低賃金で有名だった世界最大の小売業ウォルマート、汚名返上の賃上げを発表した。時給制従業員の最低賃金を時給7.25ドルから38%増の10ドルに引き上げ、その原資として10億ドル(約1200億円)を投じる。あまりの大幅増なので株価は下がったが、巨大企業なので50万人が対象で半年以内に最低賃金を9ドルに引き上げ、新規雇用者を除き2016年2月に10ドルとするとした。米国で働く4人に1人は流通業に携わってるのでその波及効果は大きく、米国経済の回復を確かなものにするだろう。
またオバマ米大統領は最低賃金を10.10ドルに引き上げるよう、強く繰り返し議会に要請してきた経緯があり、今回のウォルマートの決断は米国での最低賃金の大幅改善への引き金になることは間違いない。10.10ドルは1ドル118円で換算すると1190円になり、日本の700円とか800円の最低賃金は見劣りし、英米では最賃1000円が当たり前になってきた。春闘でのベアも重要だが、非正規社員の時給を最低でも1000円に底上げすることもデフレ脱却には必要だ。