オキュパイ運動が1年前に起きた米国、ウオール街に象徴される米国の富裕層はまさにピケティ理論を地で行き、資本収益の凄まじさをニューヨークタイムスは報じている。最近、世界のトップブランドフェラガモ、エルメス、シャネルなどが米国中に競って豪華な新設店舗を開店させている。背景は日本とは桁違いの富裕層がいることを示している。
5000万ドル(59億円)以上の富裕層人口の世界シェアは米国が50%弱で、最近のしてきた中国は6%、日本、ロシアはせいぜい2.5%と世界の富は米国に集中している。
しかも2008年のリーマンショックで米国の富裕層シェアは45%に落ちたがその後回復し、日本は5%のシェアが下落し続けている。これだけの統計で見ると日本の富裕層は資本収益が落ち込んでおり、デフレが影響しているのか米国より資本の運用が下手であったのか?
昨年よりアベノミックスの成果として、銀座のデパートでは高級ブラン品が売れ出した云われているが、ベインコンサルタントの調査によると、高級ブランドの衣類、アクセサリー、時計、バッグなどの購買金額は米国733億ドル(ニューヨークだけで255億ドル)、次が日本204億ドル、イタリー182億ドル、フランス173億ドル、中国169億ドルで米国の金額は日本、イタリー、フランス、中国を合わせたものより大きい。イブサンローラン社によると、昨年第3四半期の売上げは年初から3.5%伸びたが、北アメリカでは12%も伸びた。世界のトップブランドが競って米国に出店するわけだ。
オバマ大統領が富裕層への増税、中間層の減税を提起し、米国経済の底上げを狙うのも納得できる。