マレーシアのリゾート地コタキナバルで開催されたTPPラウンド、日本が初めて交渉に参加できることから、100人の交渉団を送り込んだ。全体で600人の交渉団だから各国ともその人数に目をむいた。今回はこれまでの経過を記録した膨大な資料を提供されることから、各省庁の精鋭が世界中から集められ、先ず読み込むことが仕事だから人数は出来るだけ必要なのだろう。
これに劣らず、大デリゲーションを送り込んだのは各業界団体の代表団で、農協、医師会、などいわば日本の交渉団への圧力団体だ。交渉内容をいち早く把握したいことから出かけたのだろうが、こうした国際ラウンドではその交渉内容がその日に発表されたり、代表団からコメントが出されることなど、はじめからあり得ないことは判っていても現地に居ることが圧力になると思うのが業界団体で、まして風光明媚なリゾート地となれば我も我もと参加することになる。
一方東京では、アヒルのコマーシャルでおなじみの米国保険会社アフラックが日本郵政と提携し、アフラックのがん保険を郵便局で販売することになったと発表した。これまで執拗に日本郵政は国営企業で保険業を営業することは民業圧迫でけしからん撤退すべしと米政府と伴に主張してきたアフラックが手のひらを反すように提携した。TPPでの米国の主張を先取りした感があるが、郵政の新社長といっても化石のような経済人西室泰三社長(78歳)は安倍政権から送り込まれた人、TPP交渉と無関係とは考えられない。
アフラックの代表、チャールズ・レイク氏はついこの間まで日本郵政傘下のかんぽ生命保険ががん保険などに参入することを「民間企業との対等な競争条件とはほど遠く不公正だ」と批判してきたが、自らのがん保険販売促進のためになれば郵政のがん保険参入は不公正では無いと言うことか。
いずれにしろ、TPP交渉では何が起きても不思議ではないという事例で次は何が飛び出すのか・・・・