今週に入って、米国からのトップニュースは自警団団員ジンマーマンによる黒人少年射殺に対し、無罪判決が出て、全米で抗議デモが起きていることだ。自警団は警察に頼らず自ら武装して治安に当たっている。よほど治安の悪い地域なのだろう。今回のケース、少年が暴行を加えたから射殺したという正当防衛が陪審員裁判で認められた。大統領が黒人でも、南部(裁判はフロリダ州)では依然として人種差別がはげしいことが判る。
南部と言えば、ハリケーンカトリーナでテキサス州など壊滅的打撃を受けたことは記憶に新しい。その時の状況を被災者の1人がブログで書いている。
「自分の家がどのくらい被害を受けたか見に行くため、避難先から高速道路に入ったが現地では警察によるブロックで閉鎖されていた。自分の家を見に行くといったら、危険だが、どうしても行くなら拳銃を持っていけと渡された。幸い自分の家は洪水や風の被害に遭わず無事で隣人も来ていた。ところが暴徒と見られる一団がうろついている。隣人と窓際で銃を構え、準備をしたが、幸い暴徒達は襲ってこなかった」
日本の大震災や原発被災の町村では考えられない状況だ。治安の悪化、それに対する武装した自警団、銃社会がなくならない背景が判るが、被害者の少年の人生を奪ったのも銃だ。ジンマーマンの弁護士は今後、彼が襲われる可能性もあるから銃を放せないと語っている。この事件でオバマ大統領の銃規制へのはずみを期待したい。