行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

消費税の軽減税率考その1

2013-02-13 22:49:50 | Weblog

消費税は2014年4月に消費税率を8%、15年10月に10%に2段階で引き上げる公算が大きい。これからの焦点は軽減税率になってくるだろう。軽減税率とその対象品目をどうするかが課題で、日本特有の業界のエゴが出て来ると限りなく品目が多くなり増税効果が薄められる。

欧州を長期間旅行していると日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)が付いてまわるので領収書を見る度に気になってくる。EUは指令でなるべく統一した税率を目指しているがVATの歴史も有り、国により税率も27%から15%まであり、軽減税率やその適用品目も各国の事情でばらばらだ。一応EUは適用品目を食品、水道水、書籍、医薬品など、21項目の商品やサービスに限定して、加盟国は独自の判断でこのリストの中から適用品目・サービスを選択している。

伊、独、仏、英は税率が20%前後でほぼ真ん中に位置しているが、軽減税率となるとかなりその国の事情が反映され異なる。共通しているのは食品、水道水、書籍、新聞ぐらいだが、英国はさらに運賃、障害者用器具を含め税率はゼロと徹底している。フランスは5.5%の軽減税率だが、観光立国であるため宿泊、運賃、外食、医薬品を7%の軽減税率にし、同じくイタリアは10%で、更に農産品、住宅は4%という低さだ。

デンマークは軽減税率がない唯一の国でしかもVATは25%と高率だ。フランスやイタリアのごとく外食産業への優遇はなく、レストランは少なく、夜ともなるとコペンの街は寂しいかぎりだ。またレストラン料金の高さに驚くが福祉や公的扶助の高さで国民から支持されているのだろう。

さて日本だが、現在の5%の消費税は馴染んできたので日常接する食品や外食にはこの率での軽減は誰でも認めるだろうが、今回の2段階増税がやっかいだ。10%の段階から軽減税率を適用すると政府自民党は考えているようだが、そうすると15年10月に軽減税率を8から欧州並みの5%へ下げられるかどうかだ。日本では米、パンが世界でも飛び抜けて高いから8%のままでは庶民は納得できない、8%に上げる来年から5%の軽減税率を導入し、将来欧州並みの20%消費税になったとしても食品や外食は5%にするという方向を打ち出した方がよい。とにかく今から業界や役所のエゴが出ないように消費者皆が議論すべきだ。

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