行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

大学生諸君、内定率57・6%という報道に惑わされるな

2010-11-20 22:15:35 | Weblog
来春卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日現在で前年同期に比べて4・9ポイント減の57・6%で調査を始めた96年以降で最低となったことが12日、文科、厚労両省の調査で分かった。来春卒業分の大学生の就職内定率が判明したのは初めてで、00年前後の「就職氷河期並み」とされた昨年より悪い数字となり、長引く不況で学生が引き続き過酷な就職活動を余儀なくされているという報道が大きなニュースとなって就活をしている大学生に不安を与えているが事実は違うところにある。

アイタック・ジャパン社の調査では、この不況下においても、300人以下の中小企業の2011年大学新卒の求人倍率は4.41倍と高く、多くのベンチャー企業が大学新卒者を欲している状況だ。これに対してリクルート社の調査では、5,000人以上の大企業の求人倍率は0.47倍となっており、どこに問題点があるか明らかだ。

最近の大学生はネットで就活をしているが、中小企業は、大手新卒就職サイトへの掲載を、価格を原因に見送っているケースが多く、情報面でのミスマッチがおきていると指摘する専門家もいる。

今年の特徴は2年続きの不況で雇用問題が社会問題になったせいか、学生の安定志向が強まったことと、企業もグローバルな人材を求め、外国人学生を採りだしたことだ。そうした特徴も内定率低下の原因だろう。

大学生諸君、リーマンショックで世界のGMさえも倒産した。長い間大学生の就職希望トップにランクされていたJALも今、整理解雇の局面に入った。かつての優良会社の多くが今はない。何が安定か判らない世の中で、自分の力量を磨いておくことが重要で、中小企業やベンチャー企業で腕を磨く方が安全ではないだろうか。

私はかつて3つの中小組織で大卒の中途採用を経験したことがあるが、組織が小さいと任される仕事の範囲が広く、皆成長し今では組織の中核的な人材になっている。採用する方にとっては、ひと一人の採用でも中小企業には大変な投資だから真剣にならざるをえない。学生諸君も採用する側の立場を考えて受験してほしい。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする