2023年3月12日(日)15時30分~、東京宝塚劇場B席
『うたかたの恋』
2023年3月13日中本千晶、
宝塚歌劇花組公演『うたかたの恋』…生まれ変わった名作、その改変のポイントを探る
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamotochiaki/20230313-00340864
2000年宙組全国ツアー公演『うたかたの恋』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/a7dd932ae9872d3a2829feee650bff8b
(全国ツアー公演プログラムより)
「『うたかたの恋』について-柴田侑宏(脚本・演出)
事件後宮廷は皇太子の遺骸をひそかに運び去り、マリーの遺体だけをマイヤーリンクに置き去りにした。マリーの身寄りの人々がそれを悼んで、その近くのハイリゲン・クロイツにある修道院に葬った。のちに墓石を建て、その墓碑名に「花の如く萌え出でて、花の如く散りぬ」と刻んだ。マリーの短いが激しく美しく燃えた生涯になんとふさわしい言葉であることか。再演の終幕にこの墓碑名の言葉をコーラスに入れてもらった。」
『うたかたの恋』、劇場での観劇は2000年宙組全国ツアー以来3度目、千穐楽まで一週間のところでほとんど情報をいれないまま観劇しました。今回の潤色にこの演出がなくなってしまったのは残念な感もありますが、マリーが死への床をバラの花で飾る演出がなくなったこともあわせて、より写実的な世界観になりました。歴史にもしもはありませんが、もしもルドルフが生きていたら世界は違う20世紀を生きていたと言われています。小柳先生が『ルドルフ・ザ・ラスト・キス』を御覧になっているかどうかわかりませんが、沈むゆくハプスブルク帝国の中で急進的な考え方を誰にも理解されず皇太子という立場から酒と女性に溺れるしかなかった、孤独にのたうちまわるルドルフの退廃ぶりがくっきりと浮かび上がってくる舞台でした。
マリー@星風まどかちゃんがウィーンを離れて叔父のところへとやられたのを密かに戻って再会したとき、この気持ちがわかるかと泣いてマリーの膝に顔をうずめる場面、新しい演出ですが、母エリザベート@華雅りりかさんに甘えられなかったルドルフ@柚香光ちゃんが、マリーに子どものように甘えているようにもみえました。ルドルフの孤独がより写実的になった分、政略結婚によって子どもまでいたステファニー@春妃うららちゃんの孤独も、よりくっきりと浮かび上がりました。演出も台詞も今までと変りなくみえましたが、最後の舞踏会でマリーに詰め寄ろうとするステファニーをジャン・サルヴァドル大公@水美舞斗くんがダンスで遮る場面のインパクトが絶大。ナウオンステージでれいちゃんが、普通の人として稽古場でみていたとき、可哀想で仕方なかったと話しています。
『エリザベート』で描かれているように、王室一家はそれぞれみんなとてつもない孤独の中で生きていました。親族同士の結婚によって絆を深め領土を広げてきたハプスブルク帝国の終焉前夜。同じハプスブルク家でありながら、自由度が高い従兄弟のジャン・サルヴァドル大公との対比がより際立つ演出となりました。これまで完全に適役だったフェルニナンド大公@永久輝せあくんの描き方が大きく変わったのも印象的でした。マリヤーリンクでルドルフをとらえようとする時逃げ道を示唆する演出はびっくりしました。
マイティにあわせてジャン・サルヴァドル大公のダンスが増えた?マイヤーリンクの別荘でのかくれんぼ、テーブルの下に隠れたマリーを見つける時のルドルフが毎回アドリブなのかな。可愛いお尻丸出しからテーブルクロスの中にすっぽりと隠れたつもりのマリーのドレスの裾を、ルドルフはちょっとずつちょっとずつ引っ張り出していました。笑いがおきていました。
生演奏によるウィンナワルツの調べが素敵でした。2階席後方はダンスの全体のフォーメーションがよくわかります。舞踏会の場面、音楽とダンスで本場ウィーンの舞踏会をみているような贅沢な気分になりました。指揮は佐々田先生(入場しようとしていた時劇場の前を歩いていかれるのをお見かけしました。マスクなのでわかりませんがたぶん。30年前とおかわりないですね。)ルドルフのごつごつとした部屋の雰囲気、舞台セットもよくできていました。
