と俺、どちらが皆を遠くへ
 連れていくか・・・」

人が自由になるため
王たちを殺すことが
革命なのだと信じる者よ

我らの求めたものは
王者の権力なのか
王よりも高い精神じゃないか

音楽 我らを高く
音楽 我ら気高く
王さえ届かぬ空へ連れて行け

歌い続けろ
「聴こえない体・・・」
歌い続けろ
「この体の外に・・・」
歌い続けろ
「この中に鳴り響く音・・・」
歌い続けろ
「出し尽くすまで」

大きく 大きく 大きく もっと
強く 強く 強く きっと

たとえ命
たとえ魂
この体が朽ち果てても

たとえ一人
声もしない
孤独の道ひた走ろうと

権力の力
音楽の力
どちらが見せるか
新しい世界を

暴力の力
音楽の力
どちらが歌うか
勝利のシンフォニー」

 『フォルティッシッシモ』

 ルートヴィヒ@望海風斗さんが空のオーケストラボックスの上で歌う「ハイリゲンシュタットの遺書」、気づいたら涙がにじんでいました。果てしない孤独の中で歌う魂の歌声に東京宝塚劇場の壁も震えていたように思います。少年の日の父親との確執、王侯貴族のパトロンがいなければ音楽家は食べていくことができなかった時代にお前が稼がなければ一家は飢え死にするとルートヴィヒを殴って御前演奏に行かせようとするアル中の父親ヨハン@奏乃はるとさんは、今ならいわゆる毒親あるいはDVと言われるものにあたるでしょうか。そんなルートヴィヒに救いの手を差し伸べてくれたブロイニング夫人の娘ロールヘン@朝月希和ちゃんへの報われなかったひそかな片思い、恋人ジュリエッタ@夢白あやちゃん(すっごい美人の娘役さん、組替えのことを忘れていてお正月に大劇場で観劇したとき夢白ちゃんだと気づくまでに少し時間がかかりました)の裏切り、音楽家に致命的な難聴の悪化。自ら作曲したピアノソナタにのせて上演されたゲーテの「若きウェルテルの悩み」、ピストルによって自死した主人公ウェルテルの幻影が少年の日の不幸の記憶と共にルートヴィヒに囁きかけるように何度も姿を現すようになります。

 調べてみると「ハイリゲンシュタットの遺書」は病死する25年前に死の一歩手前までいったルートヴィヒが二人の弟あてにしたためたもの。彼をこの世にひきとめたのはただ芸術のみ。音楽は誰のものか。生きることに絶望しながらそれでもなお生きて、王侯貴族という特権階級のためではない、大衆のための音楽を作ることに命をかけようとしたルートヴィヒの魂を体現した歌声。本来であればすでに宝塚を卒業していたはずが半年遅れとなった退団公演。この歌もまた公演の再開を待つ間だいもんの中でしずかにねかされ発酵していったに違いありません。「Music is My Life」が宝塚人生のテーマソングとなっただいもんにふさわしい退団公演のテーマソングかなと思いました。

 この舞台を観劇したあとのまあ様(朝夏まなとさん)がインスタグラムにあげてくれた感想が言葉足らずを代弁してくれています。

「「あるべきものが全部あって無駄なものがないところ。それに彼は、綺麗なだけだった音楽を魂の声に変えた!!」
翼ある人びとで演じたヨハネスブラームスが、ベートーヴェンの好きなところを聞かれて答えたセリフ、憧れ続けていたベートーヴェンが舞台に存在していました。
圧倒的なパワーを放ち、劇場を壊すんじゃないかと思うぐらいの迫力、まさに魂の舞台」

 3回目にしてようやくこういうことだったのかと気づいたことが他にもあるように思いますが今はこれぐらいで。エピローグの歓喜の歌を指揮するときの真っ白な衣装、オペラグラスでのぞきながら生地がとってもいいもので豪華と思いました。衣装担当は有村淳先生。退団公演していくトップスターへの劇団からのはなむけ。わたしの左隣りは空席でしたが2階席も埋まる中で公演できるようになって本当によかったです。千穐楽まで無事に公演できますように・・・。
















銀座駅のだいもんジャック

2021年03月14日 00時24分39秒 | 宝塚
スカパー!エンタメ
@sptv_enta
\#望海風斗 愛と夢をありがとう/
#宝塚 歌劇団 #雪組 トップスター
#望海さん 退団を惜しみつつ特集を3月放送バラ記念として明日から交通広告が出現赤いビックリマーク
鉄道車両東京メトロ銀座駅
デジタルサイネージ B2~10出口付近
日めくりカレンダー3/8〜14
https://twitter.com/sptv_enta/status/1368444058675290115

 2021年3月13日(土)、豪雨とこの季節に雷が鳴る中、バスも電車も定刻どおりに走っていたので、無事に日比谷を往復することができました。ありがたいことです。雪組『フォルティッシッシモ』『シルクロード』15時30分公演、楽しい2時間半でした。スポットライトが頭のすぐ上を走る真ん中の席で、遠いですが舞台全体と舞台機構をふんだんに使った演出がよくみえました。盆が回りながらせり上がってきたり、演者がうたっている後ろでせり上がってきたり、奈落へと沈んていったりする様子を上から楽しむことができるのは生の観劇の醍醐味。だいもん(望海風斗さん)の歌声に東京宝塚劇場の壁がふるえていました。宝塚大劇場よりもさらに熱量がぐっとあがった舞台、芝居もショーも演出家の愛にあふれ、希望はつながっていくというメッセージがこめられていることをあらためて深く感じました。疲れ果てた脳みそに沁みました。客電がおちた時間は自分が天涯孤独で先のみえないばあさんだということを忘れることができます。気づいていなかった発見もいろいろあり、むずかしいっていう印象が最初ありましたが馴染んでくるとそんなことはなくて、東京宝塚劇場にちょうどいいサイズ感で楽しかったし、癒されました。3,500円の席とは信じられない充実感。

 終演後、シャンテでごはん食べたあと、日比谷駅から一つとなりの銀座駅へ行ってみました。乗車時間1分、いつ以来の銀座駅になるのか。改装工事が終わりすっかり綺麗になっていましたが迷宮でした。地下鉄が何本も乗り入れている巨大駅、中央改札口を出たあたりにだいもんの映像がずっと流れていました。

 映像は2パターン、スマホで動画も撮りましたがアップデートの方法がわからないので写真で雰囲気だけ。スマホとタブレット端末の解像度はあがっていますがブログの画像の解像度は低くなってしまったの残念です。