日曜日、BBCのポッドキャストを聞いていたらデモ隊の声とパンパンという銃声が飛び込んできた。シリアかなと思っていたら南アフリカのプラチナ鉱山での事件だった。賃金引き上げなど待遇改善を要求した組合員に警官が自動小銃やライフルを発砲した不幸な出来事で、南アではいまだに人権を無視した事件が起きてることに驚いた。
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南アはマンデラ大統領以来、与党ANC(アフリカ民族会議)による民主化が進み、ナショナルセンターのCOSATUも多くの人材を政権に送り出している。賃上げ闘争でよもや警官による発砲事件が起こるとは考えにくかった。今回の真相はまだわからないが、住民の話だと採掘工3000人が1週間前からストに入り、一部が暴徒化したために起きた事件のようで棍棒を持ったデモ隊に発砲した警官をかばう住民もいる。
世界最大級のプラチナ鉱山のオーナーのロンミン氏は非合法のストで労働者に職場復帰を期限を切って呼びかけ、戻らない労働者は解雇だと言っている。ストに参加しなかった2500人の正規雇用者と10000人の契約労働者も今のところ職場に戻れない状態だ。
労働者の要求は45000円~60000円の賃金を15万円に上げろという過激なものだ。COSATUの見解は弔意を示しつつも、自分の組織から脱退した労組NATAWUが指導したストライキで、ロンミンとNATAWU双方の責任だと非難している。
政権側のCOSATU傘下の組合だったら警官も発砲しなかったのではないかと疑問が残る。