日経が上場企業の人事担当者を対象に新卒社員の出身大学評価を行ったところ、433社から回答があり、意外な結果で大学受験生に大きな影響を与えるだろう。対人力、知力・学力、独創性など5項目で調査し、総合評価で最も高かったのはダントツで180.1点の京都大学だった。2位神戸大学158.7点、3位大阪市立大学157.2点,4位筑波大学155.3点、以下一橋、徳島、早稲田、慶応、九州、名古屋、迄がベストテンだ。
東大が25位という結果には驚くが、企業経営者だと政治的な配慮も働くが人事担当者の評価というところがみそで、正直に本音が出たのではないか。東大と京大の差は独創性と行動力、特にコミュニケーション能力で大きな差が付いたと分析している。
それにしても,地方国立大学の評価が高いのは、これまでの傾向と大きく異なる。無理して東京の大学に行くより地元の国立大学に入った方が就職には有利になるよという大企業人事担当者のメッセージだ。6位の徳島大学はコミュニケーション能力や主体性の高さで国公立大学のイメージを変えたがその秘密を知りたいものだ。東京で人気の阿波踊りが役に立っているのだろうか?
知力・学力なら東大だと思ったが、一橋、京都、広島、筑波の順で5位にも入っていない。入学するのに精一杯で卒業する時には消耗してしまったのだろうか?他の項目での1位を見てみると、行動力では国士舘で体育会系の面目躍如、独創性では信州大学、内創造力では京大に負けたが、個性があるで逆転した。専門性・仕事力では東工大で当然という結果だが、文系の上智が語学力抜群で2位に食い込んだ。対人力では福岡大、コミュニケーション能力とストレス耐性で高得点を得ている。何となく博多の屋台街と山笠祭りの迫力が重なる。
企業は人なり、人事担当者はこの厳しい時代、採用には全精力を傾けるだろう。大学もそれ相応の教育体制を取らざるを得ない。黙ってでも就職のできる東大生だったが、ブランドが落ちては行く末が案じられる。