ベトナム訪問中の知人から日系企業を含め、ストライキが多くなっていて企業経営者の頭を悩ましているとの報告があった。ベトナムの労組は中国と同じく、共産党の組織の一部で団体交渉をして賃金を決めても、組合員が次の日には賃上げを要求して勝手にストに入ることは珍しいことではない。通常の国の組合なら組合員の意向を踏まえて賃金を決めるがこの国では労使幹部同士で賃金を決めるプロセスに問題がある。
もちろん賃金の水準が生活が出来るものであればストライキは起きないのだが、ベトナムの唯一の賃金指標、最低賃金が低いところが問題の根本だ。ベトナムの最低賃金は長いこと国内企業と外資企業の2本立てだったが、昨年統一された。政府も2011年は最低賃金を2回も改定し地域によって違うが5300円~7600円に増やした。しかし、物価も18%上昇し、最低賃金では生活費の6割ぐらいしか満たされないため、不満が高まりストライキが多発してるわけだ。
ベトナムのストライキは殆ど賃上げがらみだから各企業で適正な水準の賃金を保証して対応することがストを防ぐポイントだ。