行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

2014年春闘マスコミ報道から読む

2014-03-07 19:38:08 | Weblog

自動車、電機、鉄鋼など5産別を結集する金属労協の集中回答日12日が近づき、マスコミの報道が賑わしているが、その内容は吟味してみる必要がある。
先導役の好調自動車産業の交渉結果を推測している大手マスコミ3社6日の報道を見てみると
読売
春闘交渉を主導するトヨタ自動車が、今年の労使交渉で、ベースアップ(ベア)にあたる賃金改善分について3000円を超える金額の回答を検討していることが5日わかった。日経
トヨタ自動車は2014年の春季労使交渉で、労働組合に対し2000円台のベースアップ(ベア)を提示する方針だ。組合が求める4000円には届かないが、直近の08年のベア(1000円)の2倍を超える。日産自動車はベア、一時金とも満額回答する。
朝日
日産自動車は5日、賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)について、4月から月平均3500円引き上げる方針を決めた。今春闘で労働組合から出ているベア要求に対し「満額回答」で、約1%の賃上げとなる。トヨタ自動車も、月4千円の要求に満額で応じる見通し。いずれもベアは6年ぶり。

以上、トヨタのベア推測でも朝日は満額の4000円、読売は3000円、日経は2000円と各社まちまちでトヨタ労組の組合員は読んでる新聞によって喜んだり、怒ったりしてることだろう。マスコミ各社の労働記者はこの10年間春闘が社会の話題から遠ざかるにつけ、ほとんどいなくなり、今春闘の取材は経済部か社会部の記者が臨時に担当しているからこんなばらつきが出て来る。取材先は会社の労担(労働担当役員)とか組合の幹部で同じだから記者の能力で推測値が異なる。

80年代90年代の春闘でベテランの労働記者が健在であった頃は推測報道が倍も違うことはなかった。12日の一斉回答で初めてマスコミの優劣がはっきりする春闘となる。
日産の満額回答報道だが、12日の回答一週間前に決め打ちはこれまなかった。朝日、日経、毎日などマスコミ各社は同じ内容なので確率は高いと期待したい。

電機各社の報道では1000円から2000円、1000円から1500円というレベルで自動車と比べかなり低い水準だ。大手6社(パナソニック、日立、東芝、三菱、富士通、NEC)でも業績に差があるからこのような報道になるが、各社同じ水準になると1000円、ばらけると1000円から1500円といったことになると読み取れる。

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