たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『アーサー王の死-トマス・マロリーの作品構造と文体』-物語と構造

2023年10月07日 15時59分50秒 | 本あれこれ

『アーサー王の死-トマス・マロリーの作品構造と文体』-アーサーの盛衰⑨ - たんぽぽの心の旅のアルバム (goo.ne.jp)

 

『オークニーのガレス卿』物語

 この物語と直接結び付く種本は確認されていないが、クレチアン・ド・トロワの『エレクとエニード』やルー・ド・ポージュの『リボー・デスコニュ(未知の美男子)』、その英語版である『リベアウス・デスゴヌス』と多くの共通したものをもっている。『ガレス』はこれらの基本的・普遍的構成要素のほかに、マロリー独自のものが組み入れられ完成した作品。

 

この《未知の美男子》型の作品についてのテーマモチーフと構造の問題

 

=若者がアーサー宮廷に登場する=

 

『ガレス』では背の高い美しい若者が二人の男に両脇を抱えられながら入ってくる。若者は自分の名前を明かさない。アーサー王に三つの願い事をし、そのひとつは今すぐに、あとは一年後に認めてほしいと言う。

『リボー』と『リベアヌス』でも美しい若者が宮廷にやってくる。名前はわからない。ただ母親からは《ボン・フィズ(きれいな息子)》と呼ばれていた。王に願い事をする。ひとつは騎士に叙任して貰うことである。アーサー王は願い事をすべて認める。ただガレスの願いはまず騎士になることでなく、一年間宮廷で食事をさせてほしいということである。このことに対するガウェインとランスロットの態度とガレスの反応は、物語の将来への発展の巧みな糸口となっている。

 

 

=若者はアーサー宮廷を離れる=

 

『リボー』と『リベアウス』では、ひとりの娘ヘリエーがアーサーのもとに現われ、苦しめられているある婦人を救出してほしいと願い出る。若者が騎士に叙任されたすぐ後である。

 

『ガレス』では若者が一年間台所で働くが、その年の聖霊降臨祭の日に娘が現われる。彼女の女主人が《赤国の赤騎士》に苦しめられているので助けてほしいと願い出る。その時、若者はアーサー王に約束した残り二つの願い事を申し出る。ひとつはランスロットからの騎士叙任を受けること、もうひとつはこの娘の冒険を引き受けること、アーサーはそれを認める。若者は二年間の厳しい試練をへる。また騎士叙任をアーサーからでなく、ランスロットから受ける形をとっており、ガレスとランスロットの特別な関係をはじめから作りあげている。悲劇への土台。

 

娘は未知の若者が冒険を引き受けたことに怒り宮廷を出る。若者は彼女の後を追い宮廷を離れる。娘の若者に対する激しい侮辱が始まる。

 

 

=若者は通行を阻む騎士と戦う=

 

『リボー』と『リベアウス』では《危険な谷》の通路、《危険な橋》でひとりの騎士が通行を阻止しようと待ちかまえている。若者が渡ろうとすると、二人の間で激しい戦いがおこる。若者は相手を槍で刺し落馬させる。相手は降伏し助命を願い、アーサーのもとに送られる。娘の侮辱は続く。「渡ってはならぬ、通ってはならない」という禁止をプロタゴニストが乗り越えていくテーマ。

 

『ガレス』では二人の騎士が、大きな川の向こう岸で若者が渡ろうとするのに立ちはだかる。両者は川のなかで激しく戦う。若者はどちらも殺す。すでに若者は前日騎士を捕らえていた6人の強盗をすべて殺し、騎士を救出している。それでも娘の侮辱は依然として続いている。

 

=娘はこれまでの無礼を詫び若者は許す。二人は和解する=

 

娘はこれまでの侮辱を謝罪し若者も許す。『リボー』と『リベアウス』では『ガレス』と異なり、若者は通行阻止の騎士と戦ったあと、二人の巨人から乙女を救助している。この和解は『リボー』では《通行阻止》と《乙女の救出》との間でおこっている。

 

『ガレス』では若者と娘は三人の兄弟騎士と戦ったあと、美しい城に着く。美しい草地が広がっており、藍色の天幕が方々にはられている。娘は百人のすぐれた騎士を抱えた領主で「藍の騎士ペルサウント」のものであり、早く逃げた方がいいと脅かす。若者は全く恐れることもなく早く手合わせをしたいものだと答える。ここで初めて娘は若者にこれまでの無礼を心から謝り、若者もこれを許す。