シラカバの木立を背景に真っ白な衣装でルドルフとマリーが躍るラストがとても素敵でした。美しいルドルフとマリーの歌声、名前を認識しきれませんが、どなたかとプログラムで確認すると隆季澪くんと花海凛ちゃん。歌うまの若手がいるんですね。
花組 東京宝塚劇場公演『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』『Fashionable Empire』8月12日のチケットは幻になったので、飛龍つかさくんと音くり寿ちゃんの退団公演はみることができませんでした。インスタグラムをフォローしていますが本当に退団してしまったのだと実感しました。もちろん下級生だった生徒さんたちが力をつけてきていますが、全体的にものすごく若いと感じました。
『ENGHANTEMENT』
ダンスの花組の再来、燕尾服にステッキを持って踊る姿はフレッド・アステアとジーン・ケリー。表情豊かなダンスの連続でした。衣装も振付も舞台セットも素敵。細かいところは今書き切れず。
休演者がいなくてほんとうによかったです。
変形性膝関節症がおそらく進んでいて、観劇中も痛みと痺れがきてしまったり、杖をなんども倒してしまったり、左右の方、同じ列の方には迷惑かけてしまいました。なんとか無事に観劇できました。花組生としてはこれが最後となるマイティを見届けることができました。歌と芝居の力もどんどんあがってきているので、さらに大きく羽ばたいて活躍できることを祈っています。
ほとんど書けなくなっている観劇録、記憶が新鮮なうちに、なんとかひととおりざっくりと書くことができました。
終演後またすぐにみたくなってしまうのが宝塚、唯一無二の世界よ永遠なれ。
そもそも日本がいつまでこのまま続くのかわかりませんが、コロナ騒動により今まで信じていたものは全て幻想だったとわかりましたが、宝塚はもう少し信じてみます。宝塚だけはずっとずっと信じられる場所であってほしい、たとえ歩けなくなっても行きたいと思える場所であってほしいです。
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2023年3月13日中本千晶、
宝塚歌劇花組公演『うたかたの恋』…生まれ変わった名作、その改変のポイントを探る
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2000年宙組全国ツアー公演『うたかたの恋』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/a7dd932ae9872d3a2829feee650bff8b
(全国ツアー公演プログラムより)
「『うたかたの恋』について-柴田侑宏(脚本・演出)
事件後宮廷は皇太子の遺骸をひそかに運び去り、マリーの遺体だけをマイヤーリンクに置き去りにした。マリーの身寄りの人々がそれを悼んで、その近くのハイリゲン・クロイツにある修道院に葬った。のちに墓石を建て、その墓碑名に「花の如く萌え出でて、花の如く散りぬ」と刻んだ。マリーの短いが激しく美しく燃えた生涯になんとふさわしい言葉であることか。再演の終幕にこの墓碑名の言葉をコーラスに入れてもらった。」
『うたかたの恋』、劇場での観劇は2000年宙組全国ツアー以来3度目、千穐楽まで一週間のところでほとんど情報をいれないまま観劇しました。今回の潤色にこの演出がなくなってしまったのは残念な感もありますが、マリーが死への床をバラの花で飾る演出がなくなったこともあわせて、より写実的な世界観になりました。歴史にもしもはありませんが、もしもルドルフが生きていたら世界は違う20世紀を生きていたと言われています。小柳先生が『ルドルフ・ザ・ラスト・キス』を御覧になっているかどうかわかりませんが、沈むゆくハプスブルク帝国の中で急進的な考え方を誰にも理解されず皇太子という立場から酒と女性に溺れるしかなかった、孤独にのたうちまわるルドルフの退廃ぶりがくっきりと浮かび上がってくる舞台でした。
