『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』より‐凰稀かなめさん
(公演プログラムより)
「‐スカーレットのような女の強い生き様をエリザベートでも演じたい‐
トートという不思議な存在と、歴史に翻弄される女性。『エリザベート』には、大きな魅力を感じ大好きな作品です。いつか出たいと思っていましたが、いざ出演してみたら大変です。2005年の月組公演で、本公演では黒天使、新人公演でルドルフを演じましたが、一人一人が物語の主人公になれる、どの視点からも物語に入っていける作品だと感じました。2009年に演じたルキーニは難難し過ぎて、日々小池先生との戦いという感じでした。狂言回し、歴史に置き去りにされたピエロというイメージに、最初のうちは捉え方の違いもあって、周りで起きていることを五感で感じる難しさと戦うので精一杯。自分の中では
初めての大きな役付きだったのですが、宝塚の男役として舞台に立つにあたり、意識的に感じなくてはいけない大切なことを考え始めるきっかけを与えられ、精神力と集中力を高めていただき、ターニングポイントになりました。地に足の付いた歩き方を学ぶために、ヒールではなくてスニーカーでお稽古をしました。当時は、ダメ出しよりも、周りの方々が心配されているのを見るのが一番ショックで、毎日死にもの狂いでお稽古をしていました。
今回はそのルキーニと、憧れの役であるエリザベートを演じさせていただきます。現代を生きる女性として、私自身も共感するエリザベート。『風と共に去りぬ』で演じたスカーレット同様、女性の強い生き様を演じたいですね。これまで、緊張することが少なかったのですが、今回のお稽古場では今までになく緊張感でいっぱいで、『エリザベート』という重責と戦っています。きちんと自分をコントロールして、本番に向け、いい緊張感に変えていきたいです。初めてのOG公演で、ファン時代のトップさん方の姿に興奮していますが、それも抑えて、作品に身をゆだね、エリザベートとルキーニを、共に生きたいと思っています。」