 

 

=若者は誘惑のテストを受ける=

 

=若者は冒険の使命を達成する=

 『リボー』『リベアウス』では、若者たちはその前日に目的地に入り、ある城では泊まることにする。しかし泊まるためにはそこの城主と戦いをし、勝たなければならないという慣習がある。若者は勝ち、泊まることになる。

城主からシナドンの婦人ブロンド・エスメレーは二人の兄弟魔術師メイボンとイレインにより捕えられている、その宮殿も彼女も魔法をかけられており、メイボンは彼女に言う通りにせよと迫っていることを聞かされる。若者は宮殿まで城主に案内される。宮殿に入ると、二人の魔術師が襲ってくる。一人を討ち、さらに火を吹く馬にのって襲ってきた騎士を倒す。メイボンであった。大蛇が出てきて若者に口づけをする。その時、あなたの名はグィグライン、ガウェインの息子という声が聞こえている。その大蛇は美しい婦人に変わっていた。婦人が救出されたことに市中の人々はみな大喜びをする。救出成功は、同時に自分の身元を知ることであった。

 

『ガレス』は口づけによって美しい姫が出現するという伝承性をもっていない。『リボー』の若者は、前日泊まった城主から目的のシナドンの婦人、魔術師などについて情報を与えられる。同じように『ガレス』の若者が藍色の騎士から十分な知識を与えられていたのと軌を一にする。婦人が襲われている《危険の城》の前で《赤国の赤騎士》に挑戦の合図を鳴らす。遂に若者は赤騎士を倒し、甲をはぎとり首をはねようとする。赤騎士も家臣の多くの貴族・騎士も助命を嘆願する。若者は赤騎士が城の婦人にも降伏し、これまで婦人に与えた損害をすべて償い、アーサーの宮廷に赴きランスロットとガウェインにこれまで悪意を抱いていたことを謝罪するという条件で許す。赤騎士は命令通り約束を果たした。こうして若者は使命を達成した。

 

『リボー』の若者は救出した婦人を伴い、アーサー宮廷に帰る。王は彼女を妻として若者に与える。その後二人は自分の国に帰っていく。「若者は救出した婦人と結婚する」というこのモチーフは『ガレス』ではずっと後まで延ばされる。

 

 

=若者に対して城の門は開けられない=

 

 作者はここで婦人を救出しその婦人と結婚するという読者一般の直線的な願望を直ちに満足させてくれない。作者の結婚へのもうひとつのプロセス-折り返しの構造を作り出したのである。城の窓からライオネスは若者に愛を誓うが、さらに12か月の冒険により武勇の名声を高めることを求める。フラストレーションの発生である。

 

=若者は愛の燃焼を妨げられる=

 

若者はライオネットの弟の騎士の城でライオネスに非常に似た美女と出会う。忽ちライオネスとの誓いを忘れ、愛を燃やす。この婦人はライオネスの魔術により自ら姿を変えたものであることわかり、二人の愛はいっそう燃える。しかし二夜続けてあいびきしているところを騎士に邪魔される。結婚の前の二人の名誉を守るためのライオネットの仕業である。その時騎士は若者により一夜は首をはねられ、もう一夜はずたずたに切り裂かれるが、そのたびに元通りになる。すべてはライオネットの魔術による。

若者のフラストレーションは解消されない。ここでは欠如→解消のプロセスは未完である。

 

 

 

 

 

 


「汚職大国」ウクライナへの巨額支援、流用の恐れはないのか 高官の逮捕・更迭相次ぐ 総額36兆円・日本1兆円超 復興でさらに膨らむ

2023年10月07日 01時50分15秒 | 気になるニュースあれこれ

 アメリカの戦争屋が儲けるために仕掛けた戦争で、ウクライナの返済能力を超える融資が行われ、その請求書は岸田さんが連帯保証人となった日本にやってくる。日本人が納める血税により返済は行われる。その金額は20兆円とも?コロナ騒動で無駄に102兆円溶かしこんだことを考えれば安いもん?

