国際労働財団で米、英、独の労働運動トップリーダーを招いて、各国の経済状況と所得格差についてのセミナーを開催した。グローバリゼーションが作用しているのか、最低賃金は800円~900円でほぼ揃ってきているが最高の方は米国がダントツで1%の富裕層が35.6%の分配を受けている。この36年間で20%の最貧層は所得が6%減少しているのに0.1%の上位富裕層は454%も増加し、平均所得は300万ドルに達している。
労働者の時間給で見ると、1973年ぐらいまでは生産性の伸びと賃金の伸びは一致しているがその後は生産性が倍伸びても賃金が殆ど停滞している。組織率の高い製造業の雇用減少がこの背景に有り、具体的には北米貿易自由協定で中南米に工場が移転し、70万の雇用が減少したこと、対中貿易で270万(内、210万は製造業)の雇用が減少したことにあると分析した。一方医療費は高くなり、ヘルスケアは崩壊しつつある。
オバマが大統領になった背景はこの格差を縮小することを期待したからだが、現実はそうなっていない。戸別訪問してオバマの支持を労働組合員は訴え、当選に寄与したが、期待外れでがっかりしている。
カッコイイオバマ大統領も苦悩しているかも、2期目に期待したい。