マリー@星風まどかちゃんがウィーンを離れて叔父のところへとやられたのを密かに戻って再会したとき、この気持ちがわかるかと泣いてマリーの膝に顔をうずめる場面、新しい演出ですが、母エリザベート@華雅りりかさんに甘えられなかったルドルフ@柚香光ちゃんが、マリーに子どものように甘えているようにもみえました。ルドルフの孤独がより写実的になった分、政略結婚によって子どもまでいたステファニー@春妃うららちゃんの孤独も、よりくっきりと浮かび上がりました。演出も台詞も今までと変りなくみえましたが、最後の舞踏会でマリーに詰め寄ろうとするステファニーをジャン・サルヴァドル大公@水美舞斗くんがダンスで遮る場面のインパクトが絶大。ナウオンステージでれいちゃんが、普通の人として稽古場でみていたとき、可哀想で仕方なかったと話しています。
『エリザベート』で描かれているように、王室一家はそれぞれみんなとてつもない孤独の中で生きていました。親族同士の結婚によって絆を深め領土を広げてきたハプスブルク帝国の終焉前夜。同じハプスブルク家でありながら、自由度が高い従兄弟のジャン・サルヴァドル大公との対比がより際立つ演出となりました。これまで完全に適役だったフェルニナンド大公@永久輝せあくんの描き方が大きく変わったのも印象的でした。マリヤーリンクでルドルフをとらえようとする時逃げ道を示唆する演出はびっくりしました。
マイティにあわせてジャン・サルヴァドル大公のダンスが増えた?マイヤーリンクの別荘でのかくれんぼ、テーブルの下に隠れたマリーを見つける時のルドルフが毎回アドリブなのかな。可愛いお尻丸出しからテーブルクロスの中にすっぽりと隠れたつもりのマリーのドレスの裾を、ルドルフはちょっとずつちょっとずつ引っ張り出していました。笑いがおきていました。
生演奏によるウィンナワルツの調べが素敵でした。2階席後方はダンスの全体のフォーメーションがよくわかります。舞踏会の場面、音楽とダンスで本場ウィーンの舞踏会をみているような贅沢な気分になりました。指揮は佐々田先生(入場しようとしていた時劇場の前を歩いていかれるのをお見かけしました。マスクなのでわかりませんがたぶん。30年前とおかわりないですね。)ルドルフのごつごつとした部屋の雰囲気、舞台セットもよくできていました。
シラカバの木立を背景に真っ白な衣装でルドルフとマリーが躍るラストがとても素敵でした。美しいルドルフとマリーの歌声、名前を認識しきれませんが、どなたかとプログラムで確認すると隆季澪くんと花海凛ちゃん。歌うまの若手がいるんですね。
花組 東京宝塚劇場公演『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』『Fashionable Empire』8月12日のチケットは幻になったので、飛龍つかさくんと音くり寿ちゃんの退団公演はみることができませんでした。インスタグラムをフォローしていますが本当に退団してしまったのだと実感しました。もちろん下級生だった生徒さんたちが力をつけてきていますが、全体的にものすごく若いと感じました。
『ENGHANTEMENT』
ダンスの花組の再来、燕尾服にステッキを持って踊る姿はフレッド・アステアとジーン・ケリー。表情豊かなダンスの連続でした。衣装も振付も舞台セットも素敵。細かいところは今書き切れず。
休演者がいなくてほんとうによかったです。
変形性膝関節症がおそらく進んでいて、観劇中も痛みと痺れがきてしまったり、杖をなんども倒してしまったり、左右の方、同じ列の方には迷惑かけてしまいました。なんとか無事に観劇できました。花組生としてはこれが最後となるマイティを見届けることができました。歌と芝居の力もどんどんあがってきているので、さらに大きく羽ばたいて活躍できることを祈っています。
ほとんど書けなくなっている観劇録、記憶が新鮮なうちに、なんとかひととおりざっくりと書くことができました。
終演後またすぐにみたくなってしまうのが宝塚、唯一無二の世界よ永遠なれ。
そもそも日本がいつまでこのまま続くのかわかりませんが、コロナ騒動により今まで信じていたものは全て幻想だったとわかりましたが、宝塚はもう少し信じてみます。宝塚だけはずっとずっと信じられる場所であってほしい、たとえ歩けなくなっても行きたいと思える場所であってほしいです。
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