 

2023年9月30日共同通信、

「汚職大国」ウクライナへの巨額支援、流用の恐れはないのか 高官の逮捕・更迭相次ぐ 総額36兆円・日本1兆円超 復興でさらに膨らむ | 47NEWS (nordot.app)

「ロシアの侵攻を受けたウクライナで政府高官の汚職事件が相次いでいる。同国には日本を含む西側から巨額の支援が提供され、復興に向けて今後、さらなる資金も必要とされるが、汚職により資金が流用されれば、「血税」を払う各国納税者は黙っておらず、ウクライナへの支援離れにもつながりかねないとの懸念が強まっている。(共同通信=太田清)

▽「おぞましい」汚職

 ウクライナのゼレンスキー大統領は9月3日、側近のレズニコフ国防相の更迭を発表した。国防省で相次ぐ汚職スキャンダルの責任を取らされたとの見方が強い。
 同氏は弁護士出身で、2021年11月から現職。22年2月のロシア侵攻以降は、文民出身トップとして西側からの兵器提供を巡る交渉で活躍、ゼレンスキー政権を支えてきた。
 国防省では今年1月、兵士向けの食料品調達費が市中価格の2~3倍になっていたことが明らかになり、国防次官が辞任に追い込まれた。
 2月になり一時、レズニコフ氏辞任の臆測が流れたものの留任。しかし、その後、同省が契約した約10億ドルの武器の調達が大幅に遅れるスキャンダルも明らかになり、同氏の去就が注目されていた。
 ウクライナでは今年に入り汚職事件が相次いでいた。地域発展省次官が汚職で逮捕されたほか、大統領府副長官が米国から政府に寄付された高級車を私物化しているとの疑惑を受け辞任。5月には横領容疑で南部オデッサ市市長、収賄容疑で最高裁長官が拘束された。
 さらに、オデッサ州の徴兵事務所のトップであるボリソフ軍事委員が、徴兵逃れの便宜を図った見返りに500万ドル(約7億4500万円)相当の金銭を受け取り、スペインでの別荘購入などに充てていた疑惑が発覚し、7月に逮捕された。
 これを受け、ゼレンスキー大統領は全州の軍事委員会の徹底的捜査を指示。その結果、112件の汚職が摘発され、大統領は8月、全州の軍事委員解任を表明。捜査結果について「おぞましい」と吐露した。
 今回、汚職への直接の関与は薄いとされるものの、大統領の側近レズニコフ氏の更迭に至ったことは、ゼレンスキー政権にとって大きな痛手となった。

▽補佐官の疑惑も

 疑惑の目は大統領の補佐官にも向けられている。
 ロイター通信は19日、20年に大統領府副長官に就任、情報・司法部門担当としてゼレンスキー氏を補佐してきた弁護士のオレフ・タタロフ氏の汚職疑惑に関する特集記事を報じた。
 同通信は、汚職容疑をかけられオーストリアに逃亡したウクライナの元建設会社幹部をウィーンで取材。同幹部は14年から19年にかけ、ウクライナ国内での建築許可を得るため、タタロフ氏を通じて政府高官らに賄賂を渡していたと証言した。
 タタロフ氏についてはこれまでも、大手建設会社の顧問弁護士を務めていた17年に、内務省高官への贈賄の便宜を図った疑いが浮上。ウクライナの独立汚職捜査機関が捜査に乗り出し、汚職容疑で告発されたものの、時効が成立しているとして司法審理が打ち切られたこともあった。
 反汚職団体などはタタロフ氏解任を求めたものの、ゼレンスキー氏は、疑惑は証明されていないとして解任を拒否している。

▽GDP超える巨大支援

 世界各国の対ウクライナ支援を集計、公表しているドイツのシンクタンク「キール世界経済研究所」によると、7月31日時点での支援・支援見込み額は国別で米国がトップの695億ユーロ、ドイツが209億ユーロ、英国が138億ユーロなどとなっており、総計で2300億ユーロ(約36兆3000億円)と巨大なものとなっている。
 国際通貨基金(IMF)によるウクライナの23年国内総生産(GDP)予測1487億ドル(約22兆1500億円)と比してもその大きさが分かる。
 外務省によると、ロシアの侵攻に伴う日本の対ウクライナ支援は、殺傷性のない装備品や人道分野での無償援助など計76億ドル(約1兆1300億円)に上る。
 ウクライナ国家統計局によると、同国はロシア侵攻の影響で経済が崩壊、22年の実質経済成長率はマイナス29・1%と、1991年の独立以来最低を記録。人口も避難民の国外流出や支配地域喪失により2021年の約4100万人から今年は約3200万人と激減の見通しだ(IMF予測)。経済は今年もマイナス3%と低迷が続き、軍事部門のみならず政府、民間部門への支援がなければ、国家運営が成り立たないことは明らかだ。復興が始まればさらなる巨額の支援が必要となる。世界銀行、ウクライナ政府などは既に、侵攻後1年間の被害復興に、今後10年間で少なくとも4110億ドル(約60兆円)が必要と試算。日本も9月、林芳正外相(当時)が首都キーウ(キエフ)を訪問。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長を含む日本企業関係者も同行し、官民挙げて復興に協力する姿勢を前面に打ち出した。

