3回にわたり先進国所得格差の拡大について4カ国シンポジウムの内容を紹介してきた。そのことから日本のデフレの原因がおぼろげながらわかってきた。英、米とも生産性が伸びても賃金の伸びが追いつかないことが格差の原因で背景には非正規雇用現象があることが判った。
ところが日本の場合は1997年から2010年まで生産性が2割近く伸びても、賃金は欧米のごとく多少でも伸びることは無く、逆に10%も減少してしまった。生産性が伸びた分は価格の低下と企業の内部留保に取られてしまったわけだ。
アベノミックスが今喧伝されてるが、デフレ脱却には結局は賃金が上がらないことには難しいことが判りつつあるが、一番判ってないのが経団連なのかもしれない。日本の労組を束ねる連合の弱体化も賃金が上がらない要因だ。今回のシンポジウムで理想とされたスエーデンはホワイトカラーも含め組合の組織率は70%で、経営が傾いたら解雇できるが労使で基金を作り、再訓練、再就職を促す積極的労働政策を展開し、所得格差も低い。