ロンドンオリンピック、サッカーではスペインを破り、一気に盛り上がった。しかし、その後の競技では柔道と卓球がおもしろくなかった。金メダル症候群に相変わらず陥っているマスコミだが、金メダルだけがオリンピックではない。世界各国から参加した最高のアスリートの戦いぶりが醍醐味なのだ。
ところが、柔道の戦いぶりはまるで闘鶏を見ているようで一向に技が出ないうちに終わってしまうこともしばしばだし、これを裁く審判のお粗末さも見るに堪えない。かつて日本で修行し、神永を破ったオランダのヘーシングの強さや最近ではやわらチャンの速攻で一本を取る柔道とはほど遠い、だらけたものになってしまった。
もう一つ世界各国から参加ということから見ると、卓球では奇妙な現象が見られる。帰化した選手が代表になることは決して悪いことではない。アーチェリーの日本チームが予想もしなかったメダルを取れたのは韓国から帰化した早川選手がいたおかげだ。しかし、中国では卓球選手の層が厚いせいか全世界に選手を送り出し、帰化させ各国の代表選手としてオリンピックに参加している。準決勝、決勝ともなると中国の国内大会の再現のようで見る気も起きなかった。
グローバリゼーションで人の行き来もますます盛んになるし、国際結婚も多くなることだろう。オリンピックの精神とナショナリズムとの調和をどうとるか難しい時代になってきたが、柔道と卓球を見る限り違和感を覚える。