▽ロシアに次ぐ悪さ

 ゼレンスキー氏は19年の大統領選挙で、国民から反感を買っていた新興財閥オリガルヒによる汚職撲滅を公約し勝利。加盟の条件として汚職対策を求める欧州連合(EU)の意向もあり、公務員の資産・収入公開や汚職事件の独立捜査機関の設置、オリガルヒの政治参加制限など、改革を進め一定の成果を上げてきた。
 しかし、汚職撲滅の道はなお半ばだ。世界各国の「汚職指数」を発表している非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナルの22年調査によると、ウクライナの「清潔度」は180カ国・地域中でエルサルバドル、ザンビア、フィリピンなどと並び116位。ロシア(137位)に次いで欧州で2番目に悪く、汚職がまん延し「復興の障害になりかねない」とも指摘された。
 相次ぐ汚職の発覚にゼレンスキー政権も危機感を深めている。ウクライナの調査機関「民主イニシアチブ基金」が7月行った世論調査によると、ウクライナ国民の78%が大統領が直接、汚職事件の責任を負うと回答。ゼレンスキー氏は8月27日、国民の批判をかわそうと、戦時下の汚職を「国家反逆罪と同等」とする罰則強化案を議会に提案すると表明した。

▽レッドライン

 汚職が続けば、ウクライナの命綱である西側の支援も中止の危機に陥りかねない。
 汚職撲滅のための活動を行うウクライナのNGO「反汚職行動センター」のオレナ・ハルシカ国際関係部長は電話インタビューで「ウクライナ独立後、国営企業の民営化の過程で誕生したオリガルヒが汚職問題の根底にあった。改革には長い時間が必要」と、欧米各国と違った特殊性を強調。
 一方で「政府は西側から支援を受けた資金が汚職に回されることがあれば、大変な信用の失墜につながることはよく分かっている。これはレッドライン(越えてはならない一線)だ」と、ウクライナ政府が支援資金の適正運用に全力を挙げる姿勢であるとの見方を示した。

 米政府はアフガニスタン復興事業への巨額の資金の流れを監視するため、アフガン復興担当特別監察官(SIGAR)を設置。同監察官は資金流用に目を光らせ定期的に議会への報告を行ってきた。こうした機関をウクライナ支援でも活用すべきとの意見は米国内で強い。(ウクライナ支援では現在は国防総省、国務省、国際開発局がそれぞれ監察)
 ハルシカ氏は「支援国がSIGARのような監査機関を設置することで、支援資金の透明性はさらに高まる」と、資金提供国自らも、資金の適正運用に向け行動すべきだとの考えを示した。」

 

2023年7月21日ロイター、

ウクライナ、世銀が15億ドル融資へ 日本政府が保証=首相 執筆: Reuters (investing.com)

「[キーウ 20 21日 ロイター] - ウクライナのシュミハリ首相は20日、世界銀行から15億ドルの融資を受けると発表した。日本政府が保証を提供するという。

シュミハリ氏はメッセージングアプリ「テレグラム」への投稿で、融資は社会保障の強化、ロシアによる対ウクライナ戦争に巻き込まれている人々への支援、経済の再建に充てられると説明した。

またその後のツイートで、世界銀行と国際金融公社(IFC)がウクライナの新たなプログラムに80億ドル強を投じる計画であることも明らかにした。

世界銀行とパートナーはこれまでにウクライナに対して340億ドルの支援を打ち出し、ウクライナは既にこのうち220億ドル余りを受け取っているという。

ウクライナは財政赤字の穴埋めを海外からの資金支援に頼っている。」

 

15億ドルは約2,126億7,545万7,252円です。

 

大手メディアでは報道されない米露関係の今【混乱する国際政治と日本①】|伊藤貫 - YouTube

(1) 大手メディアでは報道されないウクライナ戦争【混乱する国際政治と日本②】|伊藤貫 - YouTube

(1) 核の傘というアメリカの嘘【混乱する国際政治と日本③】|伊藤貫 - YouTube

全編字幕付き、

「このままだと早ければ来年日本は中国の属国になる。日本は終わる。わたしはそう思う。」