先日発表された10~12月期のGDP速報値、専門家の予想(3.5%)を下回る年率2.2%の結果だった。前回のマイナスサプライズに続く経済専門家の敗北であった。大きな原因は個人消費が4月の消費税増税で落ち込み、回復が遅れていることにある。3月までの駆け込み需要があるので4~7月期の個人消費や住宅投資は当然大きく落ち込むとみていたが、その影響が12月まで続くとは専門家だけでなくほとんどの人が思ってなかった。
結局10月に予定されていた消費税再増税は延期されたが、実施されていたら目も当てられない結果になっていただろう。5%の消費税が3%アップするだけで長期間消費が落ち込むというのは20%の消費税が普通の欧州では考えられない。食料品などに軽減税率を適用していたらどうなっていただろうか、私はこのブログで8%という食料品への消費税は欧州でも抜き出る高さだと指摘し、5%据え置きを主張したのだが、庶民の反発の強さは政治家や専門家が予想した以上だ。
改めて前回の消費税増税(3%→5%)の時を思うと、あのときは社会保険のアップもあり、増税を含め9兆円の負担が生じ、経済は一気に失速し橋本内閣は瓦解したと記憶している。どうも消費税という大衆課税は日本人に合わないのではないかと考えざるを得ない。ピケティ教授が提唱している所得税の累進化を進めた方が日本経済に良いのではないだろうか。1987年だったか日本の所得税の累進度をゆるやかにし、最高税率を70%から50%にしたが、累進度をそのままにしておくだけで5兆円の財政収入増になると計算した人がいるが、所得格差が大きくなっている現在に適してるというのは皮肉なものだ。