当初、朝ドラ「花子とアン」退屈だなと思ってみてた。ところが女学校での友達に仲間由紀恵演ずる白蓮が登場したのには驚かされた。柳沢白蓮は昔習った日本史に登場する人物だからだ。と同時に、花子の生涯に比較し、恋いに生きた歌人白蓮の生涯はそれこそドラマチックで白蓮に朝ドラを乗っ取られるのではないかと思った。
その後の展開は、東(山梨)が当然主体であるが、西(北九州)も炭鉱事故や嫁ぎ先での白蓮の苦労なども加わり、中園ミホの脚本はうまくバランスを取っている。今後白蓮の新聞記者との熱愛をどう扱うかによって興味は花子の上京、就職よりそちらの方に傾く。東西とも現地では観光客が増え、朝ドラの視聴率が高い故に筋書きは難しい。苦労人の中園ミホはそんなことは百も承知かも、期待したい。
先日、甲府在住の方から聞いたところ、ロケ地だけでなく、県立文学館で村岡花子の特別コーナーが設けられ、花子が日常使っていた着物や帯、こよりで止めた原稿、白蓮とやり取りした手紙が展示され、戦前出演したラジオ放送の録音で肉声も聞けるとのこと、普段はとなりの美術館の方がミレーの絵など人気が有るが、ここのところ文学館への入場者が増え地元は盛り上がっているようだ。